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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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福留先輩と大賀さんと城田さんと時々、私(松田さん) ~8~

積極的な大賀さん、腹黒い福留先輩、奥手な城田さんと松田さんの話です。

夏になるとうちの陸上部はみんなで一泊二日のキャンプが毎年恒例で行われている。

残念なことなのは顧問の先生がいるということなのだけど・・・


「おはようございます。」


集合場所にはすでに大半の部員が集まっていた。


いつもと違いみんな私服であり、凄く新線だとか言い合っていると

急に爆音が響いてくる。



ウォンウォンウォン!


この町ではよく聞くヤンキーのバイク音が駅に近づいてきた。

時間はまだ7時であり、こんな朝から?と思っていると、

そのバイクは私達の前に止まるのであった。


「ありがとう。」


そういって、後ろに乗っていた男性が下りるのだが・・・



ひ、柊君!?


そこに乗っていたのは柊君だった。


荷物をスポーツバッグに背負って、Tシャツと綿パン、スニーカーのラフな姿なのだが、

柊君の細マッチョには妙に似合っていた。


「気をつけて行って来いよ。」


「ここまでありがとう。気をつけて帰れよ。」


柊君はそのバイクの人と挨拶を交わして、部員の所に近づいてくるのであった。


ここら辺が柊君の不思議なところである。

私達は進学校にいる人間で、不良などとの付き合いは皆無なはず。

なのに柊君は・・・


噂では入学してすぐに3年生の応援団長や旗持の人ともめたり、

他校ともちょこちょこもめていると聞いている・・・。


そんな人が頭いいの?


と不思議に思ってしまう。

周りの人間もちょっと引いているような空気になっているのだが・・・


「さっきの知り合い?」


そんな空気を消すように福留先輩が声をかける。更に・・・


「色んなお友達がいるんだね。」


大賀さんもすぐに柊君に話しかけるのであった。


本当に・・・大賀さんは福留先輩が言うように復活するとは・・・・。


部活をしばらく休んだ後、何事もなかったかのように復帰してきた大賀さん。

その後は、いつものように柊君にアタックをしている。


私は・・・完全に出遅れてしまっていた。


電車移動の時も、キャンプ場に着いてからの行動も

柊君と一緒にいることは出来なかったし・・・。



だけど、このキャンプ場に着いてやったバトミントン大会では

話す機会がわいてくるのであった。



「松田ちゃん!中学バトミントン部の実力を見せる時よ!!」


みんなからの期待を背負って、全員参加のトーナメント大会に尽力するのである。

私は順調に決勝まで残ったのだが、決勝の相手は、なんと柊君だった。


それまでもしっかりとバトミントンの腕前を見せてもらっていたので

ハッキリ言って気づいているが、柊君がバトミントン上手なのだ。


私より上手なんだけど・・・


元々の上手さに加えて、すごく俊敏に動く柊君。


勝てるのかな・・・


そんな一抹の不安を持って試合をしたのだが、



やっぱり勝てない!?


ミスらしいミスをしない上、左右前後とふるのにそれに付いてくる柊君。

逆に私の方にミスが目立ち始めたのであった。


「ガンバレ!松田ちゃん!!」


「おーい!柊!失敗してしまえ!」


そんな声援が飛び交う中、一方的に試合が進んでいたのが、

柊君のミスが徐々に出てきて、点数が詰まっていくのであった。


そして・・


「ウィナー・・・松田ちゃん!!!」


思わずガッツポーズをとってしまうのだが、

本当に嬉しかった。


周りのみんなからも歓声をかけてくれたり、

抱き着いてくる同級生もいたくらいだ。



「いや~、やっぱり松田さん強いね。」


「いやいや、柊君こそ強い!ビックリした!!」


「中学、バトミントンやってたんだっけ?」


「そうだよ。何とか面目躍如出来たよ。」


「十分でしょう。男子も混じっている中で優勝したんだし。」


キャンプ始まってから初めて話をする。しかも、


「ちょっと顔を洗いたいな~。」


「あっちに水辺があるよね。」


「どこ?」


「案内しようか?」


「じゃあ、お願い。」


そう言って、私は柊君と2人でキャンプ場にある

水辺というか、川の方へと二人だけで行ったのだ。


「水が冷たくて気持ちいいね!」


「先生が、暇なときは入ってもいいよって言ってたよ。」


「へー・・・。まあ、確かにキャンプ場に来てるお客さんんって、

ここで水遊びしているね!」


そう言いながら周りを見る柊君。

私も見るとカップルが水着に着替えて、川に入っていたり、

サップをしている人までいる始末だ。


ここの川は下流・上流でネットを張っていて、

各位置に見張りの監視員がいたりするため遊泳可能なのだ。

そして、私も泳ぐために水着を持ってきている・・・。


今は、バトミントンを終えたばかりで、

2人で靴と靴下を脱いで水の中を歩いたたりして楽しんでいた。


本当にとりとめのない時間だけど、緩やかな時間を2人で過ごすことが出来た。



「おお!ここにいた!!」


そう言って、先輩がひょっこりと私達の所に顔をだす。


「どうしたんですか?」


「あっちで、スイカが用意してるから、呼び来た!

 スイカ食べ終わったらここで泳ぐから、一度戻っておいで~。」


「了解です。じゃあ、松田さん、戻ろうか。」


「うん。」


そう答えたところで、何気なく足を運んだ先の水の中の石で私は足を滑らせてしまうのだが、

すぐに柊君が腕を掴んでくれて助けてくれたのであった。


「やっぱり川の中は油断してると危ないね。」


そう言って、掴んでいた腕から離して、

手と手をつないで川から一緒に出ていったのだ!!


転びそうになるからと分かっているのだが、

頭の中はすごい沸騰するような状態になっており、それは手にも及んでいる。

自分でもわかるのだが、手もものすごく熱いなっているだろうな・・・。


川から出ると自然と手が離れてしまうのが、すっごく愛おしかった・・・



男子達はみんな水着姿で川に入っていきながら、


「お前ら、体を冷やし過ぎるなよ!!」


先生から注意を受けていた。


「「「はーーーい!!」」」


強豪校とは思えないような弛緩した光景、無邪気な子供といった感じだ。


男子はリレーで県大会7位、個人では100メートルで3年生の先輩と同級生の子が県大会に出場、

ハードルでは松本先輩が県大会で6位を獲って、更に上の地方大会に出場している。


更には柊君も同じようにハードルで県大会で3位を獲って、

更に上の地方大会でも8位に残ったのだ。

1年生ながらの入賞に学校が湧いていた。


そんなすごい生徒なのに、やっぱり子供だな~。



女子は基本的には学校のスクール水着にTシャツを着てといった格好の中なのだが、

やはり2人の女子は水着が違う。


一応、Tシャツを着てはいるものの、

大賀さんはホルターネックのビキニ、

福留先輩はオフショルビキニを着ている。



「もう、あそこまでいくといっそ清々しいね。」


先輩の言葉に私も納得してしまうのであった。


男子達も2人の姿に興奮気味で、水を浴びて、

透けるTシャツが余計に興奮を誘うのだろう。

嬉しそうにしているのであった。





「可愛らしい水着を着てますね、福留先輩。」


そういって、勝ち誇った顔をする大賀さんにちょっとではないくらい不快感を感じる。

胸を誇張するような水着を予想通り選んでおり、

更にはわざと水でTシャツを濡らせて透けた姿を披露しているんだろうな・・・


私と一緒で無地の白のTシャツを着ているのだから、

狙いも一緒なんだろうし・・・


だけど、私にはあの迫力が出せない・・・


勝ち誇ったような笑顔が本当にむかつく!!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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