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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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福留先輩と大賀さんと城田さんと時々、私(松田さん) ~4~

積極的な大賀さん、腹黒い福留先輩、奥手な城田さんと松田さんの話です。

次の週になるとまだまだ新入部員たちは受験でなまった体とのことで

ゆったりとしたメニューをこなしていくのだが、

先週からの疲れもまだまだ抜けておらず、

私は足を引きずるくらい痛めていたのであった。


すると・・・


「松田さん、足大丈夫?」


柊君に声をかけられたのであった。


私も柊君も陸上部の短距離に所属しており

短距離は男女混合で練習をするのだ。


だから、柊君も私の歩き方に気づいたのだろう。


「う、うん。何とか動けるよ。」


そう言うのだが、どうしても足を引きずってしまうと、


「本村先輩、テーピングってありましたよね?」


そういって、マネージャーの先輩にテーピングを持ってきてもらい、


「ちょっと足出して。」


そういって、私の足にテーピングを施してくれるのであった。


「ちょ、ちょっと・・・。」


「少しの間だから我慢してね。」


本当にあっという間に私の両足にテーピングを施してくれるのであった。


「まあ、気持ち程度だけど、これで楽になると思うよ。」


「あ、ありがとう。」


いいえっと言うと、柊君は他にも足を引きずっている子達にテーピングを施すのであった。

そのやり方をマネージャーの本村先輩はメモリながら聞いていた。





「城田さん、足出して。」


「わ、私もしてくれるの?」


私は思わず聞いてしまう。

ちょっと松田さんがテーピングしてもらっている姿を見ていて、

うらやましいと思っていたところで目があったからか、


「そう言えば城田さんも足を引きずっているよね?」


そういって、私にもテーピングを施してくれるのだが、

この時、私の心の中ではものすごい恥ずかしさが戦っていた。


だって、アップシューズの中の足って絶対に蒸れて臭くなってるじゃん!!


して欲しいという思いと臭い可能性があるという思いの中で揺れてしまうのだが、

自分で急いで靴下を脱いで、何とか仰いで対処しようとしたところで、


「・・・何してるの?」


「いや、足が臭いかもって思って・・・。」


我ながら情けない返答をするのだが、


「大丈夫だよ。」


そういって、何も気にせずにテーピングを施してくれるのであった。

そのテーピングは次の日に本村先輩にしてもらうまでずっとし続けていたのであった・・・。





その週の週末に新入部員の歓迎会が行われることになり、

せっかくみんなで町に集まるのならってことで女子一同は、

みんなで集まって陸上競技をするのに必要な道具類を買いに行くことになった。


「松田ちゃんは専門何にするの?」


スパイクを選ぼうとすると種類がかなり多くて、

専門ごときにスパイクが別れているので

専門を何を選ぶのかが重要になっている。


そのため先輩は私に聞いてきたのであろう。


「私はハードルをしてみたいなって思ってます。」


そう伝えると・・・


「おぉ~!今年はハードル3人もいるの!?」


驚く先輩、そして私も驚く。


3人?


確か、1人はハードル経験者の同級生がいるとは聞いていたのだが、

もう一人いるとは思ってなかった。



「松田さんもハードルなんだね!!」


そう言って話しかけてきたのは城田さんだった。


「城田さんもなんだね。宜しく。」


私も城田さんも中学校では違う部活に入っていた陸上初心者同士である。

そう言えば、確かに100メートルかハードルかって悩んでいたな・・・



「もしかして松本狙い?」


ニヤニヤしながら先輩が聞いてくる。

松本先輩は一つ上の先輩で、ハードルを専門にしている先輩である。


校内ではかなり人気が高く、実際、うちの学年には松本先輩を追いかけて

ここの高校に入学した生徒もいるくらいだ。


かく言う、私達陸上部の中にも一人100メートルを専門にしている女の子が

松本先輩を追いかけて、入学・入部をしているのであった。


「「いえ、ちがいますよ。」」


私も城田さんも2人とも否定する。


まあ、ちょっと後ろで私達の発言を

覗っている1人が気になって全力で否定する・・・。

こんなところでわざわざ波風立てない方がいいからね。



「じゃあ、柊君狙い?」


急に話題に入ってきたのは長距離にいる福留先輩であった。

にこやかに私達の会話に入ってくるのだが、


「え、でも柊君って彼女いるでしょう?」


別の先輩が福留先輩に聞くと、


「そうみたいだけど、そんなの気にすること?」


小首を傾けながら、?が浮かんでいるような顔をする福留先輩。


「いやいや、彼女いるんだし。普通は狙わないでしょう!」


そんな先輩の言葉に、


「いい男に彼女がいるのは当然じゃない。

 そんなの当たり前なんだんし、それが狙わない理由にはならないけどね。」


「・・・もしかして狙ってる?」


「当然!私の好みだし。それに彼女は別の高校だから、狙いやすいでしょう。」


ニッコリと微笑む福留先輩がものすごく恐ろしく感じる。


「・・・っていうか、確か年上の彼氏いたよね?」


「もし柊君と付き合えるなら別れるよ。

 年下って初めてだから、今からワクワクしてるのよね。」


あっけらかんと話す福留先輩に呆然としていると、


「城田さんも松田さんも柊君を狙っているのなら、

 積極的に行かないとダメだよ。

 すでに一人動き出してるみたいだし。

 私もどうやら一歩遅れてるみたいなんだよね~。」


「え?誰か動き出しているの?」


ここで本村先輩が私達の話に加わってきて疑問を投げかけてきた。


「そうみたい。本村ちゃんのところの大賀さんが

 すでに柊君を狙って動いているみたいよ。」


ここで同級生で、陸上部のマネージャーである大賀さんの名前が出てくるのに驚いた。


ええ!?


大賀さんも狙ってるの!?


「大賀さん・・・。」


そう言いながら本村先輩は何やら思い当たる節があるようだ。

私も思い返してみると確かに柊君が休憩に入る時には必ず傍に大賀さんがいる・・・。


アップの開始はまずはウォーキングなのだが、

なぜかいつもマネージャーである大賀さんがいるのだ。

男性陣と話をしながら、ジョグに切り替わるタイミングで外れて、

お茶を作ったり、その日に使う道具を準備したりしている。


それにお茶もタイミングが合えば男子に手渡しているのだが、

柊君の休憩時には必ず手渡ししている気がする・・・。



「今日もたぶん、彼女なら集合時間から20分とか遅れてくると思うよ。」


福留先輩がそう宣言すると、その宣言は見事に当たるのであった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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