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柊君へ  作者: Taさん
第三章
249/254

中畑さん ~8~

素直になれない中畑さんのお話です。

だけど、今は私と二人でいて、しかも柊の部屋にいるのだからと思って、

自分のイラつきを抑え込んでいく。


こんなチャンスはなかなか来ないだろうし、

このチャンスを私は活かさないと!!


そんなことを思いながら、こっそりと柊の小学校時代の写真を写メして、

本棚へとアルバムをもどうしていると、

ふとその横に無造作に置かれている紙の山に目が向く。



「・・・表彰状?」


紙の端が見えたのだが、見えたところには

何やら金色で枠のようなものが描かれているのがわかった。


そういえば・・・


バレー部に入って、同じクラスの矢田さんが言っていたけど、



「柊は陸上部でものすっごい成績を収めているんだよ!」


そんなことを言っていたのを思い出すのだ。


私はおもむろにそっちに行って、

紙を拾って中を見てみるのだが・・・


予想通りそこに転がっていたのは表彰状だった。


・・・っていうか、なんでこんなに無造作に置いているのよ!!


思わず目を見開いて驚いてしまう!


だってそうじゃない!


普通の人なら表彰状をもらったのなら

額縁に飾ったりするものじゃないの?


我が家では・・・


正直に言って私も弟もこんな表彰をされるようなことには無縁だけど、

その中でも私が学校で絵で佳作を取った時には、

家族で大喜びをして、その時にもらった表彰状を額縁に入れて

いまも大事に飾っている!!


なのに!!


柊は!?


そこにはよく見えると、表彰状だけではなくて、

メダルもあればトロフィーまでもある。


あと・・・なぞの銅像もあるし・・・


たしかにこれだけもらっていれば、いちいち額縁に入れて

飾ったりするのもばからしいかもしれないけどさ・・・



「・・・せめて片付けて、まとめて保管しときなよ。」


そう声が漏れてしまうのであった。

そんな私の声に反応して、



「いやぁ~、なんかめんどくさくってね。」


「いやいや、表彰状だよ!?めんどくさいからって・・・。」


柊がちょっと困ったような表情をして頭をかいている。

だけど、こんな大切なものを・・・・



「だけど、表彰状って片付けってどうしたらいいんだろう?」


「それは・・・。」


そこまで言ったところで、私はおばあちゃんの家で

こちらもまたおばあちゃんもいろんな表彰状を持っている人で

保管していたたのを思い出した!


あの時は・・・そうだ!



「ラップの芯に入れて保存するんだよ!」


そうだ!おばあちゃんはラップの芯に入れて保管していた!!


そのことを思い出して柊に提案してみると、



「ああ・・・なるほどね。だけど家にラップの芯なんかあったかな?」


「あるでしょう!家でラップ使うでしょう?」


「使うけど・・・正直にって、使い切ったらどうしているのかが

 わかんないよ。」


「捨ててるはずだって!だから・・・。」


そこまで言ったところで我が家のことを思い出す!


そもそも確かに柊の指摘通りで、

ラップの芯なんてそうそう出るものじゃない!


だけど、おばあちゃんの家には大量にあった!


しかも!!


我が家にも大量にあるのだ!!


我が家には若干・・・いいや、私から見たら潔癖症気味な父がいる!


本人は・・・



「そんなにひどくないけど・・・ちょっと気になるじゃないか・・・。」


そういって、自分は軽い潔癖症だと言い張っているけど、

そもそも軽い潔癖症って何?


私たちから見たら十分な潔癖症だからね!


そうそんな父がいるせいで、アリとあらゆるものにラップが使用されている!


例えばリモコン!


我が家にあるテレビのリモコンはもちろんのこと、

エアコンのリモコンや扇風機のリモコンには必ずラップがまかれている。


それも数日経過すれば、父の手によって交換されているのだ!


それだけの使用には終わらずに、

部屋の掃除にも父はラップを使う!!


さらには!!!


ご飯の時に使用するお茶碗やお皿にも自分の分だけは、

必ずラップをまくのであった!!


もう十分に潔癖症だから!!


しかも!!


よく食器にラップをまけば洗い物が減るという話ではあるけど、

父の場合は違う!


ラップを捨て、きれいなお皿をさらに洗うのである!?


私から見たら全然汚れていないお皿なのに!?


・・・まあ、そんな父がいるためかラップの芯はいっぱいある。

いや、まあ、父だけではなくて・・・

今度はモノが捨てられない母のせいでもあるのだけど・・・


そんな風にラップをものすごく使用するため

山のように出てくるラップの芯を普通は捨てるはずなのに



「もったいない!こんなに硬くて丈夫なんだから!!」


そういってラップの芯を山のように取っているのである!


私が小学校の時には、たしかに自由研究があるので

一部のラップの芯は消費したけど、それは一時期だけ使用するのであって、

常時たまっていくと本当に邪魔で仕方がない!



「弟がいるでしょう!」


まだ小学校である弟がいるとはいえ、

それでも使うのは休みの時だけであり、

他の時にはほとんど使い道がない無用の長物になっている。


だから、



「うちからラップの芯を持ってきてあげようか?」


そう柊に提案してもなんら問題ない!



「あるんだ!!それならもらえるなら助かるよ。」


嬉しそうに笑顔を向けてくる柊。


グゥ・・・


その笑みがまた私の心をわしづかみにするのであった。


こんな笑顔が見れるなんて・・・


うれしい・・・


だけど、そんな顔を出すわけにはいかずに

なんかひきつったような顔になってしまうのであった。



「じゃあ、今度はいつ勉強会をする?」


そう柊から提案をされて、どうやら私はラップのおかげで・・・

まあ、たぶんまじめな柊のことだから

そんなことがなくてもしてくれたかもしれないけど・・・


それでもラップをためていてくれた母にちょっとだけ・・・


潔癖症な父にちょっとだけ・・・


感謝はするのであった。


・・・・面と向かっては絶対に言わないわよ!!気恥ずかしい!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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