中畑さん ~11~
素直になれない中畑さんのお話です。
次の日、学校に登校すると柊と目があった。
・・・まあ、ちょっと後ろを歩いていたから、
すぐ近くにはいたんだけど・・・
「おはよう。」
柊からいつものようにさわやかな挨拶をされる。
「・・・おはよう。」
なんか照れ臭いし、恥ずかしいから・・・
けど、返したい気持ちにさいなまれて、
挨拶を返したのだけど・・・
私はふとしたことで視線を別のほうへと向けた。
なんだか・・・いやな感じが・・・
そう思って向けたのだが・・・
・・・上田さん・・・
その視線の先にこちらをにらんでいる上田さんがいたのであった。
・・・怖いんですけど・・・
たかだか挨拶をしただけでなんで睨まれないといけないのよ?
そう思って、あの視線を無視しようと思ったのだが、
「・・・男に媚びて。」
「うわぁ~、男子と話す?普通?」
そんな小声が私の耳に入ってくるのであった。
その声に反応して周りに視線を向けると、
何人もの女子が見ているのである!
明らかに上田さんの意向を受けての言動だ!
・・・完全にアウェーだな・・・
というか、まるで漫画やドラマの世界で観るように
クラスの女子たち全員・・・いや、まあ半分くらいかな?
それが明らかに私に対して敵対行動を示しているのである!
私が数カ月前までいた田舎の中学校や小学校では、
絶対にこんなことはなかった!!
というか、そもそもいじめんなてなかったし!!
まあ、当然ケンカはする!
口論をすることもあるけど、
だけど、次の日には・・・というか、
すぐに仲直りして、その日の下校の時には
仲良く一緒に帰ったりしていた。
その場でスッキリしあっていたにもかかわらず・・・
本当に嫌な感じの空気だよ・・・
私は周りの視線を無視して、自分の席へと座る。
その態度がまたいけなかったのか・・・
というか、ほかにどんな態度をしたらよかったのだろうか?
「謝りもせずに座ってるし。」
「空気も読めないのかな?」
・・・空気を読んだから、私はおとなしく座ったんだけど!?
何なら柊と会話でもしてあげようか?
今にも自分のイライラで爆発しそうになったところで、
「おはよう。」
そういって、矢田さんが話かけてくれたのであった。
「・・・おはよう。」
「うん?どうしたの?」
私の不機嫌な空気を感じてか、心配してくれる矢田さん。
「・・・柊と朝、挨拶したらクラスの女子から
小言を言われるようになったんだよね。」
私の言葉に一瞬目を大きく開いて驚いたのだが、
その後は苦笑して、
「このクラスには上田ちゃんがいるからねぇ~・・・。
あの子の息のかかった子たちがいろいろ言ってくるよね。」
「・・・もしかして矢田さんも言われてるの?」
「うん・・・。私なんかは、昔から柊のことを知っているし、
幼馴染の分類に入るとおもうんだけどねぇ~・・・。
それでも上田さん派閥からはいろいろと言われるよ。」
「どうしてるの!?対策は!?」
思わず私と同じ状況であることをうれしく思いながらも
それなら対策を知っているのではないかと思って矢田さんに尋ねたのだが、
「まあ、無視するしかないよ。
あの子たちには何を言っても自分たちを
必死に正当化するだけで全然聞いてもらえないからね~。」
「・・・そうなんだ・・・。」
私はガックリとくる。
矢田さんならがっつりと言い返してそうに思えたのに・・・
そんな私の心中を察したのだろう矢田さんは、
「ほかのクラスの子で、柊と幼馴染の子がいるんだけど、
その子は激しく上田さんとやりあったみたいだよ。」
「ええ!?その人たちはどうなったの??」
「・・・今でも一発触発の空気になってるよ。」
「・・・そっか・・・」
そう言われて私はある光景を思い出していた。
「それって、隣のクラス?」
「うん・・・。」
やっぱりか・・・
体育の時間のことなのだが、
うちの学校は体育は2クラスで一緒に
体育をすることになっている。
男子は男子同志、女子は女子同士で合同で
体育をするのだけど・・・
異常に私たちのクラスと一緒にするクラスとの仲が悪い!
例えば二人一組での体育も存在するのだが、
絶対にクラスが違う場合には組まない!!
というか、
「あそこのクラスの子とは一緒にしたくなぁ~い!」
とこちらに聞こえるように言うくらいだ!!
・・・まあ、こちらも負けてはいないのだけど・・・
「うわぁ~、気持ち悪い菌がうつるぅ~。」
とか、
「人に全く優しくない人たちだから、
何されるかわからないから、怖いんだけど。」
などなどを、うちのクラスの女子たちも言うのであった。
なんで?と思っていたけど・・・
柊ってそんなにモテてたの!?
・・・まあ、あの顔とあの性格、それに運動もできるとなれば
そりゃ~そうなるか・・・
ある意味納得できる。
・・・どうしようかな・・・
実際にどんな対応を今後取ればいいのか、
いい案があるわけではないことが分かった。
うぅ~ん、私も上田さんたちが嫌いだから、
隣のクラスの女子たちみたいにあからさまに嫌うのもいいけど・・・
私の場合は同じクラスなんだよな~・・・
はぁ~・・・どうしよう・・・
結局この日の授業中はずっとそのことで悩んでいた。
結局結論は出なかった。
だけど、その悩んでいたせいで・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




