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柊君へ  作者: Taさん
第一章
33/254

谷口さん ~2~

谷口さんの話です!

~中学3年生の決意!~

今日は塾の先生と進路相談の日であったため、ある宣言をした。


「私は○○高校に入りたいです!」


「お前の成績だと相当厳しいぞ・・・。」


それは私も分かっていたし、当然そう言われるだろう。

中学校の先生からもかなり難しいと言われて、

一つ下のランクの学校を進められている。



私が目指している高校はお母さんが通っていた高校だ。

ただし、卒業は出来ていない・・・。


子供の時にお母さんと一緒にアルバムを見ていると

お母さんの高校時代の写真がそこあった。


楽しそうに笑っているお母さんであったが、

お母さんの写真は高校2年生で終わっているのであった。


お母さんは高校2年生の時に私を妊娠したのである。


だから、お母さんはこの高校を卒業していない。

この時アルバムを見ていたお母さんが、


「卒業式に出たかったな・・・。」


それは本当に消え入るような声であったが、

私の耳にはちゃんと聞こえていた。


だから・・・


私は・・・


この高校に入って、お母さんを卒業式に参加させたい!!


だから、誰から何を言われてもこの進路を譲るつもりはなかった。

結局、塾の先生からも難色を示されるのだが、

この日の私はある決意を持っていた。


柊が私の少し後に面談があることは分かっていたので、柊を待つ。

20分ほどすると塾に来た柊を見て、私は駆け寄って、


「柊、私に勉強を教えてほしいの!!」


そう言って、私は頭を下げる。

突然のことで驚いているようだったが、

私のお願い攻勢は止むことはない!!


駐輪場で柊に頼んでいたのだが、私はその地面の上で土下座をしたのだ。


「私、○○高校に合格したいの!だから、勉強を教えてほしいの!!」


後で柊から怒られたのだが、

女子中学生に土下座させている柊はかなり周りの人から鬼畜の所業と

言われて大変だったらしい・・・


その後、立たされて、お母さんのことを話すと、


「分かった。絶対に受かろうな。」


快諾してくれた柊に私は安堵しながら、


「何か、柊にOKを貰えただけなのに、大船に乗った思いだよ。」


「・・・穴が開いてないといいけどね。」


「そこは任せろじゃないの!?しかもそれじゃあ、沈んじゃうし!!」


こんな軽口をたたく柊に本当に大丈夫かよ~?と思いつつも

きっと大丈夫なんだろうなと思ってしまった自分がいた。



私は絶対に高校に受かってみせるぞー!!




~スパルタ柊~

確かに勉強を教えてっていった・・・


それに勉強できない私が悪いのは分かるけど・・・


ちょっとスパルタ過ぎませんかね?



塾の授業を終えて、1時間ほど毎回私と柊、それと柊のお友達と共に

勉強をするのだが、なかなか厳しいのだ・・・


「・・・こういう解答だよ。」


解き方を教わって、なるほどっと思っていると、


「じゃあ、俺にこの問題の解き方教えて。」


即座に私に解き方を聞いている来るのだ。

塾の先生も「その方法いいな!」と褒めていたし、

私も自分が理解していないと人に説明できないとは思うのだが・・・


テンポが速すぎる!!


もうちょっと理解の時間が欲しいのよ私は!!


宿題も出してくる柊・・・


まあ、私が苦手な問題であることは分かってるし、

塾は次あるのが二日後だから、時間もあるのは分かるけどさ・・・


私の中では、これはね?とか、この問題わからないのか、

仕方がないな?ってきな、少女漫画に出てくるような光景をイメージしていたのだが・・・


想像と全然違うんだけど!!!


・・・別に柊とは付き合ってるわけではないので、

そんな甘い雰囲気での勉強にはならないのは分かっているんだけど・・・


今日の教訓


選んだ相手を間違えたー!!!




~事件勃発~

人生初めての警察にこの日初めてあってしまった・・・



塾の授業を終えて、私は近くのコンビニに友達とジュースを買いに行った時、


「今いくら持ってんだよ!!」


そう言って、腕を掴まれている柊の友達の深田君を見つけた。


「谷口ちゃん、あそこ・・・」


私の友達が私の腕掴んでくる。

私はすぐに自分の携帯で柊に電話する。


「柊!深田君がたかられてる!」


「どこで!?」


「コンビニ前。」


私はそこまで言って、すぐに携帯を切って、今度は警察に電話をするのであった。

110を押すとすぐにつながるのだが、


「事件ですか?事故ですか?」


「今、カツアゲされようそうになっている中学生がいます!」


「それはいつですか?」


「今です!今、私の目の前で起きてます!!」


「場所はどこですか?」


「コンビニの前・・・ええと、○○塾の近くにあるコンビの前です。」


「犯人をみましたか?」


「へ?犯人って?」


「犯人をみましたか?」


・・・落ち着いて質問してくると思ったら、

こいつマニュアル通りにただ、質問してるだけじゃんか!!!


警察の受け答えに憤慨しながらも、


「カツアゲ現場なので、犯人はいませんが、相手はいます。

 今もまだ中学生にカツアゲしようとしています。」


「・・・犯人はいない・・と。現場はどうなっていますか?」


「いや、だから、今目の前で中学生がカツアゲされようとしていますって!!」


「今、カツアゲされていると・・・。それではあなたのことを教えてください。」


「私の名前は谷口です。あ!!カツアゲがナイフとか、あれ・・警棒とか出してます!!」


「谷口さんと・・。お電話番を教えてもらえますか?」


「え?電話番号!?いや、先に警察を向かわしてくださいよ!!!」


「いえ、その前にお電話番号をいただかないといけませんので。」


「あぁー!!○○○ー○○○○ー○○○○です!!」


「分かりました。それではしばらくその場でお待ちください。警官を向かわせますので。」


そう言って、通話が切れるのだが・・・


何でこんあに能天気なのよ警察って!!

憤りながら、深田君の方へと私は駆け寄って、ジュースが入った袋を振りまわす。

その頃になると柊達も到着してきて、カツアゲと大乱闘を繰り広げていくのであった。


カツアゲ側も仲間がどこからともなくやってきて、

かなりピンチとなるのだが、近所のおっちゃん達が木刀を持って参戦してくれて、

カツアゲ相手はあっという間に伸されてるのであった。


その後、オッサン達に縛られていくカツアゲ相手であったが、

その時点でも警察は来ていなかった。


オッサン達が苦笑しながら


「まあ、警察は110番されてから、煙草3本吸って出動してくるからな~。」


意味が分からなかったのだが、その場にいた竹中ちゃんが教えてくれる。


「もし現場に銃を持った犯人がいたら、討たれる可能性があるでしょ?

 だから、警官はしっかりと時間をあけて事件現場に向かうって言われて、

 あんな嫌味のような話が言われてるのよ。」


・・・それって警察としてどうなんだろうか?

今後に私は不安が残るのだが・・・


「柊!!!」


今まで冷静だった竹名ちゃんが大声をだす。

私もその声で柊に視線を向けるのだが、

柊が額から血を流していたのであった。


慌てて、私達は救急車の手配をするのだが、

救急車が来てから、やっと警察がきたのであった・・・。



人生初めての警察に補導されて、色々と話を聞かれて、

更には夜中に中学生が出歩いていたことに注意を受けることになったのだ。


さすがにこんな経験は初めてのため、動揺していると、

澄ました顔の柊がいたので、


「・・・何で平常運転なのよ!」


「うん?ああ、俺以前に補導されたことあるんだよ。」


「え!?」


「夜中に喉が渇いたと思って、家から歩いて1分の所にある自販機に買いに行ったら、

 巡回中の警察官に捕まったんだよ。そしたら、俺の家はすぐそこだって言うのに、

 これっぽちも聞いてもらえず、近くの警察署まで連れられて行ったんだよね。」


「・・・マジで?」


「マジで。それで、親を呼ぶんだけど、この話をしたら、警察に怒ってね~。

 だけど、警察もこんな夜中にジュースを買いに行くような教育を

 されてるのが問題なんじゃないですか?って言ってきて、モメにモメたよ。

 いや~、あれは見てる分には面白かった。」


・・・どうやら柊は私の常識の斜め上をいっているようだ・・・



結局は次の日にも現場の確認をするということで午前中は拘束されてしまい、

学校に遅れるのだが・・・


何で私に武勇伝が出来てるのよ!!


学校で不良の男の子には、


「すげーなお前!」


って、キラキラした目で見られるし!!


女の子達からは、


「夜中も男の子と遊びまわってるらしいよ。」


・・・確かに夜中ウロウロしてたけど、遊びまわってはいないんだけどね・・・


どうやら私は補導を受けたことで箔がついたようだ・・・


そんな箔何っていらないわよ!!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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