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柊君へ  作者: Taさん
第一章
34/254

谷口さん ~3~

谷口さんの話です!

~勉強合宿~

夏季の勉強合宿で私についに彼氏が出来たよー!


一泊二日の勉強合宿では近くにある合宿所での缶詰め状態での勉強である。

この世の中に電波の届かないエリアがあるのを初めて実感しました・・・


会場は、全員が同じ教室で勉強するスタイルなのだが、

ここで柊や竹花さんは大人気になっていた。



「お前ら相談してもいいからな。みんなで問題を解いてもいい。解けた者から先に昼ご飯だ。」


先生が相談してもいいと言うのだから、当然友達に聞くのだが、

いつもいるメンバーだと自分のレベルと大差がないので、全く解けないのであった・・・。


こうなるとみんな考えることは一緒で、頭の良いメンバーの元へと向かうのだが、

ここで問題はトップのクラスのメンバー、特に私立難関を目指している10人の性格が


ひーじょーに悪い!


いや、これ、本当に!

あいつらの性格の悪さは一級品である。


そして、この合宿が始まると、その10人で固まって受けていて・・・


うわ!やっぱり!!


他の人が聞きに行ったら、


「馬鹿がうつるから寄るなよ!」


・・・そんな事思っていても言う?

ああ・・・本当に性格が悪いメンバーだな・・・


それもあって、同じようにトップクラスの中でも

話しやすい柊と竹中ちゃん達に話しかけていたのだ。


この後の話になるのだが、女の子達も柊達に聞きに行っていたのだが、

それが気にいらないトップ10人の男性陣が、柊達に対して、


「何で俺達に聞きに来ないんだよな?」


「まあ、あんな女達なんてこっちからお断りだっての!」


・・・僻み?


僻みだよね?


その性格だから誰もよりつかないんだよ!!


勉強が出来るっていっても頭がいいとは限らないんだな・・・



結局柊と竹中ちゃんのメンバーにみんなが分からないところを相談して

無事にお昼を迎えることが出来たのであった。

当然私もご教示いただきましたけど・・・


あ、お昼はカレーでした!



昼からも勉強をして、夜まで勉強をした。

私の人生で一日にこんなに勉強したのは始めてです・・・。


お風呂に入って、ここからはこの合宿のメインイベントである。

まずは第一のターゲットは・・・


「ねえ、竹中さんって柊君と付き合ってはいないの?」


おっとー、私より一歩先に別の人が聞いている。

そりゃ~、みんな気になるよね。


いつもアレだけ一緒にいるのに!!

これで何もない何ってありえないでしょ!!


・・・それに・・・


・・・これで柊が・・・



雑誌を読みながら、けだるそうに竹中ちゃんが、


「付き合ってないよ。」


え!?


思わず誰よりも早く声を上げてしまった。

そんな私に向かって、竹中ちゃんは顔を向けてニッコリと

・・・いや、ニヤリと意味ありげな笑みを私に向けていた。


「ええ!?うそー!本当に?」


みんなもど驚いていた。

それを簡単に「本当だよ」と答える竹中ちゃんに対して、

またみんなが質問を追及していく、


「まあ、だけど、柊には私の“初めて”をあげたんだけどね。」


初めてを強調する竹中ちゃん。

また、キャーキャーといった声が一段と大きく湧き上がるのだ。


それを雑誌を読みながら聞いている竹中ちゃんは、

何だか私達より一歩大人の階段を上っているように思える・・・。


いや、まあ・・・


初めてをあげたってことは、

実際に私達よりも一歩大人になったのだろうけど・・・


「そういえば。」


そういって、雑誌を閉じて、みんなに顔を向ける。


「私が大阪に戻るってみんな知らないよね?」


「ええぇ!!!」


そんなの聞いたことない私達が一斉に驚く。

そんな中、1人冷静に、


「私がこっちで過ごすのは中学の3年間だけで、

 高校からは向こうの高校に行くんだよ。」


「え、それって柊君は知ってるの?」


「ええ、もちろん。」


「遠距離になるの?辛くない?」


「ふふふ、だから、付き合ってないよ。

 遠距離何って、毎日会えないから、そんな選択肢はないわ。」


「ええ!?竹中さんなら遠距離も冷静に対処しそうなのに・・・。」


「ははは、私だって女の子だからね

 やっぱり会いたいときに近くにいないのは耐えれないかな。」


その後も竹中ちゃんに色々ときわどい質問が飛んでいく、

たぶん、この中で一番男性に詳しい竹中ちゃんに

ここぞとばかりにみんなが興味のある男の子の秘密に聞いていくのであった。


・・・いやぁ~、勉強になりますよ!!


そんな竹中ちゃんだったが、最後に小声で私に


「柊は今、彼女がいないから頑張って柊を落としなよ。」


そういって、また雑誌に戻っていく竹中ちゃん。


・・・バレてた・・・


実のところ、陰でみんなが竹中ちゃんのことを

“魔女”と呼んでいる。


色んなことを本当に良く知っているし、

こんな風に誰が誰を好きなのかを一発であてるのだ・・・。


恐ろしいな・・・


その日は竹中ちゃんのことが頭の中をずっと反芻してしまい、なかなか寝付けなかった。


だけど、私が知りたかったことを教えてもらったので私は覚悟を決めた。

フラれたら?・・・勉強は・・・竹中ちゃんに頼むか・・・



最終日の授業を終えて、帰宅し、解散となった時に

私は柊の元に行く。


ここで後悔するのは、柊の電話番号を知っているのだから呼び出せばいいのに

そんなことをまったく考えることが出来ないほど、テンパっていたのだ。


「柊!!」


そう呼び留めたと同時に私は・・・



それはそれは素晴らしい土下座をしていたのだ。

そして、


「柊、私と付き合ってほしいの!!」


私の告白に


「・・・ぷは!土下座って!!」


柊の傍にいた深田君が笑い出したのだ。

その後、


スパーン!


といい音が聞こえたと思ったら、


「女の子が一緒懸命なのを笑うんじゃないわよ!」


竹中ちゃんの怒気のこもった声が響く、


「とりあえず、立ってくれ谷口。」


柊が優しく私に話かけてくるのだが、


「付き合ってもらえるまで止めません!!」


「ははは!どんな脅し方だよ。」


また深田君の笑い声が響くのだが、

また竹中ちゃんに叩かれる音が響いていた。


そして、私の両脇の部分に手がすべり込んできて、

一気に私を持ち上げてきた。柊君が。そして私に、


「宜しくね。」


笑顔でそう言ってくれたのであた。

そしって、私の腕や足についた砂を落としてくれる。


「しっかし、人生で初めて土下座されて告白されたよ。」


笑いながら柊が言うのに、思わず困ってしまうのだった。

だけど!


だけど!!


私にもついに彼氏が出来ました!!!


ちょっと理想とは違ったけど・・・


イケメン男子に優雅に告白されて、付き合うみたいな感じではないのが残念だ・・・。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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