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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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児玉さん ~6~

柊と児玉さんの話です。

“左足首の靭帯損傷です”


そのメッセージは柊が新人戦を終えて数日後に唐突にきた。

すぐに私はググってみると、靭帯損傷って・・・



固定するほどの重症なの!?


すぐに柊にメッセージを返すのだが、


“大丈夫?今、学校?”


“今、病院です。固定されてて歩けないっす”


そのメッセージと共に笑っている柊の痛々しい姿の写メが届いたのであった。

続いて、今日は先生が家まで送ってくれるとのことであったが、

明日からはバス通学でーす!と届いたいので、


“朝、送ってあげるよ。”


“朝、6時前には家をでるんだけど??”


“知ってるし!いいわよ。それに車だと6時半くらいでも間に合うでしょう?”


“じゃあ、お願いします”


こんなやり取りをしてながら、


「・・・ふふふ、我ながらな・・・。」


自分の行動に苦笑してしまう。

今まで友達たちが、彼氏や彼女のために尽くすということが理解できていなかった。


何であんなに大変なことなのに出来るの?


正直、冷めた目でその光景を見ていたのに、

自分もそんな気持ちになって、行動するとは思ってもみなかった・・・


自分に苦笑してしまう。


柊といると本当に今まで知らなかった自分に気づかせてもらっている。

これから、柊といることでどんな自分が出てくるのかが楽しみだわ。



「そう言えば、家の前まで迎えに来ても良かったの?」


柊には朝、家まで来てと言われたのだが、

親御さんに会うことなると思って

フルメイクを朝からバッチリこなしていたのだが・・・


「ああ、朝は7時くらいまで両親や妹は帰ってこないから。」


「大変だね・・・新聞屋さんって。」


「そうだね。親には本当に感謝しているよ。」


「・・・あれ?ご飯は?」


「ああ、朝はレトルト食品をチンしてる。ご飯は炊いてあるから。

 お昼は学食で食べてるよ。」


ここで私はある衝動が思いっきり湧いてくるのだ!

それは・・・



「朝とお昼ご飯作ってあげようか?」


「さすがにそれは・・・大変だし、申し訳ないよ。」


「大丈夫!余裕よ!一人暮らし歴は留学中も合わせて6年ほどになるから、安心して!」


ここでつまらない見栄を張ってしまったことを後悔する・・・。


柊には無理しないようにねと言われたのだが、

ちょっと朝も早いことと浮かれた気持ちで

24時間スーパーで弁当箱と野菜類を買って帰る。



授業を終えて、その後バイトを終えて家に帰ったのだが・・・・


「これ、厳しいわ・・・。」


前日におかずを作っておこうと思ったのだが、

ハッキリと言って、あのお弁当のスペースを埋めるということが

こんなに難しいモノとは思わなかった!!



「やっぱり・・・おかずって4、5品入れるのよね・・・。」


ネットで検索して、その品数の多さに打ちのめされる。


そもそも私、そんなに料理したことないし・・・


実家では家政婦が料理をしてくれるし、

今の1人暮らしの家も週に3回家政婦が来て掃除・洗濯をしてくれて、

食事は作り置きしてくれ、それを食べるのが日課である。


年上としての見栄を張ってしまったばっかりに・・・


いっそ、家政婦が作った料理をお弁当に詰めようかと甘い誘惑が頭をよぎるのだが

それは最終手段だ!!と心に決めて、何とか料理を作っていったのであった。



「はい、朝ご飯用のおにぎりとお昼用のお弁当ね。」


涼しい顔をして、車の中で柊に渡す。


今日はフルメイクをしてはいない。

表向きは人に会わないということでメイクをしていないということだが、

正直なところは・・・



そんな時間なんってなかったのよ!!


本当は好きな人にはキレイな私を見て欲しかったけど、

お弁当作りを夜中までやって、朝も早起きをしているのだから

そんな時間なんって取れるわけもなかった・・・


「スッピンでもキレイだよ。」


柊はキレイと褒めてくれたと自分に言い聞かせてのスッピンでの送迎だ。

・・・自分が情けない・・・


“お弁当美味しかったよ!お握ぎりも美味!”


昼に柊から来たメッセージと写メにすごく嬉しくなる。

ああ、私って本当に単純だ・・・


たかだか、こんなメッセージ1つで・・・


自分自身に苦笑していると、更に追加でメッセージが届く。



“無理はしないでね”


・・・まあ、バレるよね。


フルメイクで初日現れて、二日目にはスッピンだし・・・


だけど、“美味しかったよ”・・・か・・・


こんなに嬉しくなる言葉なら、今度母が手料理を作ってくれた時には私も言おう。


どうせ、柊への朝ご飯とお弁当はこの送り迎えの期間の

足首の固定が外れる3週間程度なのだから、

必死で頑張りますか!!と心に決めるのであった。


また美味しいっていってくれるかな♪



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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