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柊君へ  作者: Taさん
第三章
238/254

小野さん ~31~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

「・・・ここは・・・。」


そこには以前に似たような光景が目の前に広がっていた。


白い天井に、部屋の中も白を基調とした模様であった・・・



「ああ・・・・。」


そこでやっと私は理解した。


ここは・・・


病室だ・・・


落ち着いて周りを見ると私は病院のベッドに入院していた。


個室のようで私しかいなかったけど

そこが病室だということを理解するには十分だった。


とりあえず・・・


横になっておこう。


ここにいるということは私の身に何かが起きたのだろう。

いったい何が起きたのか・・・


そう思って記憶をたどっていく。


まずは仕事復帰をした時のことを思い出していく。

インタビューを受けてから・・・


ああ・・・そうだ!!


私はインタビューを受けるまでは、必死に意識を保っていたのだけど、

インタビューが終わってからは、その緊張の糸が切れてしまったのだ!!


緊張の糸が切れてしまうと

それまでに感じていた動悸や頭を襲う強い痛みを

抑えることができなくなってしまって、倒れたのだ・・・


薄れゆく意識の中で、顔面蒼白なマネージャーさんが

私に必死に何かを言ってくるのを聞きながら

意識を失ったのか・・・


あの動悸はいったいなんだったのだろうか?


どうしてあんなに頭が痛くなったのだろうか?


それに・・・


どうしてあんなに怖さが襲ってきたのだろうか・・・


不安になってしまっていると、



ガラガラガラガラ・・・


ドアのほうからそんな音が聞こえてくるのである!


一瞬私は警戒するのだけど、

そこから顔を出すのは・・・



「・・・柊・・・。」


そこには私が慣れ親しんだ顔がひょっこりと顔を出していた。



「あれ?意識取り戻した?」


「・・・ノックぐらいしてよね・・・。」


「いやぁ~、だって、さっきまで意識を失っていたから、

 てっきりまだ意識はないと思ってたからね。」


そういいながら私のほうへと近づいてくる。


・・・やっぱり・・・ないな・・・


記者やカメラマンさんたちが近づいたときに発生していた動悸などは、

柊が私のそばに近づいてきたところで発生することはなかった。


・・・いや、まあ、心臓は早鐘を打っているけど、

それは喜びの早鐘であって、

仕事をしているときに感じたものは感覚は違っており、

明らかに楽しい気持ちが出ていたのだ。


そして、そのためか全く苦しくなんかない・・・


もしかしてこれって・・・


そんなことが頭をよぎった時に、



「とりあえず・・・よかったよ。」


そういいながら私に紅茶を差し出してくれた。



「・・・ありがとう。」


紅茶を受け取りながら・・・



「私・・・。」


そう柊に訴えるような目をしていた。

その意図を柊はすぐに理解してくれたのだろう。



「・・・記憶はある?」


「うん・・・インタビューを受けてから、

 私が倒れるまでの記憶はあるわ・・・。」


「そっか・・・。」


しばらく沈黙が続いた。

その間に私は耐え切れずにいて、思わず渡されていた紅茶に手を伸ばす。


飲みなれた紅茶である。


というか、私と柊の思い出のある紅茶だ・・・


ホッとするな・・・


きっと柊はこうなることを想定して、

この紅茶をきっと買ってきてくれたのだろう。


私が紅茶を飲んで落ち着いたところを見計らって

柊は私に話をしてくれた。



「医者が言うには・・・


 ストレスらしいよ。」


「・・・そっか・・・。」


うすうすとは感じていたというか、わかっていた。


自分で起きたことを考えていると

結論としては精神的なものだということにたどり着いていた。


それがストレスによって発生したと・・・


そして・・・



「ストレスの原因は・・・やっぱり仕事かな?」


「そうだろうね・・・。

 状況から言ってそうだという結論だよ。」


「そっか・・・。」


柊は淡々と明確な回答を答えてくれた。

余計な主観もなく、事実だけを教えてくれた。


だからだろう、自分の中での消化が早い。


きっとうちの両親であれば、心配させまいといろいろな言葉を使って

オブラートに包んでいたに違いない。


それも優しさだけど・・・


今は現実を直視できるほうが私にはいい!!


だから、今の柊の受け答えがいいのだ!!



「私・・・これからどうなるんだろう・・・。」


仕事として人前に立つときっとまた倒れてしまうのだろう。

そうなると仕事どころではない!

だったら・・・



「治る可能性はあると思うよ。」


「・・・あるのかな?」


「わからないよ。

 ・・・だけど・・・。」


「・・・だけど?」


「いや・・・個人的な感情だけど、

 治らなかった治らなかったでいいんじゃないのかなって。」


「・・・え?」


「それもまた運命だったのなら、

 ここで小野はちょうど違う道を選ぶべきタイミングだったのかもしれないよ。」


「・・・。」


「もうすぐ大学を卒業だろう?」


「・・・そうだね・・・。」


まさに柊のいうタイミングとしてはいいのかもしれないけど・・・・



「まあ・・・俺の言葉は気にするな。」


「気になるわ!!」


思わずいつものように大声で突っ込みを入れていた!!


さっきまでの思い空気も一掃するくらいに!!



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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