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柊君へ  作者: Taさん
第三章
243/254

中畑さん ~2~

素直になれない中畑さんのお話です。

・・・あの時はそう思っていたし、実際に父の地元に来ることになって

そのことが楽しみであったのは事実だ。


だけど・・・


それで今までずっと一緒にいた友達と離れ離れになるのが・・・


本当に・・・本当にショックで仕方がなかった。


だけど、そんなショックを受けている暇もなく、学校が始まり、

私は感傷に浸る余裕すら与えてもらうことがなかった。


それよりも驚くべきことがいっぱいあった!!


そもそもこの中学校には300名近くの生徒がいる!


それも一学年にだ!!


だから、この学校自体では900名ほどの生徒がいる!!


私のいた学校では、一クラスに20名弱の生徒しかいない。

学年には一クラスしかなかったから、3学年あわせても52名の生徒しかいなかった!!


今いるクラスに10名ほど生徒を足した人数が全校生徒である・・・


どれだけ人がいるのよ・・・


来た当初本当に唖然とした!


本当にいろいろと驚きの連続である!!


だけど、とりあえずバレーを小学校の頃からしていたので、

中学校で転校になったとは言え、こっちでできたらいいなと思っていたのだけど・・・



「へぇ~、向こうの中学校ではエースだったんだ!!」


みんなから期待のまなざしで私をみてくれたのだけど、

言わなきゃよかった・・・


そう思ったのは部活が始まってからすぐのことである。



「・・・すごい・・・。」


私の転入した中学校は、区ではそこそこ有名な実力校と

同じクラスにいた同級生のバレー部員には聞いていたのだけど・・・


これがそこそこのレベルのなのだろうか!?


本当に驚きである!!


今の私の立ち位置は、同級生の中で一番下手!

というか、一個下の後輩たちの中で、

経験者に比べても下手である!


・・・勝ってるのは後輩の中で初心者の子たちくらいである・・・


話を聞いたら、同級生の中にも中学校に入って初めてバレーを始めたという子もいたのだけど

すでに私よりもうまい・・・


私は小学校からの経験があるというのに

その子にすら勝てそうにはなかった・・・


そんな彼女たちでも区内大会に出ると苦戦をする!


確かに勝ち上がっていくのだが、上には上がいるようで、

ギリギリ市内大会への出場権を得ることはできたのだけど、

市内大会に出ると一回戦敗退となった。


・・・私・・・


その光景を見て、本当に心が砕かれそうになっていた。


ここでやっていける自信はない・・・


地元でみんなからは、



「将来、全日本で活躍するよ!!」


そんなことを言われていた私が、いきなり自信喪失してしまうレベルである。

確かに全日本を見ながら、いつか私も・・・そう思っていたし、

勝手に自分の中で、バレーを続けていればこんな風になると思っていた。


だけど・・・


全日本に入るような人は私じゃない・・・


私はこんなにうまくは慣れないんだ・・・


そのことを実感するには十分であった。


入ってすぐに部活を辞めようかと思ってしまっていたのだが、



「みんなで一緒に頑張ろう!」


そんな風に同級生から励まされて私は、

これからもバレーを続けていく覚悟だけはしたのであった。


そして、私がこの中学校にきて、驚いたことがもう一つある!


それは・・・



「・・・どうしよう・・。」


2年生が始まって、すぐに実力テストが実施された。



「お前たちは、どうせ春休みも遊んでいたんだろう?

 そのつけがどんなものなのかをしっかりと自覚するように!!」


そういわれていたのだが・・・


私は・・・


完全に撃沈した・・・


というか・・・


こんなの習っていないし!!!


そうなのだ!

私が習っていた範囲からずいぶん進んでいるのである!


そもそも2年生になったばかりだというのに、

すでにこの学校では2年生の教科書の半分くらいが

進んだところを授業で教えている!!


・・・半年分遅れているのだけど・・・


そんな状態でテストを受けても解けるわけがない!!


ちなみに私のテスト結果だけど・・・


見事なくらいの最下位だった・・・


唯一、国語だけが少し上あたりであったけど、

ほかの数学・理科・社会・英語は、やっぱり習っている範囲が違いすぎて

撃沈していたのであった。



「・・・中畑・・・。」


担任の村西先生かもテスト結果を見て、

困ったような表情をされるのであった。


だけど、困ったような表情をされても時間は待ったなしだ!


もう少ししたら一学期の初めての中間テストがある!!


今回のテストは実力テストであり、成績表には影響がないけど、

これが中間テストや期末テストになるとそうはいかない!


本当に困った・・・


同級生のバレー部員たちに相談をしようかと思ったけど、

一人を除いてみんな・・・そんなにはいい成績ではない・・・


みんながその一人におんぶにだっこ状態であるのに

さらに、そもそも授業で習っていない私までもが

おんぶにだっこ状態になると・・・無理だ・・・

そんなこと絶対に頼めないや・・・


どうしようかと思っていると、村西先生が、

私に一つの提案・・・というか、有無も言わさずにあることを告げた。



「ちょっと待ってろよ。」


そういうと放送室へと向かい、



「柊・・・30秒以内に職員室にこい!」


そんな放送をするのであった!


思わずその放送を聞いて目を開いて驚くのだが・・・

その放送はまだ続いており、



「29・・・28・・・27・・・。」


なんと村西先生がカウントをしているのであった!



「・・・3・・・2・・・。」


そこまで言ったところで、職員室の扉が開いて、



「失礼します!!」


そういって、一人の男子生徒が肩で息をしながら現れたのであった。

その顔を見て、放送を辞めて、私が座っている席にまで戻ってきて、



「柊!こっちだ!」


そう男子生徒に声をかけると、その男子生徒は嫌な予感がするような顔をして

こちらに近づいてくる。


先生のほうは満面の笑みであり、二人があまりにも対照的な表情をしているのが

なんだかおもしろかった。


ただ、次の発言を聞いたと時には、そんな面白さはぶっとんでしまう!



「柊・・・この中畑に勉強を教えてやれ!」


「「・・・はぁ!?」」


私と男子生徒の驚きの声がハモってしまうのであった!!


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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