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柊君へ  作者: Taさん
第二章
70/254

入河ちゃん ~6~

入河ちゃんの話です!

「インターハイ予選は新入部員は全員、とりあえず不参加だからな。

 ただ、男子はリレーメンバーにリザーブに入っているから、いつでも出れるようには

 準備をしておくようにな。」


いよいよ試合のシーズンが到来する。


私は当然、今回の試合には出ないのだが、

いつもお茶らけている先輩達が凄く真剣な顔をしていたのが

強く印象に残っている・・・。



「じゃあ、新入部員はマネージャーの指示に従って、

 試合に向けた準備をしてね。」


城田先輩から言われて、本村先輩や大賀先輩に従って、

試合の準備を進めていく。

必要な荷物を先生の車に積み込んで、


「新入部員はテント張りがあるから、8時には現地に集合な。」


「「「はい!」」」」


この頃になると試合には出ないのだが、

私達もちょっと緊張しているのであった。


だけど、そんな空気を破る・・・


「これも積んでくれ!」


そう言ってハードルの3年生の先輩である松本先輩が

私達に薬の入った瓶を渡してきた。


「これなんですか?」


「下剤だ!明日、柊に盛らないと!」


そこまで言ったところで何かが飛んできて、

見事に松本先輩の頭をヒットするのであった!



「何をしゃーしゃーといってるんですか!!」


柊先輩が投げたの薄い本を拾いながら松本先輩を問い詰める。


「何をって・・・


 道具を使うのは人間が持つ武器なんだぞ!!」


「そうですけどね!ここで言うことじゃない!

 しかも後輩に毒を盛るとかって話はおかしいでしょうに!!」


「だって・・・


 凶悪なんだもん!!」


「誰が凶悪だ!!しかも、僕はリレーメンバーですよ?

 一緒に走るんですよね?」


「あ!?・・・く、困った・・・。」


「困ったじゃない!!」


「なあ、柊・・・。」


「なんですか?」


「ピンポイントの時間だけ効果がある下剤って売ってないかな?」


「このどあほうが!!!

 この期に及んでまだ毒を盛ろうとするんかい!!

 しかも、仕掛ける当の本人に聞いてどうするんですか!!

 実は・・・みたいに答えるわけないでしょうが!!」


「・・・ケチ・・・。」


「ケチじゃない!!」


「心が狭い・・・。」


「心も狭くないわ!!」


「じゃあ、どうしたらいいんだよ!!」


「普通に試合で勝てばいいでしょうに!!」


「勝てるんだったら、毒なんか使わんわ!!」


「何、キレてとんでもない発言してるんですか!!

 まったく、こんな遊んでる暇があったら

 マッサージ受けて疲れを少しでもとってくださいよ。」


そういて、松本先輩を引っ張ってマネージャーが

マッサージをしているところへと運んでいったのであった。


「ぷ・・・あはははは!!」


どれともなく新入部員たちが笑い出したのであった。

それも当然だ。

あんな茶番を見せられたのだから。


「明日は応援頑張ろうね!」


誰ともなくみんなが声をかけあっていた。




試合会場では朝から柊先輩と松本先輩がじゃれ合っていて、

柊先輩からツッコミを入れられていた。


「城田先輩、松本先輩って柊先輩のこと好きなんですか?」


「相当気に入っているのは確かね。

 同じハードルだし、リレーメンバーだしね。

 普段からも仲がいいけど、たぶんそれよりも

 みんなの緊張をほぐそうとしているかもね。」


「え?」


「松本先輩って、男子短距離のキャプテンだからね。

 だいたい全体のとりまとめもやってるから、

 わざとあんな風にわざと道化を演じてる部分もあると思うよ。」


城田先輩の発言に驚いていると・・・


「見てくれ柊!ついに睡眠導入剤を手に入れたぞ!!

 これを柊に飲ませれば・・・。」


そこまで言ったところで、見事なくらい冊子で頭を叩かれていた。


「この期に及んでまだ何かしようと思ってるんですか!!」


「俺は人事を尽くすんだ!!天命を待てるだけじゃダメだからな!!」


「そんな迷言いらんわ!!」


また見事に冊子で頭を叩かれていた。


「・・・。」


私が呆然と見ていると、


「ごめん、松本先輩楽しんでるわ。」


城田先輩も謝罪していたのであった。




試合は順当に男子は勝ちあがって、ハードルでは柊先輩と松本先輩が県大会へ。

リレーも県大会へと進んだ。


残念ながら女子の短距離・長距離、そして男子長距離は

個人もリレーも敗退という結果になった。


「県大会も会場がここって言うのが嫌だな~。」


松本先輩がそうぼやくのだが、


「いいじゃないですか、遠出する必要がないんだから、

 ゆっくり家で過ごせるじゃないですか。」


「せっかくなんだからどっかに泊まりたいじゃんか!」


「じゃあ、頑張って地方大会まで進んでください。

 地方大会は他県ですから泊まりですよ。」


「・・・やっぱり盛るか・・・。」


「そっちを頑張るんじゃない!!」


落胆していたメンバーもこんなやり取りを見ていると

徐々に元気を取り戻していた。


やっぱり・・・


わざとやっているのかな・・・


少しだけ松本先輩の好感度がアップし、

柊先輩は好感度がうなぎ上りに上がっていった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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