小野さん ~29~
明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!
あけましておめでとうございます!
今年もよろしくお願いしますm(_ _)m
「やっと退院できるんだ!」
やっと傷も癒えて・・・まあ、リハビリらしいリハビリはなかったけど・・・
それでも意識を失っていたし、
あんなひどい目にあったのだからということで、
いろいろと検査をしていたせいで退院が長引いてしまった。
「あんまり無理しちゃだめよ。」
母が心配そうな顔をしてこちらを見てくる。
まあ、うちの母は心配性だし、私に対しては過保護と言っていいくらいだから
これくらい心配してくれるんだろうな。
・・・だけど・・・
これからはこれ以上に心配をかけるわけにはいかない!!
今回のことでも聞いた話では、
寝ずにずっと私のそばにいてくれたのは母だったらしい。
そんな思いをもう二度とさせる気はない!
どうやったら気を付けることができるのかは、
正直に言ってわからないけど、
それでも気をつけていかなくちゃいけない。
まずは自分のできることをしっかりやる!
それしか今の私にはできないのだから!!
退院日の朝、私の病室には・・・
「柊・・・わざわざ来たの?」
「まあね、たまたまだよ。
今日は昼から実験がない日だから、
授業をさぼっても影響がないからね。」
目の前には柊の姿があった。
そして・・・
「はい。」
そういって渡されたのはお花のブーケだった。
大きくはないけど、カラフルな色遣いで、とてもきれいなブーケ。
「・・・ありがとう・・・。」
なんかそんなものをくれるなんてことは全く思っていなかったので、
すなおな言葉しか出てこなかった。
っていうか・・・
思わず涙が出そうになるのをぐっとこらえるのを
必死にやったために言葉が出てこなかった。
「・・・だけど、生け花って・・・枯れちゃうじゃん!」
せっかくの贈り物なら長持ちするものがいいと思ったのだけど、
「枯れるほうがいいんだよ、退院祝いには。」
「そうなの?」
「そう。傷が治って消えるようにってことで、
生け花だと枯れてなくなるだろう?
それにちなんでってことなんだよ。」
「・・・じゃあ鉢物は?あれも枯れるけど?」
「ああ、あっちの場合は、根が張るってことで
病人には好まれないんだよ。」
「・・・どうしてそんなに詳しいのよ?
私と同じ年なはずなのに・・・もしかして・・・。」
「いやいや、お前だってしっているだろう?
何俺だけ年上にしようとしてるんだよ!!」
柊が目を見開いて驚きの表情をする。
それを見て私は思わず笑ってしまうのであった。
病室には私と柊の笑い声が響いている中、
「そろそろ出ようか?」
そう言って母が入ってくる。
その後ろには事務所の社長とマネージャーさんが一緒にいた。
「はーい!」
そういって、私はベッドから立ち上がる。
まとめていた荷物は柊がすっと持ってくれる。
・・・これをするからこいつはモテるんだろうな・・・
私は一か月ほど実家に帰って休暇をする予定であるため
そのまま荷物をもって空港まで一緒に来てくれた柊。
というか・・・
「あれ?もしかして柊も飛行機なの?」
「うん?ああ、小野の事務所からのご配慮で、
飛行機のチケットを準備してくれたからね。
せっかくだから、初体験をしたいと思ったんだよ。」
「・・・へぇ~・・・。」
なんか私が柊に思わずニンマリとしてしまう。
そっか、柊はまだ飛行機に乗ったことがないのか・・・
ここで私の心の中にはいたずら心が湧いてくるのであった!!
「柊、じゃあ、初めてのことだから知らないかもしれないけど、
飛行機に乗る時には、靴を脱いで乗るんだよ。」
「そうなの!?」
「やっぱり知らなかったか~。
最初はビックリするとは思うけど、
飛行機の中はじゅうたんになっているから、
靴を脱ぐようにしているんだよ。」
「なるほどね・・・。」
・・・どうやら・・・
柊をだませているようだね!!
心の中で、
「きゃーーーー!!」
っとだませていることを喜びながら、
私たちはゲートへと向かっていった。
先に出るのは私の便であるため柊も一緒に搭乗ゲートまで
一緒に来てくれていた。
「何か飲み物はいらないの?」
「ああ、大丈夫、客室乗務員が・・・。」
そこまで言ったところで、ふと気づいて、
「そういえば柊、飛行機でね客室乗務員さんが
ジュースとかコーヒー、お酒を配ったりしてくれるだけど、
飛行機の中は国外になるからお酒も飲めるんだよ。」
そういって、また柊をだまそうとするのだけど・・・
「・・・嘘だろう?」
「そんなことないよ!!」
一発で見抜かれてしまう!?
な、なんで!?
そう思っていると、
「・・・小野、嘘をつくときは口元を隠したほうがいいぞ。」
「・・・え?」
「口元が騙してやろうとして、
口角が上がって、悪い笑みを浮かべていたからね。」
「・・・・。」
「演技もするんだし気をつけなよ。」
そういって、嘘を見抜いた顔をする柊!
・・・チィ!!
ほんと、細かいところにも気がつくやつだ!!
そんなやり取りをしていると、こちらの登場が始まったので、
「じゃあ、またね。」
「うん!わざわざ来てくれてありがとう!!」
柊との別れの挨拶をして私は飛行機へと乗った。
しばらくして飛行機が私の地元に着いたときに、
スマホの電源を立ち上げたら、SNSのメッセージが届く。
“うそつき!!”
どうやら靴を脱いで乗るという嘘は、
柊にはバレてなかったようだ!!
へへへ♪
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




