谷口さん ~6~
谷口さんの話です!
~願書を書くって難しい!!~
ここでバカな学校と賢い学校の差が如実に現れた・・・。
私の学校は、下書きなしでみんなボールペンで書いていって、
失敗をする・・・
柊のいる中学校ではシャーペンや鉛筆で下書きをして、
その後にボールペンで本書きをするように言われるらしい・・・
「さっすがだね・・・。」
私は思わず感心するのだが、
「・・・マジか・・・。」
柊の驚いた顔に、学校の学力差ギャップを感じたの言うまでもない・・・。
「志望理由に私と一緒に通学したいからって書かないの?」
「・・・一緒の学校なら書いてやるよ。」
「・・・いじわる・・・。」
こんなバカな会話をしながら、私達は気を紛らわせていた。
あと試験まで一カ月を切っており、周りの空気がピリピリしており、
それにみんながどこを本気で受けるのかを調べたり、
牽制しあったりしていたからだ・・・。
「別に、誰がどこを受けようと、自分の力を全力で出すだけなのにな。」
「そーれーはー!!柊だから言えることだよ!!
みんな自分に余裕がないのが当たり前なんだからね!!!」
そういう私も実は希望高校の合格率は55%であった。
正直言って、微妙なところである。
元々10%以下と言われてたのだから、かなり学力は向上しているのだが、
それでもギリギリ合格できるかできないかのレベルである。
「神様!!どうか合格を!!」
「まだ、神様に頼る前に自分で何とかしろよな。
“人事を尽くして天命をまつ”って言葉通り、まずは人事を尽くせよ・・・。」
そんな柊からの叱咤激励にブツブツいいながら、
勉強をみてもらっていた。
ああ!!絶対合格できますよーに!!!
~バレンタインデー~
次回のバレンタインデーにリベンジだ!!
「柊、バレンタインデーの贈り物だよ。」
そう言って、私は柊の前に立つ。
「?どれ?」
そう聞いてきたので、私は、自分の髪につけたリボンを指さしながら、
「プレゼントは・・・
わ・た・し♪」
そう言ったら、柊の野郎、スルーしやがった!!!
しかも、
「あ、お腹いっぱいなので結構です。」
「何断ってんのよ!!
それに可愛い彼女がやってるんだよ!!
そんな軽く流すな!!!」
「・・・自分で可愛いって・・・。」
「な、そんな憐みの目で私をみるんじゃなーい!!
私だって、そこそこ可愛んだからね!!
町を歩けば、ちょっとは男が振り返るレベルだよー!!!」
「それは・・・口を開かなければだろ・・・イタ!?」
思わずグゥーで柊を殴っていた・・・。
あーいーつーめ!!!!!
しかし、他の女の子の友達は私がプレゼントを喜んでいたというのに
柊ときたら・・・・来年もリベンジだ!!
絶対にあいつに嬉しいって言わせてやる!!!
~入試試験~
朝、待ち合わせをして、一緒のバスに乗って、途中まで一緒に行った。
こんな時に、やっぱり柊は心強いな~!
緊張している私が、机に着いてとりあえず書くものを準備しなきゃと思って、
筆箱をカバンから取り出して、筆箱を開けた時に、
「ガンバレ!」
それだけ書かれたポストイットが入っていた。
その字は柊だった。
「・・・あいつは本当に・・・。」
いつも大変な時にスッと手を差し出すんだから。
本当にあいつが彼氏で良かったな・・・。
おかげで、緊張もほとんどなくて入試に臨めたよー!
ありがとう!
入試が終わると私は柊を近くのコンビニで待っていた。
“もうすぐバス停につくバスに乗っている”
そのメッセージが届いたので慌てて、バス停に行って、バスを待つ。
「どうだった!!!」
柊の顔を見て、第一斉に聞くと、
「まあ、あんなもんでしょう。」
「でたでた。柊のいつものセリフ。」
自信のある時に柊が言うセリフである。
間違いなく柊は問題を解けたのだろう。
バスの中で柊に答えを聞きながら、私の答え合わせをするのだが・・・
「・・・微妙だな・・・。」
うちの高校の合格のボーダーラインは6割であり、
私の成果率は6割を若干切るくらいであった・・・。
「まあ、俺の回答が絶対正解ってわけじゃないからな。」
「・・・そうだけど・・・。」
不安を抱えながら、柊と共に塾に向かい、
塾の先生方が解いていた回答と答えわ合わせをしていくのだが・・・
「やっぱり・・・ギリギリ6割を切ってる・・・。」
やっぱり私の正解率は6割切りであり、
合格がかなり厳しい状況であった。
その後、
今年の問題は難しかったらボーダーラインが下がる!!!
っと聞いて、喜んでいるとことで、別の塾からは、
今年の問題は例年通りでボーダーラインもいつも通りだ!!!
っと聞いて、また私の気持ちは一段下がるのであった。
神様、お願いします!!
どうか、どうか受かってますよーに!!!
~卒業式~
正直言って、数日後に発表される合格発表が
気になって気になって仕方がないんですけど!!!
だけど、これで中学の友達と一緒に過ごせなくなるのは悲しいな・・・
私の学校の卒業式を終えて、私はお母さんに頼んで車を出してもらって、
柊の学校へと向かった。
柊は正門の前にいて私を待っていてくれたのだ。
「お待たせー!」
「はいはい。」
そう言って、私達は正門の入り口にある卒業式の看板の前で
お母さんに頼んで写真を撮ってもらい、今度は私の中学校に向かい、
そこでも卒業式の看板の前で写真を撮った。
「別々の中学だと大変だね・・・。」
「・・・まあ、だけど、こんなことをやろうと思う子もなかなかいないだろうけどね。」
苦笑する柊に、
「一生に一度しかない卒業式だよ!!
彼氏と一緒に写真撮りたいじゃんか!!!」
うーん、柊と私との温度差はいつものことなんだけど、
何とかして柊の温度をもっとあげれないモノかな???
何だか私だけが燃えてて、柊がそこまでって感じがして何か悔しい!!
そう言えば・・・
なんだ柊も私のことを考えてくれてるじゃん!
「第二ボタンだけ残ってますけど?」
思わずニヤニヤしてしまう。
他のボタンは袖口すら残ってないのにね!
「ああ、これは谷口のだからね。」
そう言って、私に渡してくれる。
「ちゃーんと、取っといてくれるなんてね。」
ああ、何だかニヤニヤが止まらない。
「彼女に渡すのが普通だろ?」
「そうだけどー・・。」
彼女という言葉に気分が良くなっていくのが分かる。
ああー、我ながら単純だな。
柊との卒業式は、嬉しくて最高だー!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




