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柊君へ  作者: Taさん
第一章
38/254

谷口さん ~7~

谷口さんの話です!

~合格発表~

前日から全く寝られずにいた。


「大丈夫!あなたなら合格しているから!」


お母さんがリビングに来た私の肩を掴んで、

おはようの挨拶もすることなく、話しかけてきた。

その手が震えているのを見ると


ああ、私だけじゃないんだ。家族も・・・気が気じゃないんだな・・・。


そう思うと本当に気分が楽になる。



柊と待ち合わせてバスに乗って、それぞれの高校へと向かう。


グランド一区画に看板が立っている。


ここで、合格者の名前が・・・。


祈るような気持ちで私は、そこに自分の番号があることを願っていた。


“68番”


これが私の受験番号だ。


まだ8時45分であり、発表は9時から。

あと15分・・・


私は絶対に合格していますよーにと願うしかなかった・・・。



「発表します。」


担当者の声と共に、合格者発表の看板の幕が取り除かれると・・・


・・・


・・・


68・・・


あったよ・・・


あったよ!!!


私、合格したよ!!!


「あったーーーー!!」


今までにないくらいの声で叫んでいた。



「柊、私合格したよ!!」


思いっきり電話越しに叫ぶ私に、


「おめでとう」


いつものちょっとテンションの低い柊の声が返ってきた。


「合格!!本当に合格したんだよ!!やったーーーーー!」


そんな私に電話越しの笑い声が聞こえてくる。


「そういえば、柊は?柊はどうだった??」


「俺も合格。」


「もっとよろこべよーー!!」


思わず、柊のテンションにダメ出しをしてしまう。

合格したんだよ?

もっと普通は喜ぶだろうに!!


それを何でそんなローテーションで淡々と話してるんだよ!!


思わず柊にダメ出しをしてしまう。


「それより、俺に伝えるより、先に伝えなきゃダメだろう、お母さんに。」


「あ!!ごめんね切るね。」


そういって、柊の電話を切って、私はすぐにお母さんに電話を掛ける。

掛けるとすぐに電話がつながる。

お母さん、絶対に待ってた!!


「うかったよ!!受かった!!」


「・・・。」


声にならない声が漏れるお母さん、

そして、しまいにはすすり泣く声が聞こえてきたのである。



「おめでとう。」


「うん!これで・・・


 お母さんと一緒に卒業式に出れるよ!!!」


私がここの高校を目指した最大の理由であり、絶対に成し遂げたかったことである。

これを聞いたお母さんは電話越しに大泣きしているのが分かる。


もう誰も気にせずに大泣きしているお母さん。


私、出来たよ。


お母さんに産んでくれた恩返しが!!!



お母さんはその後慌てて、高校にまで来てくれて、写真を一緒に撮った。

もちろん柊もそれに付き合うことになり、

柊の高校に戻っても同じように写真を撮ったのは言うまでもない。


我が家では本当にお祭り騒ぎだ。


お父さんも泣きながら喜んでくれるし、お母さんなんかすでに眼が腫れてるし、

常に目が赤くなっており、泣いてるのか、泣いてないのかが分かんないよ。


その光景を見た妹も


「私もお姉ちゃんと一緒の高校に行こうかな。」


そう言ってくれたのだが、


「あんたじゃ、無理よ。」


そう告げると、


「絶対に合格するもん!!」


ムキになる。ああ、やっぱり私と姉妹だよ。

私の性格にこの子は本当にそっくりだ・・・・。




~入学式~

入学式の前日に私のお母さんに連れられて、

私と柊はそれぞれの高校の制服を来て、

それぞれの高校の前で写真を撮った。


「だって、当日は無理じゃない?」


確かにそうなのかもしれないけど・・・

まあ、私も柊と撮りたかったのでいいけどさ。




入学式当日、お母さんと共に仕事を休んで出席したお父さんと一緒に高校へとむかった。


私達が入学日は桜がすでに散りかけていたのだが、

桜が舞うその光景が本当に綺麗で、ものすごーく気持ちがいい登校日だ!


私の中学からこの学校に来た子は誰もいなかった。


新しい友達出来るかな?


学食って美味しいのかな?


部活どうしよう?何部に入ろうかな?


勉強ついていけるかな?


期待も不安も湧いてくる入学式を終えて、

各クラスに分かれて、自己紹介を済ませていく。


するとすぐに私と話してくれる友人が出来た。

この事を柊に話すと、


「お前ならすぐに友達出来るだろうに。」


「ええ!!そんなことないよー!

 結構人見知りなんだけどなー。」


「・・・全国の人見知りの人に謝れ!」


「何でよー!!私だって初対面の時は躊躇し・ま・す!人見知りもしますよーだ!!」


「帰りに本屋に寄らなきゃいけないわ。」


「へ?何でまた急に?」


「ちょっと、国語辞典を買わないといけない。」


「??」


「だって・・・


 俺の知っている人見知りとどうやら意味が変わったみたいだから。」


そこまで言った柊を私は思いっきり殴るのであった。


「よし!その喧嘩買ってやろうじゃないか!!!」


「わるかったって。」


その後しばらく柊を追い回したのであった。


不安もあるけど、希望もある高校生活!

楽しい高校生活になりますよーに!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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