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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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福留先輩と大賀さんと城田さんと時々、私(松田さん) ~13~

積極的な大賀さん、腹黒い福留先輩、奥手な城田さんと松田さんの話です。

インターハイ予選が行われた試合ではハードルのみに出場する柊君であったが、

順当に勝ち上がって、3位となり、県大会へと進んだ。

男子のリレーも3位となって、県大会への出場を決めた。


だけれども私達のインターハイ予選はここでピリオドとなった。

ハードルは、私と経験者の子が出場したけど、予選敗退。

女子のリレーについては力及ばず準決勝で幕引きとなったのだ。



インターハイ予選の県大会は別の市で行われるのだが・・・


「松田先輩は行くんですか?」


ハードルの練習中に入河ちゃんが私に尋ねてきた。


「どうしようかと考え中かな・・・。」


女子は誰も出場をしないので、完全に男子の応援だけに行くことになる。

正直言って気恥ずかしさがあって、素直に行くとは言えないのだが・・・


「私、行きますよ!」


まぶしいくらいの真っ直ぐな返事をする入河ちゃん。

こういうところが称賛できる。


打算でもなく、素直に会いたいからいくっていう選択肢の入河ちゃん。

何だか、お尻にしっぽが見えるような気がするし。


「それで、母が連れて行ってくれるので、お金の心配はないんです!

 車も空いてますし、どうですか先輩方?」


そう言って、3人の私たちに声をかけてくれたのだ。

すると


「じゃあ、お言葉に甘えてもいい?」


そう城田さんが言ったのをきっかけに3人とも行くことになった・・・





私は柊君からハードルの練習中にビックリする発言を聞いた。

それは何気ない会話だったのだが、


「城田さん、ハードルを飛んでる時はもっと視線は先をみないと。」


「だけど、怖いじゃん・・・。」


「まあ、そうだけど。どうしてもその場で飛んでしまって、

 スピードが止まってしまうんだよ。

 だから、出来る限り視線は先を捉えるように意識をしよう。」


「はーい!気をつけます!

 というか、まだまだなんだね~私。

 確かに後輩に聞かれても指導ってできないからね・・・。」


「ちなみに俺、このインターハイ予選が終わったら、引退するから。

 城田さんもちゃんと後輩の指導が出来るようにならないとダメだよ。」


「引退するの!?」


普通は夏まで残ると言うのに、この時期に引退って・・・と思ってしまったのだが、

その前の練習での光景を思い出して、その理由が分かってしまう。


「・・・やっぱり膝が悪いの?」


「うん、思っていた以上に踏ん張りがきかないんだよね。

 意識してても膝が踏ん張れない時もあるし、逆に意識してなくて

 踏ん張れる時もあるから、正直びくびくしながら飛んでる感じかな・・・。」


大きなため息をついている柊君。


先ほどの練習中に急に失速したのはそう言う理由なのだろうな・・・

ハードルを飛んでいる最中に急にスピードを緩める場面があったのだ。

不思議に思っていたのだが、確かにあれだと試合は難しいよね・・・



そのことが頭にあったので、入河ちゃんからの申し出に

私はすぐに飛びついた。


このインターハイ予選以外のの試合には柊君は参加しない。


だったら、私はこのインターハイ予選の試合を

実際にこの目で見ておきたかったのだ。


正直、個別で観に行こうかと思っていたので、

二つ返事で入河ちゃんの申し出受けたのであった。

更に心に決めたことが一つ!


カメラの準備をしっかりとしなければ!!





「大賀さん、テーピングするの手伝ってくれる?」


いつも通り、柊君に声をかけてもらい

柊君の膝のテーピングを手伝っている時だった。


「やっぱり膝が痛いんだ?」


テーピングを貼りながら柊君の膝を触るといつもより熱を持っていたので

尋ねると、ちょっと痛みがあると言われた。


「まあね、だけどそんなに支障はないけどね。」


いつもの様子で答える柊君に、


「あんまり無理するのは良くないよ。」


「・・・まあ、けど、このインターハイ予選が最後だからね。

 あとちょっとの辛抱だよ。」


「あれ?夏の大会は?」


「ううん、インターハイ予選までで引退する予定。顧問にも伝えたよ。」


更にととんでもないことを言う柊君。

ショックを受けるのだが、それとは逆に私の中ではチャンスだと思ってた。



先日、とある女子が柊君に告白をしていた。

当然断っていたのだが、その女子が結構食い下がっていた。


・・・ちょっと邪魔しに行っちゃおうかな。


あまりに食い下がっているので、そろそろストップをかけるために

隠れている場所から一歩踏み出そうとした時に、


「友達からと言われても・・・友達になるのはいいけど、

 はっきりいって期待はしないでね。

 特に部活も3年で忙しいから、部活やっている間は

 仲良くしてと言われても無理だから。」


そう言って断って、部活へと向かって行っていた。


この時、断る理由で柊君は部活を上げていた。


インターハイ予選が終われば、柊君は引退するのなら、

そこからは余裕が生まれるんだし、私もやっと一歩進めるんじゃないかな。

そんな強い期待が頭をよぎるのである。


周りのみんなからは、私が柊君に告白したと言われているが、

私自身は一度も告白をしたことはない。


周りの友達からの進めやそれとなく話を進めてみたりするだけだ。

何より私から告白する何ってことは考えられないのだ。



私はこの学校では自分でいうのもなんだけど、

美人トップ3の1人に数えられている。


実際にちょっと外に目を向けたら、すぐに男が寄ってくる。

今の相手は大学生で呼べばすぐに迎えに来てくれる。

ご飯をご馳走してくれたり、欲しい鞄を買ってもらったりする。


付き合ってもいないので、私の体に触れさすこと何ってないし、

何かあったら私が高校生であるため犯罪者だって自分で言っていたのだ。

だから、何かが怒るとは考えにくい相手。


その他にも他校の生徒から試合の時に呼び出されて告白されたこともある。

町を歩いているだけで、男からナンパされることもある。

スカウトも受けるくらいなのだから、私は相当に可愛らしい。


そんな私が告白をしなければならない相手何っていないはずだし、

そろそろ柊君も私に告白してきてもおかしくはない。


今までずいぶん、時間をかけられてきたのだが、

やっと実を結ぶことが出来そうね・・・。


最後の試合になった時には私が傍にいてあげるわよ。


そう決めて、私は顧問に県大会の手伝いを申し出た。


するとすぐに了解を得れたので、

私は柊君のサポートをするために県大会に同行したのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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