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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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福留先輩と大賀さんと城田さんと時々、私(松田さん) ~11~

積極的な大賀さん、腹黒い福留先輩、奥手な城田さんと松田さんの話です。

やってしまった!!!


階段で松田さんとじゃれたせいで柊君に怪我を負わせてしまったのだ。

本当に笑いごとじゃない事件を引き起こしてしまった・・・。


柊君は思っていた通りで、


「城田さんが気にすることはないよ」


そう言ってくれたものの、全然許されるとは思っていない。


松田さんも私と同様にショックを受けており、まともに接することが出来ないくらいに

柊君と距離が出来てしまっていた・・・。


せめてもの救いは今シーズンの試合が終了していることであろう。

それに柊君曰く、


「上半身強化をするにはちょうどいいよ。」


すごく今回の怪我を前向きにとらえてくれるていることだ・・・。



「柊君!私、必要なもの買ってくるから遠慮なく言って!!」


松葉杖をついてきた柊君に伝える。

とりあえず出来ることをまずは探すことにした。


「大丈夫だよ。お昼も準備してるしね。」


その後も色々と聞くのだが、気にしないでと言われるだけで

何もできないのであった・・・。

それがなんだか本当に申しわけなく思ってしまうのである。



結局、足が治るまで特に何か特別なことは出来なかったのだが、

毎日のように話すことで私は柊君と話すことを苦にしなくなっていた。


ただ、柊君と話せるからと言って、他の男子と話せるかというのは別物で、

この当時、私は色んな男性から一緒に帰ろうと誘われるようになっていた。


色んな人から誘われたり、偶然帰り際に会ったりして一緒に帰るのだが、

いつもなぜか柊君が一緒にいることが多いのであった。


「何でいつも柊君がいるの?」


その質問に、苦笑しながら柊君が応える。


「なぜか知らないけど、みんなから城田さんと一緒に帰るから

 一緒にいてくれてって言われるんだよね。」


何じゃそりゃ?という回答を柊君からもらい良くわかっていなかったのだが、

それを友人に言うと、


「だって、城田って男子とまともに話せないでしょう?」


「そんなことないよ!!柊君とは普通に話せるもん!」


「柊君くらいでしょう?まともに話せるのは?

 今だって、私を挟んで男子は城田に話しかけてるじゃない!」


「ちょっと!だって、別に話したりするよー!

 それなのにそんな扱いはちょっと納得いかないな・・・。」


「だって、城田・・・天然じゃん。だから、それを理解できる人がいないと

 会話が成り立たないんだよね。私は長年一緒にいるから分かるけど、

 逆に柊君何ってすごいと思うよ。頭の回転が速いんだろうね~。」


なぜか、柊君の株が上がって、私の株は下げられていた・・・。


・・・天然って・・・


自分ではまったく自覚がないので心外です!!



確かに待ち合わせの場所にたどり着けないことがあるから、

友人は私の家まで迎えに来てくれるけど・・・


これはただ単に方向音痴なだけで天然ではない!!



ちょっと友達や人の話を聞いていないことがあるけど・・・


これはちょっと別のことを考えているだけで天然ではない!!



ちょっと女子としては駄目なくらいはしゃいでしまうけど・・・


これは、楽しいことなんだからみんなやってることだし天然ではない!!!


何で私が天然と呼ばれるのかが理解できないな~・・・。



「柊君!私って天然かな?」


ある日、柊君とその友達と一緒に帰っている時に柊君に尋ねると


「天然だと思うよ。」


何と柊君にまで断言されたのであった!!!


「そんなことないよ!!私、全然天然じゃないし!!」


断固反対するのだが、一緒にいた柊君の友達は

天然じゃないよね~と言ってくれたのだが、柊君は頑なに認めてくれはしなかったのである。


・・・天然なのか・・・




高校2年生になると理系が5クラス、文系が3クラスへと別れたクラス配置となった。

その中で、優秀な生徒を集めたクラスが理系にも文系にも1クラスずつ編成されており、

私はその優秀なクラスに配属されていた。


このクラスには陸上部の男女が多く存在しており、

気心が知れて、楽しそうなクラスであったのだが、


「成績順っていう割には柊君とかトップに名を連ねている人いないね?」


同じ陸上部の松田さんに尋ねると、


「柊君は問題児クラスに配属されてるみたいだよ。」


そんなことを教えてくれたのであった。


「問題児クラス!?」


「うん、ほら、三年生とかと揉めたりとか色々してたからね・・・。」


・・・それって私のせいなんだけど・・・


結構ショックな情報が私にもたらされた。

私を助けるために3年生ともめたのにと思ってしまう・・・



「何か・・・ごめんね。」


部活の時に柊君に謝る。


「?何が?」


「クラス・・・柊君きっと優秀なクラスだったはずなのに・・・。」


「ああ、そのこと。別に城田さんのせいじゃないだろう。

 俺の日頃の素行の問題であって、別に城田さんが気にすることじゃないよ。」


「だけど・・・。」


「大丈夫だって!どうせ習うことは一緒なんだし、

 厳しく言われないぶん、のんびりと勉強させてもらうよ。」


そういって、笑って一蹴してくれたのであった。

なんか・・・いっぱい迷惑をかけてしまっているな・・・。


せめてもの償いとして、私のクラスで配られるプリントを

柊君へコピーして渡していた。


ここでこの学校の問題点があるのは、優秀なクラスに選ばれれば

先生が色んな問題をまとめたプリントを配ってくれたりしてくれるのだが、

他のクラスにはそんなプリントを配ったりはしてくれない。

他のクラスではいつも通り教科書を中心に勉強をしていく。


何より問題は配られているプリントから多くテストに出されることだろう。


優秀なクラスはより優秀に、他のクラスと格差がどんどん生まれてしまっている。

それがハッキリと分かってしまう。


「クラスの平均点が各教科で10点以上高いのは、

 本当に皆さんが優秀だからですよ。」


そういって、担任や教科担当の先生がほめてくれる。

みんな嬉しそうにしているのだが、私の中ではうまく消化は出来ていなかった。



「こんなことを言っていたんだよ!!」


「・・・まあ、この学校らしくていいんじゃない。」


苦笑する柊君にどうしてと聞いてみると、


「だって、推薦だって、効率よく成績を残してる生徒を引っ張ってきて、

 特定の部活を全国区にまで押し上げてるしね。優秀な生徒を集めて、

 勉強を施せば、より優秀になるだろう?そしたら、その優秀な生徒に

 大学への進学率や有名な大学の合格を獲ってきてもらえば学校の成績にはプラスだからね。」


「・・・そうだけど・・・。」


「“選択と集中”だよ、どっかの会社みたいにね。」


「私は納得いかないな~。だって、同じ生徒なのにさ!!」


「そんな風に考えている人が1人でもいてくれることは良いことだよ。

 効率は確かに良いんだろうけど、変なエリート意識を持っている連中には

 ほんとうに困ったもんだしね。」


「・・・何かあったの?」


意味ありげな言葉に私は恐る恐る尋ねると、


「俺、この間のテストが良かったんだけど、

 どうやら城田さんのクラスの生徒からカンニングしたって言われてねー。

 ここ最近の実力テストを職員室で受けるはめになったんだよ。」


「はぁ!?それどういうこと!!!」


私は思わず目を見開いてしまった。


「数学、物理、化学、地理で学年一だったからね。

 そりゃ~、問題児クラスの生徒がその成績を獲るとみんなが疑うんだろうね。」


「何なのうちのクラスって!!!」


ものすごい憤りを感じた。

柊君は元々成績はいい。だから、その成績をとってもおかしくないのに・・・


「断固抗議だよ!!それは!!っていうか、なんで柊君はそんな状況なのに

 冷静でいられるの???」


話を聞いた私が怒っているのだが、当の本人が怒ってもおかしくない内容なはずなのに・・・。


「まあ、今度の実力テストで結果が分かるし、その結果で黙るだろうから

 別に気にしてないよ。」


「そうかもしれないけど・・・私は納得いかないよ・・・・。」


この出来事があって以来、私は自分のクラスメイト達に不信感を持ってしまう。

同じ同級生にそんなことを言う人たちなんだ・・・

何だかちょっと悲しいな・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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