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柊君へ  作者: Taさん
第二章
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児玉さん ~2~

柊と児玉さんの話です。

今回のGWをものすごく長く感じていた。

久しぶりの長期連休のはずなのに、

こんなに休みがいらないと思ったことはない。



眼福の生徒達に会えないし、何よりも柊に会えないのが

こんなに辛いとは思っていなかったな・・・


GW明け、大学の授業を終えてバイト先へと向かう。

するとすでに来ていた同僚から、


「柊君の彼女、先日亡くなったみたいなのよ!!」


私は驚きのあまり絶句してしまう。


「え?だって、柊と同い年でしょう?」


「そうよ。何か事故みたい・・・。」


そう言われて私はあることを思いだしていた。

数日前に私の近所で女子高生が飲酒運転の車に跳ねられたことを。


数百メートルほどの所である。


何より、実家に帰った時にそこの前を私は通ったのだ!


え?けど、柊の彼女が別の中学校の子だったってことは・・・


いや、あるか・・・


だって、私もこの塾に通っていたが、通っていたのは柊のいた分校である。



勉強したい場合には柊のいた分校に通う。

確か柊の彼女の高校は県立の高校・・・だとすると、そう言うこと!?


「柊君には彼女の話題はNGで!」


「うん、わかったわ。ありがとう。」


同僚に貴重な情報を教えてもらいながら、席に座る。

同僚の妹が柊と同じ高校に通っているらしい。


そこでこのことが一気に広まって、同僚の耳にも入ったとのことであった。

それと、柊と一緒で、試験官をしているバイトの高校生が教えてくれたらしい。


何かにつけて、その高校生は同僚に連絡を寄こしているらしくて

その情報の1つに柊のことが含まれていたとのことだ。


「めんどくさくないのその高校生?」


「めんどくさいわよー!だけど、試験官のバイトが居なくなると

 困るから相手をしているけど・・・。

 高飛車だし、だから□□高校の子って嫌いなのよね~。」


彼女は私の母校である□□高校を嫌っている。

まあ、私も分かる。

プライドの高い人が多くいる。

付き合いたくない人が多くいる。


一度、町中の居酒屋で飲んでいた時何って、

私がそこの高校出身と聞いた周りのお客さんから、


「何期生?」


と尋ねられて、わかりませんと答えると


「それじゃ~駄目だよ。俺は○○期生で、同級生には~。」


同級生に誰がいるだ、上級生には誰が、後輩には誰がを永遠と話だしたのであった。

私の友達なんかは、県外出身者たちばっかりで呆気にとられているのであった。


まあ、誇りを持つのはいいことだけど、それを他人にまで押し付けないで欲しい。


今の私にとって、□□高校卒業は恥ずかしく感じてしまっている。



「おはようございます。」


いつも通りの挨拶をして柊が入ってきた。

さすがに先生陣が緊張していたのだが、

本当にいつも通りで、各教室の掃除に向かって、

テストの準備を淡々とこなしていた。


生徒が徐々にくる中で、やっと噂の試験官の高校生も来たのである。


ちょっと柊を見習えばいいのに・・・


ギリギリに来て、自分の割り振りのクラスを確認したら

テストを持って、教室へと向かっていた。


柊とその高校生 岡田君は、小学校からの友達?らしい。


「何か・・・柊のこと嫌ってるみたいだけどね・・・。」


会話はするけど、岡田君はあまり関わりたくないと言った感じだ。

テストを終えて、学年・科目ごとにまとめていく。


「これで終わりでーす!!みんなご苦労様!じゃあ、飲みに行くか!!」


まとめ終えて、分校の塾長がみんなに労いを掛ける。

みんな呑む気満々である。


高校生バイトの2人は、明暗がはっきりと分かれている。

柊はどうやら帰るようで、岡田君の方は同僚と共に行くらしい。



「柊、行かないの?」


「明日、朝課外ありますからね・・・。」


柊の言っている高校は朝0時間目の朝課外、更には通常の授業に加えて、

夕方からの放課後課外が行われているらしい。


しかも!

課外とは言っても普通の授業を行っているらしい。


その成果は実際出ているのは知っている。


この学区では私の行っていた高校がトップ、柊が通ている高校が次。

そのためか、全体的なレベルは私の通っていた学校であるが、

トップの人間は柊が通っている学校の方がいいのだ。


模試でも柊の高校の生徒は載るけど、私の高校は載らない。

更には進学実績でも柊の高校は国立の最高学府に何人も毎年行っているのにかかわらず、

私達の高校からはほとんど行くことがない。


“九州の人間なのだから九〇大学に行くのが普通だよ。他所に行くのが気が知れない”


何っていうことが多い。


・・・なせけない・・・

自分より上の人間を認めれないのだろうな・・・



柊の住んでいる位置から高校まではバスや電車で1時間半くらいだから

当然柊も早起きをしなくてはいけないようなので、

遅くなるのは嫌なんだろうな・・・



しかもこいつらと一緒にいたら、何時になるか分からないし・・・


「私も帰りまーす!明日は朝一授業だから。」


みんなにそう告げて、私は先に帰った柊を追った。



今日が雨で良かった・・・


普段は自転車で来ている柊だが、今日はどうやらバスらしい。

バス停で待つ柊を見つけた。


私は車であったためすぐに追いつけ、目の前で止まって、窓を開ける。


「柊、送ってあげるよー。」


「ああ・・・いや、方向が違うじゃないですか。かまいませんよ。

 わざわざありがとうございます。」


・・・なかなか手ごわいな・・・


「バス代浮くんじゃない?」


お!どうやらこの手は効きそうだな・・・

柊の顔がそのことに気づいた顔をする。


ここは攻め時だ!!!


「柊が好きな定食屋さんでご飯おごってあげるよー。」


おおっと!!

考えているな柊!

思案している顔をする柊に、顔に出過ぎだよ!!と内心笑ってしまう。


「・・・じゃあ、申し訳ないですが・・・。」


そう言って、助手席に乗り込んできた柊。


ラッキー♪


顔には出さずに落ち着いて、冷静に反応するのよ児玉!!

そう言い聞かせて、柊と共に柊が好きだと言っていた食堂へと向かったのである。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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