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柊君へ  作者: Taさん
第三章
240/254

小野さん ~33~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

自分に起きたことは理解していた。


だから、病室にいる時はずっとそのことに悩んでいたのである。


柊も次の日もあるとのことで、夕方には帰って行った。


両親も面会時間ギリギリの時間までここにいてくれたのだけど

面会時間が終わって、後ろ髪をひかれるようにしていたのだが、

帰って行ったのである。


そして今は一人でいる・・・



「はぁ~・・・どうしてなんだろうかな・・・。」


自分がこんなことになるなんて思ってもいなかった!


だって、本当にちょっと前まで順風満帆に進んでいた運命が、

いきなりひっくり返ってしまったのである!!


私にやる気がないかと言われたら、


やる気はある!!


だけど、その思いとは裏腹に体はついてきてはくれない・・・


というか、精神的にか・・・


精神的に働くことを拒絶する体・・・


本当に治るんだろうかな・・・


私は手元にあったスマホを操作して、

自分の症状を入力して、完治させる方法を模索していた・・・


だけど、私が求めるような劇的に治るとか、

すぐにでも治るなどの言葉はどこにも見つからない。


むしろ長い目で見て、治していくとか、

ゆっくりと治していくとかの長期的な言葉が目につくのであった。



「・・・これが・・・現実なんだ・・・。」


そう呟きながら、私はまたベッドにもたれかかる。


すでに同じような行動を何度も行っていた。


調べる言葉も決まっていて、

その答えも変わらないことを知っていたのにも関わらず、

私は同じ動作を何度も繰り返していたのであった。


まるで、さっきのは間違いで、実は・・・っていうことを

心の底から願っているようである。



「私は・・・これからどうなるんだろうか・・・。」


不安しか湧いてこない・・・


順風満帆に見えていた未来が、

全部閉ざされてしまった今の状態に

私は本当に絶望感を味わうのであった。


そんな中、私のスマホがチカチカして、

メッセージが届いたことを確認する。


なんだろうか?


そう思いながら、私は自分のスマホを見ると、

そこには・・・



“帰宅完了!そっちは?”


そんなメッセージが柊が届くのだけど、私が帰れないことをこいつは知ってるよね?



“帰れないのしってるでしょう!!”


“そうだっけ?いやぁ~、小野なら無理やりにでも帰りそうだったからさ”


“何?私はどこかのわがまま娘だと?”


“・・・”


“わざわざ“・・・”を送ってこなくてもいいわよ!!”


“いや、より伝えたかったからさ”


“何を!?・・・うわぁ~、腹が立つな!!”


“・・・怒りんぼう・・・”


“怒らせてるの柊だからね!!”


“記憶にございません”


“どこかの政治家かよ!!”


“そろそろ市長にでも立候補しようかと思ってるところ!”


“柊に私たちの街を任せることなんてできないから!!

 私は絶対に反対投票するわよ!

 対抗馬に絶対に入れるからね!!”


“なんだって!?

 小野・・・幼馴染を切り捨てるんなて・・・なんて薄情なんだ!!!”


“こんな時だけ幼馴染を使うな!!”


“違うね・・・こんな時だからこそ幼馴染なんだよ!!”


そんなやり取りを楽しくやっていると、



“これからどうする?”


そんな風に柊が尋ねてくるのであった・・・


まるで・・・


私が芸能界入りを決めた時のように・・・


どうする・・・


どうすればいいんだろうか・・・


そんなことを悩んでいるとスマホが鳴り出したのである!!



「・・・なに?」


「いや、返事が来ないから、どうしたのかなって思ってね。」


「そんなの簡単にできるわけないじゃない!!

 それをわかって電話してきたんでしょう!!」


「ソンナコトハゴザイマセン。」


「めっちゃかたことやん!!

 本当に意地が悪いな~、柊は!!」


「そう?みんなからは結構いいやつだって言われるんだけどね?

 俺もそう思ってるんだけど・・・。」


「自分で言うなよ!!

 それ、自分の口で言っちゃダメなやつだからね!!」


「そう?いや、誰も言ってくれないから自分で言わないと・・。」


「誰も言ってないんじゃんか!!もう!!完全に私をおちょくっているでしょう!!」


「ソンナコトハゴザイマセン。」


「ほら!!またカタコトで言うし!!」


そんなバカなやり取りをしていたのだけど、



「・・・どうしたらいいんだろうかね?」


「・・・どうしたい?」


「・・・わからない・・・。」


「じゃあ、芸能界にいたい?それとも芸能界から離れたい?」


「・・・そんなのわかんないよ・・・。」


「じゃあ、わがままな小野にいい提案をしてあげるよ!」


「・・・いい提案?」


「そう!」


「そんないい提案があるの?」


「あるよ!

 いったん芸能界から離れてみない?」


「・・・え?」


「だって、ほかの芸能人は留学と言って、一年とか海外に行ってたりするだろう?

 ここで、それとおなじことをすればいいんじゃない?」


「・・・。」


「一年間離れてみて、それでも戻ってきたいのなら、

 きっとそう思って、いるよ。というか、一年もいらないと思うけどね。」


「・・・。」


「一歩離れて考えてみなよ。今、その場にいて悩んでても仕方ないさ。

 だから、まあ、逃げているって言われるかもしれないけど、

 それでも一歩引いて芸能界を見てみなよ。」


「・・・それもありなのかな?」


「ありだろう!そっちのほうがより鮮明に見れると思うよ。

 自分の主観が入った世界からではなくて、別の視点から物事をとらえるって、

 すごくいいと思うけどね。」


「・・・。」


柊の言葉を聞いて、私たちの間にはしばしの沈黙が走るのだけど・・・


その沈黙の間で私の中で決意が決まっていく。



「私・・・。」


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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