藤森さん ~5~
藤森さんの話です!
すでに告白を終えた頃には部活に行かなくちゃいけない時間になっており、
永田ちゃんの冷やかしを受けながら私は部活に行った。
その夜に、明日柳田君と今田君に変な噂を流さないでと
言いに行く約束を柊君と電話で話して決めた。
次の日、2人に行ったらやっぱり思っていた反応をしたので
柊君がいて良かった。
それと・・・
「藤森は俺の彼女だから。」
そう言う柊君に思わず私は顔がほてってしまった。
だけど、ハッキリと言ってくれたことが私は嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
お互いが趣味があう2人だったから、ものすごい楽しい時間が過ごせた。
お互いの家に行って、それぞれが持っている本を見せてもらったり、
日曜日のストバスに一緒に参加もした。
初めて柊君の試合を見に行った時は、初めて見る柊君の顔を見て
改めて惚れ直したりしていた。
柊君が私の試合を見に来てくれた時は、みんなから冷やかされるし
柊君からも見られてると思ってしまい、ファールをし過ぎたりと失敗もした。
柊君がジュニアオリンピックに出場が決まった時には
学校に垂れ幕が下げられたのを見て、本当にすごい人なんだなと思ってしまった。
そして、また惚れ直してしまう。
お互いの誕生日をそれぞれの家で祝った時も楽しかった。
お互いの手料理を食べて、意外と柊君が料理を出来るのを知って驚いた。
大晦日に柊君と近くの神社に行って除夜の鐘を突きに行ったのも
初めて夜中に家から出たからドキドキしちゃったな。
初めて手作りのバレンタインデーチョコを渡したのだが、
美味しそうに食べてくれた柊君の顔が見れて嬉しかった。
私はこんな幸せがずっと続くと思っていた。
だけど、そんな幸せはあることをきっかけに崩れていった・・・。
「昨日から柊君から連絡がない・・。」
朝 永田ちゃんと学校行く時に柊君と連絡が取れなくなったことを告げると
「どうしたんだろうね?」
永田ちゃんも驚いた顔をしていた。
そして、なぜ連絡がこないのかを私は学校に行って知ることになったのだ。
なぜか朝行くと学年集会が急遽開かれる。
皆が集まったので、柊君の姿を探したのだが、そこにはいなかった。
「ええっと、すでに知っている者もいるだろうけど
うちの生徒5人が暴力事件に巻き込まれた。」
その言葉を聞いて私の血の気が引いていく、
もしかして・・・もしかして・・・。
詳しい内容は伏せられたのだが、どうやらうちの学生を狙ったカツアゲが
今、行われているらしくて、その5人はそのカツアゲに巻き込まれて、
警察にお世話になったようだ。
すぐに登校するけれど、あまり根掘り葉掘り聞かないようにと
学年主任から私達に釘が刺されたのであった。
午前中にその五人はどうやら登校してきたので、
昼休みにすぐに柊君に会いに行った。
「・・・大丈夫なの?」
柊君は頭に包帯を巻いた状態でいたのだ。
「検査も受けたけど異常もないって言われたから大丈夫だよ。
ごめんね心配をかけてしまったね。」
申し訳なさそうに謝ってくる柊君に・・・私は冷静ではいられなかった。
「どうして・・・どうしてこんなことになったの?」
「え?」
「私は、暴力が大嫌いなんだよ。」
「・・・。」
「暴力を振るう人も大嫌い。」
「・・・。」
「どうしてこうなったの?」
「・・・。」
「先生の話だと暴力を・・・柊君たちも暴力を振るったって聞いたよ?
柊君も暴力を振るったの?」
「・・・振るった。」
「暴力を振るう人は嫌い!!
私が先輩に囲まれて怖い思いをしたのも知ってるよね!!
あんな暴力が嫌いなことも知ってるよね!!」
「・・・。」
「なのに、柊君も暴力を振るうんだね・・・。」
「・・・。」
「私はそんな人とは付き合えないよ。」
そう言って柊君の傍から立ち去ったのであった。
確かに柊君は暴力を振るう人だとういうのは知っていたけど、
こんなケンカに暴力を振るう人何って思ってなかった。
私の中ではすごくショックなことで、もう柊君の顔すら見たくなくなっていた・・・。
私が別れを告げた頃にもう一つの大事件が起きる。
永田ちゃんに障害のある病気が発病したのだ。
すぐに手術を行って、3カ月ほどのリハビリ生活となった
永田ちゃんの傍に私はずっと付き添う。
私を小学校の暗黒の時代に救ってくれた永田ちゃんの役に立ちたい。
私は、リハビリに付き合うために部活を辞めた。
「えぁ!?」
っと驚く永田ちゃんだったが、
「私には人と競い合うことは似合ってないし、
何より補欠にもなれないからね。」
そう、私と永田ちゃんはみんなの上手さについていけておらず、
お互い「いつやめる?」と言っていたくらいだ。
リハビリに付き合いながら、どうせ受験生だからと勉強を2人で始めたのだ。
夏ごろになって、学校には登校できるようになっただのが、
杖を突いての登校で、エレベーターもない学校であったため、
補助がないと教室にも行けない永田ちゃんに一生懸命補助をして通う。
結局私はあの事件以来柊君とは話すことは一度もなかった。
柊君がまたジュニアオリンピックに出場することになったようで
垂れ幕が設置されたのだが、私の目からみたその色はひどく濁っていた・・・。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




