表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ  作者: Taさん
第一章
27/254

藤森さん ~8~

藤森さんの話です。

最終話です!

それは私が3年生になる時に起きた。

塾に向かってう途中に、


「おぉ~、藤森ちゃんじゃない?」


急に私の前に立ちはだかる男の人がいたのであった。

そして・・・この顔に私は見覚えがあった・・・


「せ、先輩・・・。」


私の前に立っているのは、髪を金髪にして派手な格好をしているのだが、

中学生の時に私を囲んで掴んできた陸上部の先輩だった。


「あ!覚えてくれてたんだ~!うれしいな!!」


その声を聞くだけで吐き気をもよおしそうになってきていた。

その気持ちが悪い笑顔を見えるだけで頭痛がしてきたのである。


すぐにそばにいた永田ちゃんが気づいてから、

私の手を握りしめて塾へと引っ張って連れて行ってくれたのであった。


塾に入ると思わずへたり込んでしまう私に、

ずっと優しく抱きしめてくれる永田ちゃん。


塾の玄関先でへたり込むのはみんなに迷惑なので自習室に行って、

ゆっくりと落ち着くまで永田ちゃんと一緒にいたのだが、


「柊君・・・。」


慌てて来たのか、制服もよれており、息も絶え絶えになっていた。

その姿が・・・以前の光景をおもいださせていた・・・


あの優しい柊君を・・・


そしてやっぱり優しい柊君だった。


永田ちゃんが私のことを心配して柊君に連絡を入れてくれていたのであった。

そして、それを見た柊君はすぐにここまで来てくれたのである。


塾の前であった先輩との出来事を話すと


「あの・・・バカ・・・。」


苦々しい顔を浮かべる柊君であったが、

私の視線に気づいたのかすぐに笑みを浮かべて、


「もう心配する必要はないからな。」


そう言って、励ましくれるのだが・・・


「もし何かをしようとしてくれるのならありがたいけど・・・。」


私の言葉の意図に気づいてくれたのだろう。


「暴力はしないよ。」


苦笑して答えてくれるのであった。


結局3人で、一応勉強もしつつ、

いつもの最終のバスで帰ろうとしたのだが、


「・・・あきないもんだね。」


私達3人の前にあの先輩が現れた。

どうやら私のことをずっと入り口で待っていたようで・・・


「なるほどね・・・なかなか出てこないと思ったら、そんあ正義の味方がいたのかい。」


先輩が笑みを浮かべて柊君を見ていた。


「分かったのなら、もう手を出さないでもらえますかね?」


「そうだな・・・痛い目には会いたくないからな・・・。」


そういって、私達の前から立ち去っていたのだ。

これで私は安全だろうと思っていたのだが・・・


この日から私の携帯には見知らぬ人からの

電話がかかってくるようになってきたのであった。


「もしもし。」


「・・・。」


「もしもし?」


「・・・。」


相手は無言で何も答えずに、

私が電話を切るとまた電話をかけてくるのであった。


他にも家のポストが荒らされていたりするも発生していた。

そこですぐに監視カメラを設置して録画すると・・・


やっぱり先輩か・・・


その証拠を持って、警察に行くと、

すぐに先輩に対して警察からの警告がいくのですが、

一貫して否認する先輩。


更には、別に警告を受けるだけで、特には制限を受けていない先輩は

その行動をエスカレートしていくのであった。

ただ、すぐに私は柊君に相談して事なきをえたのだけど・・・


この時私は、男性恐怖症になっていた。

本当に唯一柊君やお父さん、弟、それと叔父は大丈夫だったのが救いだった。


だけど、この影響で進むべき進路が狭まっていたのは事実なのだけど、

大学へいく!という進路は絶対にやめたくはなかったのだ。


永田ちゃんや柊君と頑張った日々をあんな男のために駄目にしたくはなかったのだ。



「俺はここの大学だよ。」


そう言って、柊君が教えてくれた大学は私からみたら、超雲の上の存在の学校だった。


「・・・同じ大学に行くのは無理だよ・・・。」


私と永田ちゃんが呆然と見ていると柊君は苦笑しながら、

もう一つの大学を教えてくれたのであった。


そこは柊君が行く学校の近くであり、更には女子大学であった。


「もしかして・・・探してくれの?」


「もともと調べてたんだよ。」


苦笑している柊君が本当にまぶしく思えた。


永田ちゃんも私も希望する学科があったので、

ここを受験しようと決めたのだ。


更に、ここの大学だと私の叔父の奥さんの実家であり、

向こうの家からはものすごいウェルカムを受けていたため

私の両親も私の決断に大いに賛成してくれたのであった。


だけど・・・


問題は・・・


学力が足りない!!


「・・・私達、この大学受かるかな?」


永田ちゃんの弱気な発言に、


「うう・・・私も不安でしかたない・・・。」


私も同意してしまうのだが、


「そんなこと言っている間に問題解けよー!」


そう言って私達の頭を丸めた紙でたたく柊君に恨めしい目で見る。


「数学と英語は俺が何とかしてやれるんだから、国語は自力で頑張るんだぞ。」


そうは言いながらも、私達よりも国語が出来る柊君は理系にも関わらず

今後の勉強もしっかりと見てくれたのであった。


そのかいもあって大学合格して、

楽しい大学4年間を過ごすことができたのであった。

ただ・・・男性恐怖症は治ることはなかったのだけど・・・。


就職は永田ちゃんのお父さんが経営している会社に永田ちゃんと共に入った。

小さい会社だけど、アットホームな会社であったのだが、

10数年も経つと経営がうまくいかなくなっていた。



「今までお世話になっりましたが、私退職します。」


「・・・そんな事できないよ。藤森ちゃんは僕にとって娘と同じなんだよ。」


この苦しい状況になっては、社員を首にするしかないのに

それでも何とかする永田ちゃんのお父さんの重荷を減らしたかったのだが、

それを受け取ってもらうことは出来なかった・・・。


どうしたらいいんだろうか・・・


こんな時いつも私は助けてもらってばかりだった・・・


その時に私の携帯が鳴るのであった。

そしてそこには・・・



「本当にいいの?」


「ああ、こっちこそ人を探していた時だったからね。」


やっぱり私を助けてくれるのは柊君であった。


柊君は勤めていた会社を辞めて、

自分のコンサルティング会社を立ち上げていたのであった。


その会社の支部を地元に作るにあたって、私達を雇ってくれるのだ。


「私まで良かったの?」


永田ちゃんが恐る恐る聞いているのだが、


「ぜーんぜん!お子さんのことで、何かあったら遠慮なく休みとか取っていいからね。」


「ありがたいけど・・・いつの間に税理士の資格とか取ってたのよ?」


「うん?まあ、いざという時のためにと思ってね。

 ただ、俺はあんまりコンサルティング業務はしないよ?

 この子がこの支部での支部長であり、

 コンサルティング業務を本業にしている子だから。」


そういって、私達に紹介してくれた女性は

柊君の勤めていた会社の後輩で、一足早く会社を辞めて、

外資系のコンサルティング会社に勤めて

柊君が立ち上げることを知って移ってきてくれたらしい。


私達と同じ県の出身者で、今回の支部設立をものすごく喜んでいた。


ちなみに柊君が支部を設立するにあたったのは、


「もう一人元コンサルティング会社出身者がいるんだけどだね、そいつ・・・


 本当にクズ人間なんだわ!


 この子にも手を出そうとしたので、離した方がいいだろうと思って支部を設立した。」


どうやらもう一人いる、主力の人間もどこかに欠点がある人間のよ。

ただ・・・


それを笑って受け入れている柊君が凄く大きく見えた。




私は柊君と出会えてよかったと思う


ものすごく辛いことも経験させられたけど


それ以上に楽しいことも経験させてくれた


ちょっと甘やかせ過ぎなところはいただけないけど・・・


それに抗えない自分が・・・ナサケナイデス・・・



私が困った時には


必ず助けて来てくれる


ヒーローだ柊君は



私は柊君に何か返すことが出来たでしょうか?


私は柊君の役に立っているでしょうか?


私は柊君に恩を返すことは出来るのでしょうか?


ありがとう柊君


本当に本当にありがとう



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ