中畑さん ~7~
素直になれない中畑さんのお話です。
「はぁ~・・・。」
「そろそろ休憩しようか。」
柊が私が漏らしてしまったため息を聞いて、提案してくれた。
「・・・うん。」
「じゃあ、ちょっと氷を取ってくるよ。
今日はちょっと暑いみたいだしさ。」
そう提案して柊は腰を上がる。
「この冷蔵庫じゃあ、氷はできないの?」
「ああ、こいつは本当に冷蔵専用なんだよ。
だから、氷もできないし、アイスもここの中には入れていられないんだ。」
「そっか・・・。」
「じゃあ、ちょっと待ってて。」
そういって、立ち去る柊を見ていて、ハッと気づいた!
「ちょ、ちょっと!!」
「うん?どうした?」
振り返ってきた柊に私は持ってきたものを渡す。
「これ・・・・。」
「わざわざ?ありがとう。じゃあ、遠慮なくもらうね。」
そういって、手土産をもって、外へと出ていくのであった。
「・・・はぁ~~~緊張した!!!」
思わず言葉が口から洩れてしまうのであった。
特に暑くもないのが今日の天気であるのだけど、
私は一人ゆでだこのようになっていた。
当然勉強がわからなくて頭がぼぉ~としてしまうのもあるけれど、
それ以上に柊と同じ部屋で勉強していることで
ものすごく暑くなっていたのである!!
一年のせいの時の教科書を今日は持ってきていないため
柊の持っていた一冊で勉強していたのだけど、
そうするとおのずと二人の距離感が近づいてしまう。
すぐそばで柊の顔がある状態で数分も経過すれば
心臓はバクバクしてしまうし、緊張感が漂う。
そして当然体温も上がってしまうから汗もかいてしまい、
何とか汗はかかないようにしないと!っと思って、
着ていた上着を脱いでいったのだ。
当然その姿を見た柊は、
「今日は気持ちがいいくらい温かいしね。」
そういってくれて気温が高いと思ってくれたのだけど、
違うから!あんたのせいだからね!!
・・・汗のにおいを漂わせるってどうかと思うし・・・
柊がいなくなって、叫んだあとすぐに確認したのは
自分の匂いが臭くないかの確認だ!
・・・うん!全然臭くない!
だけど、お母さんやお父さんは私たちが臭い!って言っても
全然臭くないっていうし、どうやら自分の匂いって
自分ではわからないものなのは知っているから、
私は自分のカバンを開けて制汗剤のスプレーを取り出して、
衣服の隙間から体へとかけるのであった。
そして、持っていたシートタイプの制汗剤を使って、
腕を拭いていき、あとは足も拭いておこうと思って、
スカートをめくった時であった!!
ガチャリ!
なんとそのタイミングで柊が帰ってきたのである!!
一瞬時が止まったように私も柊も固まってしまうのだけど、
それでも柊のほうが先に動き出すというか、先にしゃべりだして、
「・・・見えてるよ。」
「え?何が?」
何が見えているというのだろうか?
柊の指摘が何を指しているのか理解できていなかったのだが、
柊は困ったような表情をしている。
それでも気づいていなかった私に困ったように、
「・・・下着が見えてるよ。」
・・・え?
ガバッとスカートを押さえる!!
今は、足を拭こう思って、珍しく今日はスカートを履いていたため
めくっていたのを忘れていた!
しかも下には今日は何も履いていない!
普段の学校では、スパッツを履いている。
どうせ部活の短パンを履くから、
スパッツを履いていても脱ぐような手間もないし、
油断しててても男子とかに下着が見られることもないからと考えていた。
完全にそのつもりであった!
今日も当然スパッツを履いていると自然に思っていたのである!!
だけど・・・
一段と頭がカーっとなってしまう!!
「見たなぁ!!!」
思わず怒鳴り声になってしむのだけど、
「・・ありがとうございます。」
そういって、拝みだす柊に恥ずかしさもましているけど、
なんか感謝されたことでちょっと笑ってしまうのであった。
そうすると心にも余裕が生まれてきて、
「高いからね!!」
「・・・本当に高そうだな・・・。」
私の言葉に思わず震えて見せる柊。
そのリアクションが面白かった。
そのまま柊は私の前に私の買ってきたケーキと焼き菓子を置いてくれた。
当然柊も同じものを自分の前において、
「コーヒーと紅茶ってどっちがいい?」
そういいながら氷の入ったコップに柊は冷蔵庫から取り出したコーヒーを
自分のコップに注ぎながら訪ねてきたので、
「コーヒーでいいよ。」
「わかった。」
そういいながら私のほうもコーヒーを注いでくれた。
「砂糖とミルクは中畑の後ろの棚にあるから、自分の好みで入れて。」
「わかった。」
そういって後ろを振り返ると本棚があって、
そこの一角に砂糖やミルクを見つけて、そっちに手を伸ばした時である。
私の目に一つのアルバムが飛び込んできたのである!
「ねえ、これって・・・。」
そういいながら本棚の中からアルバムを手に取ると、
「ああ、小学校時代のアルバムだよ。」
「観てもいい?」
「別にいいよ。」
柊の許可をもらって中を観ていくのだけど、
そこにはうちのクラスにいるメンバーや今のバレー部で一緒になった子たちの
小学校時代の写真があった。
そんな中で柊も見つけたのだが・・・
「なんか・・・柊って・・・あんまり変わってないね。」
「まあ・・・所詮童顔なんで変わりようがないよ・・・。」
そんなことを言うのだけど、私は昔っから柊は柊であって、
この頃からモテていたんだじゃないかなって思ったのだ。
実際に今の柊には彼女がいることは知っている。
その前にもいたという話もすでに聞いたりした。
今でも柊はいろんな人から狙われているとも聞いてる・・・
まあ・・・確かにこの顔ならね・・・
アルバムで女子に囲まれている写真を見て、
ちょっとムカッとするのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




