中田くん ~2~
不快な内容になっているため、その点ご了承ください。
不快と感じたら、次話へと遠慮なく進んでください。
~追加~
Another Storyを書いていますので、不快になった場合にはそちらを読んでください。
内容は中田くんとは違うのですが・・・お口直しになれば幸いです。
一学期の期末テストが終わった頃、廊下を見ていた俺に
「お、中田、お前このクラスだったんだ。」
そんな間抜けな声をかけてきたのが、柊であった。
その言葉を聞いてイラっとする。
“何をいまさら言ってんだ、こいつ!!”
柊に声をかけられて、頭に一瞬血が上ったのだが、すぐに落ち着いてくる。
“ああ、あえてこいつは今気づいた風に装ったんだな”
だけど、残念だな。俺は気づいちゃったんだよな・・・。
それなら、
「ああ。」
短く返答を返してやるだけにとどまった。
俺は寛大だからな、お前のその行為をあえて受け入れてやるよ。
その後は柊は俺に話かけることなく、立ち去っていく。
その時だった、俺に近づいてくる人影があり、
「中田君って柊君と知り合いだったの?」
西尾が俺に話かけてきたのであった。
・・・ついに来たか!!
柊のことが話すきっかけになったのは癪だが、
まあ、西尾にしても話すチャンスが到来したのだから、
これ幸いと思ったのなら仕方がないな。
「ああ。まあ、あいつが俺を気にしてるようだけどな。」
「・・・?どういうこと?」
ここで小首を傾ける西尾も可愛いと思ってしまうのだが、
頭の回転の遅い女だなっとイラっとしてしまうのだが、
俺と付き合うにはちょうどいいか・・・。
俺みたいな男には、いくらでも女の影が湧いてくる。
そうなると鈍感ぐらいの方が、何かと便利だしな。
「あいつ、俺の順位とか気にしてるんだよ。コッソリとチェックしているらしくてね、
もっと表立っていってくれたらいんだけど。」
ここで俺はため息交じりに告げると、西尾は戸惑ったような顔を浮かべるのだが、
「そうなんだ・・・。どっちが順位上なの?」
「俺だよ!!」
思わず、声が大きくなってしまい、西尾がおびえてしまったが、
俺の方が上なのを知っているのにどうしてわざわざ確認してくるんだ西尾は?
苛立ちがおさまらないが、
「す、凄いね。柊君って学年でも上位にいるのにそれよりも上なんだ中田君。」
「まあ・・・な。」
「じゃあ、今度みんなで勉強会しようよ。」
「・・・え?」
「・・・ダメ・・・かな?」
ここで西尾の可愛らしさが発揮されて俺の心をガッシリとつかんでくる。
ま、まあ、いいだろう。
ただ、そんな遠回しに言わずに“2人”で勉強したいと言えばいいのに・・・
「分かった。じゃあ、今日の放課後でいいか?」
「え?今日?・・・いや、そんな急には・・・。
それに私もテニス部があるし、中田君も吹奏楽部があるよね?
休むの難しいよ・・・。」
「そうか?俺は別に休むくらいかまわないぞ。」
「じゃ、じゃあ、今度声かけるね。」
「分かった。その時は言ってくれ。」
俺はすぐに勉強をするものだと思っていたのだが、
数日が経ち、一週間が経過しても勉強をするという話にはならなかった。
おかしいな?と思っていたのだが、吹奏楽の個人練習の時に
校舎外で練習しているとテニス部がたまたま目につく。
多くのテニス部員がテニスコートを囲んでおり、その中に西尾の姿があった。
そう言えば、テニス部って上下関係厳しかったんだよな?
先輩だけがコートを使用することが出来るとか言ってたし。
それなら、部活を休めないし、時間の調整も難しいだろう。
土曜も部活があるだろうし、日曜日は・・・ああ、遠慮しているのか。
別に俺の日曜日がつぶれても構わないと言ってやるか・・・。
疑問に思っていたことが納得できたので、練習を再開する。
今日の俺の音はどこか少し踊っているような感じがする。
西尾に日曜日も大丈夫だと伝えようと思ったのだが、
それよりも先に西尾の方から勉強をしようと言ってきたのである。
理科の授業の時、担当の先生から、
「お前ら、中間、期末とボロボロだったからな。このまま成績をつけると
ひどいことになる。だから、1週間後にテストをもう一回やるからな。」
そう告げられるとクラス中が騒然となる。
この理科の先生の自慢は今まで誰にも100点を出したことがないと
自慢している先生で、テストの最後の問題には必ず難題を1問入れており
それが誰にも解けないのであった。
いや、過去に東大理Ⅲに現役合格した人があわや100点!と思ったところで、
「名前が途中までしか書いてないからマイナス0.5点だ。」
そんなことを言って99.5点というテストではありえないような点を
付けたことがあると言っていたな。
この先生も先生なんだが、その生徒も間抜けである。
自分の名前を途中までしか書かないなんってありえるのだろうか?
俺ならそんな凡ミスはしないし、間違いなく100点になっただろう。
理科の再テストが行われることが決まって、数日が経過したところで、
「ねえ、中田君。理科のテストが今度あるじゃない、みんなで勉強しない?」
西尾から勉強の誘いを受けるのであった。
やっと来たか!!
どうやらこの理科のテストのために3日間部活も休みになるらしくて、
放課後に勉強が出来るから、集まって勉強しようとなったのだ。
「ああ、いいよ。」
二つ返事で俺が応えると、
「じゃあ、今日の放課後、教室でね。」
可愛らしい笑顔を浮かべて友達のところに戻っていく西尾が
ものすごく愛おしく見えるのであった。
放課後、クラスの1/3ぐらいの人数が残っていて、
皆で期末テストの見直しをやるのだが・・・
「中田君、期末テストの回答わかる?」
クラスメイトからの質問に何を言っているんだ?と疑問に思っていると
どうやら授業中に先生がテスト説明と回答をしていたにも関わらず
聞いてもいないし、メモすら取っていないようなのだ・・・
そんな奴らが1/3もいるのかよ・・・
バカだバカだと思っていたけど、ここまでバカだとは思っていなかった。
それに西尾まで一緒らしいところをみると正直、幻滅してしまう。
「ごめんね中田君、答案見せてもらってもいいかな?」
西尾の可愛らしいしぐさと共に少し舌をだした仕草がグッとくる。
「ああ、いいよ。」
テストの答案を渡しながら、
「ありがとう!」
西尾の今にもハートが聞こえそうな返答に心にグッとくる。
西尾は今のままでも十分だな・・・。
先ほどの幻滅が嘘のように消えていくのであった。
だけど、この後起きたことがまた頭にくる。
俺のテストの答案をみんなが写していると、
「西尾ちゃん!柊君が走ってるよ~。」
「え?本当に!!」
そう言ってベランダに出ていたクラスメイトの元に走っていく西尾。
その姿は先ほどのまでの笑顔とは違った一段上の笑顔のように感じてしまう。
「陸上部って、理科のテスト前でも部活するんだね~。」
「大変そう~。私だったら無理だよ~。」
「だけど、柊君って理科のテスト一位だったらしいよ。」
「え!?本当に!!」
クラスメイトの言葉に、一段と西尾のテンションが上がっていく。
「数学なんかは、県内でも上の方にいるみたいだよ。
柊君と同じ塾の子が、県内統一模試で、上位に柊君の名前があったって言ってし。」
「本当にすごいね!!」
西尾とクラスメイトの柊について盛り上がっている光景を見ると
イライラがおさまらない・・・。
「けど、なんであいつら部活出来るんだろうな?」
ふとクラスに残っていたクラスメイトがそんなことを言い出した。
「だって、こんなに難しいテストだし、これで理科の成績が決まるんだぜ?
それなのに部活するとかありえないだろう。」
「そうだな・・・。」
そんな時だった。別のクラスメイトからとんでもない言葉が発せられる。
「・・・あいつら、理科の先生から試験に出るところを教えてもらってるんじゃないか?」
「え!?」
確かに・・・それであれば柊がテストで良かった理由も分かる。
それに陸上部にいる連中は何人かが俺よりも上位にいる連中だ。
そいつらも教わっているのか・・・?
いや、教えてもらっているからあいつらの成績が俺よりも上なんだろう!
汚いやつらだ・・・。
「俺も聞いたことがある。陸上部連中、テストに出る処を教えてもらってるらしいぞ。」
俺の発言に、残っていたクラスメイト達から、
「きったなー!!」
「そんなのズルいよ!」
批難の声が上がっている。
その中に西尾もいて、非難する側にいる。
柊・・・残念だな。
こんなに愉快な光景がある何って思ってもみなかった。
テストも無事に終えて、どうやらみんな中間、期末、補修テストの平均が
赤点以上になったようで、無事に成績が付けらると理科の先生から言われて
一緒に勉強していたメンバーがホッとしていたのであった。
結局、この後は西尾から特に話しかけることもなくなっていたのだが・・・。
気づいた点がありましたら、修正・追加していきます。
拙い文章で申し訳ない!!