表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ  作者: Taさん
第一章
39/254

谷口さん ~8~

谷口さんの最終話です!

~最悪の奴が来た!~

放課後になって、私の友達がため息をつきながら私の元に来て、


「何か、谷口ちゃんに会いたいって私の同級生が言ってきてて、

 すでに正門の所にいるみたいなんだよね。」


「はぁ?どういうこと?」


「ええっとね・・・。こいつホントにめんどくさい奴だからね。

 たぶん頓珍漢なことを言ってくると思うよ。

 どうする、会うのも嫌なら私から言うけど・・・。」


「そう言われてもね・・・。どこの子なの?」


「△△高校。」


柊と同じ高校だ。

それなら納得だ。

そして、ここで引く気何って全くない!!


「ああ、たぶん私の彼氏についてだね。」


「彼氏って・・・△△高校なの?」


「そうよ。そこの陸上部。」


「ああ・・・、あいつ陸上部のマネージャーやってるって言ってたわ・・・。」


「なら、確定よ!引く気もないし、私行くわ。」


そう言って、友達と一緒に正門へと向かう。

そこには確かに柊の高校の女の子の制服を着た子が立っていた。

しかも3人もいる。


群れなきゃ何もできない連中か・・・


「あなたに柊君は相応しくないと思う。」


第一声に私に声をかけてきたのはサイドにいた女の子である。

だけど、たぶん、本命は真ん中の子だよね?


そう思っていると、その女の子が更に、


「大賀さんみたいに可愛くて、頭がいい子の方が絶対にお似合いよ。」


「そうよ!!」


それに同意する取り巻きさん。

大賀と呼ばれたのはきっと真ん中の子だろう。


チラチラとこちらを見ながらも、

周りに「そんなことないよ~。」とあざとい感じで

友達を抑えようとしている。


それに私が反応する前に、私の友達が怒って、

文句を言うのだが、


「馬鹿がうつる」


そんなことを言ってくるのである。

・・・バカはこの子達だろう。


何で私の学校で私達にケンカを売るのだろうか?

私達のやり取りを見かけた友達も来て、

その女の子3人を囲んでしまう始末だ。


そしたら、


「卑怯よあなた達!!」


こっちを卑怯者扱いする始末だ。

その後、自分達の言いたいことだけ言って立ち去った。



夜、柊に電話した時に、


「マネージャってどんな人なの?」


と話の流れから聞いたら、


「最悪な人かな。」


ものすごい柊の中で印象が悪いことが伝わってくる。


どうやら陸上部の中でも男子に媚を売り、

マネージャーの仕事をほとんどしないらしくてかなり評判が悪い。


女子の中では相当不満がたまっているようだ。

男子部員の中には、姫って言ってる奴らもいて、チヤホヤされているらしいけど・・・。


「柊から見てどうなの?」


「最悪だね。あいつ、自分は可愛いってのを自覚してるからね。

 男にチヤホヤしてもらってるんだよ。それを当然と思ってるような奴。

 まあ、それも個性と言えば個性だけど、女王様気質なのは

 どうにかしてほしいな。それとあの高飛車な性格はやめて欲しい。」


「高飛車なんだ。」


「ああ。まあ、成績もいいみたいだし、そうなるんだけどね・・・。」


「柊とどっちが?」


「この間の実力テストでは俺の方が上だった。」


「じゃあ、柊の方が才能あるじゃん!」


「才能って・・・。」


「柊はね!才能があるよ!絶対に他の人よりも!!」


「そりゃ~どうも。」


「ああ!絶対に響いていないね!!

 

 いい、才能があるよ柊は!だからその才能を才能がない人のために使わなきゃいけないの!!


 それが才能がある人の運命なんだからね!!ちゃんと頑張ってよね!!」



「はいはい、頑張ります。」


「むうう!!絶対に私の言葉響いてないじゃん!!」


「響いてる、響いてる。」


「二度言うのは響いてない証拠だよ!!!」



どうやらすでに柊に接触している感じだな大賀さんってやつは。

それでフラれたんだな。そして、柊のことだから、私のことを言って、

そしてその矢が私に向かってきたと・・・


よーし!望むところだ!!その喧嘩買ってやる!!!


大賀=天敵!!



~GW~

久しぶりの大型連休で家族共一緒に出掛けたりしたが、

柊とも出かけることが出来た!フェミニンがあいつの好みか・・・



「どう?この服装?」


「似合ってるよ。」


「・・・何かなげやりじゃない?」


「すでに・・・半日買い物に付き合ってるんだけどね・・・。」


確かにそう言われると柊に今は荷物を持ってもらってるが、

かなりの量にのぼっている・・・。


高校合格したのでってことで、お母さんから特別お小遣いをもらってきた。

そうなると久しぶりに思いっきり服や欲しいものを買いに行こうと思って、

更には柊の好きな服ってどんなのかを知りたくって一緒に来たのだが・・・


「確かにちょっと買いすぎたかな・・・。」


「ちょっと・・・ね・・・。」


すでに私じゃもてないほどだしね・・・。

そろそろ買い物をするのを止めて本命に行くとしますか!!


百貨店内にあるカフェで私はコーヒーと共にあるモノを頼んだ。


「しかし、柊がフェミニンが好きとは思わなかったよ。」


もっとシックな感じがいいのかと思っていたのに、

フェミニンを選ぶとは思わなかった。


「うあ?いや、別に好きとかではないけど・・・

 谷口にはあんなタイプが良く似合ってたと思っただけだよ。」


「そ、そういうこと・・・か・・・。」


似合っていると言われるだけで照れてしまう。

思わず顔をそむけるが、きっと柊から見ても顔がにやけてるのがバレてしまうだろう。


一緒に来て良かった・・・


そんな時にあるモノが届く。


「・・・これ何?」


柊が呆れたような声を出すのも納得である。


パフェ10人前分のジャンボパフェが運ばれてきたからだ。


「スポンサーは私のお母さんだから大丈夫だよ!」


「いや、金の心配をしてるんじゃなくて・・・。」


「男なら、やらねばならない時がある!!


「いや、それ前提が俺がやることになってるよな?」


「・・・あ、私、箸より重たいモノ持ってなくて・・・。

 ちょっと、このスプーン箸より重くて持てないよ・・・・。」


「・・・さっきまで普通にコーヒーカップ持って、コーヒー飲んでただろうに・・・。」


「男なのにぐちぐちうるさいな!!黙って食べなよ!!」


「俺かい!?問題は俺にあったか?」


「・・・これを食べて、2人で写真を撮るんだよ。」


そういって、私はある一角に飾っている写真を指さす。


「ああ・・あるね・・・。」


「そこに飾ると結婚出来るってジンクスがあるの!!」


「・・・なるほどね。」


「納得したのなら、頑張って食べるよ!!」


「・・・了解・・・。」


こうして私と柊はジャンボパフェにチャレンジするのだった。

結局私が1で柊が9くらいは食べてくれたのだが・・・。


2人で店員さんに写真を撮ってもらい写真を飾った。


「ふふふ、これで別れられないよ。」


「・・・何かの呪いかよ・・・。」



他にも少し遠出をして水族館に行ったり、BBQをしたりした。

めっちゃ楽しいGWだったなー!!

次の休みは何しようかな・・・



ジャンボパフェ頑張って食べたんだから

しっかりこのジンクスが働いてよね!!!


ずっと柊と一緒にいたいんだから!!!



~・~・~・~~・~・~・~~・~・~・~~・~・~・~~・~・~・~~・~・~・~


「ありがとうございました。」


そういって、私に読み終わった娘の日記を返してきた柊君。


今は私の出したお茶を飲みながら呆然としている。

彼は一体何を考えているのだろうか・・・



私の娘は、GW明けの学校から帰宅する途中に事故で無くなった。

飲酒運転をした運転手は娘をはねて、すぐにその場から逃げ出したのだ。


もしすぐに救急車を呼んでいたら娘は助かったのではないだろうか?


どうして私はこの日、バス停まで娘を迎えに行かなかったのだろうか?


あと家まで100メートルしか離れていないのだ。


どうしてその100メートルを無事に歩くことが出来なかったのだろうか?



私はずっと自分の行動を悔やみ、そして運転手を恨んでいる。


目の前にいるこの男の子はどう思っているのだろうか?

彼氏だったこの子はどう思っているのだろうか?


私が電話をして伝えた時、すぐに来て、家族ではないが、

私が許可して娘の姿を見せた時、泣き崩れていた。

今まで、この男の子が見せたことない姿がそこにあった。


その後何度も会っているのだが、その後は一度も泣いている姿を見ていない。

だけど、何度も私の家を訪ねてはこの仏壇に手を合わせに来る。


お墓にも来ているようで、その証拠に百合の花と午後の紅茶が置かれていた。

どちらも娘が好きなモノで、午後の紅茶はたぶんだけど、

柊君が好きで飲んでたから好きになったという代物だ。

きっと2人の思い出が詰まったもの・・・




私よりも若くして死んでしまった娘・・・


どうして・・・


どうして・・・


「谷口のお母さん。」


急に話を掛けられてビクッとなってしまうが、

私は柊君を見ると、まっすぐ私を見て、


「僕、頑張ります。

 谷口が僕のことを才能があるっていたんです。

 才能がある人間はその才能を使う義務があるって言ったんです。

 だから、こんな矮小の自分を信じてくれた谷口が、

 正しかったことを証明するために僕は頑張りたいと思います。」


「・・・うん・・・。」


彼の決意を聞いてもう涙が止まらなかった。


あなたが信じたから彼は頑張るんだって・・・


あなたが自分を信じてくれたことが正しいことだったんだって

証明するために頑張るんだって・・・


お願い、彼を見守ってあげてね・・・


あなたが大好きだった柊のことを・・・



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。


柊の由来はこの章でご推測ください!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ