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柊君へ  作者: Taさん
第二章
67/254

入河ちゃん ~3~

入河ちゃんの話です!

「それじゃあ、それぞれの希望の専門に分かれて練習しましょう!」



先輩の掛け声と共に私達新入部員は

それぞれの希望する専門種目に分かれていった。


「入河ちゃん、宜しくねー。」


そう言って、私を迎えに来てくれたのは中学校の時から同じテニス部だった城田先輩だ!


「宜しくお願いします城田先輩!!」


「こんなところでまた一緒の部活になるとは思ってもみなかったよー!」


「私もですよー!!」


城田先輩は中学の時からちょっと天然が入っているのだが、

優しい先輩だった。


それに見た目も可愛らしくて、うちの学校ではとどまらず、

ここら辺一帯の高校でも有名らしい。



“○○高校の3M”


松田先輩の苗字と、城田先輩と大賀先輩の名前から付けられた名前だ。


3Mと言えばどこの高校でも先輩方3人だと言われている。


正直・・・


女の私でも見惚れるくらいだ・・・


「城田先輩・・・相も変わらず可愛らしいですね!」


「えーー!そんなことないよー!入河ちゃんこそ、可愛いじゃん!」


そう言って、私を抱きしめてくる城田先輩。


・・・スタイルもいいのがうらやましいです・・・



「さてと、連れてきたよ!柊君!」


「あいよ。」


そう言って、私の前に来た柊先輩は、


「本当にハードルを選ぶとはね。」


「当然じゃないですか!!そのために陸上部に入ったんですよ!!」


「じゃあ、頑張ろうか。」


「はい!!」


うちの陸上部の練習は基本的には生徒がメニューを決めている。

専門種目では当然、その専門種目にいる先輩がメニューを決める。

3年生の男子には2人先輩がいるのだが、


「柊が一番早い!!」


「柊に教わるのが一番!!」


そう言って、メニュー決めから指導まですべてを柊先輩が取り仕切っていた。


「・・・その心は?」


「俺・・・人に教えたことない・・・。」


「俺は高校に入って初めてハードルに触れた初心者だし!!」


・・・そんな理由でハードル全体を柊先輩が見ているのであった。

ちなみに女子の3年生もいるが、


「・・・今、柊君に教えてもらってる身なのに、

 どうして人に教えれるのよ・・・。」


とのことで、柊先輩が私ともう一人男子の新入部員を教えてくれることになった。


「とりあえずストレッチからしようか。」


「「「はーい!」」」


「いやいや、他の皆さんはちゃんと練習してくださいね。

 入河さんと平田だけですからね。」


「「「けちんぼー!」」」


「・・・じゃあ、代わってもらえますか?」


「さあ!練習しようかな~!」


「練習練習!」


そう言って、先輩達は蜘蛛の子を散らすように去っていった。


「・・・じゃあ、始めようか。」


ため息をつきながら、マットがひかれた場所でストレッチを始める。


「これ、ハードル選手が良くするストレッチね。」


そう言って手本を見せるくれて、私達は柊先輩に習ってストレッチをする。

・・・するのだが・・・


「柊先輩・・・。」


「なんだ?」


平田君が柊先輩に、


「もっと派手なしましょうよ。」


「え?え?」


思わず私が平田君に聞き返す。

柊先輩は呆れたような顔をしながら、


「まずはしっかりストレッチをして、体をほぐしてから練習だ。」


「なぜですか!!!」


「ケガしたら困るからな。」


「ケガ何ってするわけないでしょう!!」


「それは分かんないだろう?その可能性を少しでも下げるためにしないとな。」


「大丈夫です!!」


「・・・何なんだその根拠は。」


「だって、僕は・・・


 柊先輩や柳川先輩を見て育ったんですよ!!」


何と平田君は柊先輩と同じ中学出身で、

しかも陸上部の先輩と後輩の間柄なのだ。


「お前、本当に俺らを見ただけだろう?

 そもそも専門・・・



 砲丸投げだったろうに?」


「・・・僕程の男は見るだけで充分なのです。」


「大体、短距離系苦手だったのに、なんでハードル選んだんだよ?」


「部活動紹介の柊先輩を見て・・・。」


「あれか?感動でもした?」


「いえ・・・。」


「違うんかい!!」


「はい・・・。


 柊先輩に注がれた・・・



 あの歓声は僕にこそ相応しいからです!!」


「あ~あ、言い切っちゃったこいつ・・・。」


苦笑しながら、


「じゃあ、来年は頼むな。」


「任せてください!!!」


「それに向けて、地味なストレッチをしっかりやろうな。

 それから飛ぶ練習だ。」


「仕方ないですね・・・。今日の所は引き下がりましょう。」


そう言って、渋々と言った態度で平田君がストレッチを開始した。


「入河さん、こいつは・・・まあ、変わってるから、気にしないようにね。」


「は、はい・・・。」


呆然としながらもストレッチを私もするのであった。


その後も色々と平田君は行っているのだが、

慣れた様子で柊先輩はそれを聞き流しながら、指導をしてくれる。



「・・・何でお前は飛べるんだろうな・・・・。」


「ふふふ・・・ははは!!天才なんですよ僕は!!」


練習を開始して一時間ほどでハードルを飛べるようになった平田君。

逆に私はまだ一台もハードルを飛ぶことが出来ていなかった・・・


「大丈夫だよ。入河さん。普通はいきなり飛べないからね。」


そう言って、励ましてくれるのであった。


「・・・すいません・・・。」


「ぜーんぜん!謝る必要もないからね。」


柊先輩の優しさが身に染みてしまう。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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