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柊君へ  作者: Taさん
第三章
234/254

小野さん ~27~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!


「・・・あれ?」


「おお!!意識が戻ったか!!!」


聞きなれた声が聞こえてくる。



「すいません、柊さん!私は社長を呼びに行ってきます!!」


そう声が聞こえたと思ったら、どこかへと走っていく音が聞こえるのであった。

そんな走り出す音が聞こえたかと思ったら、



「おはよう。」


そういって、またさっきの声が聞こえてくる。


・・・この声って・・・


そう思いながら、体を動かそうとすると・・・



「いたぁ~!!」


体を無意識に起こそうとして右手に力を入れたら、

二の腕付近に激痛が走ったと同時に、

熱くなってくるのである!!



「動くなよ!そのままじっとしておきな!!」


そういって、私を抑えてくる手。


そのまま起こした分だけ、後ろに押されるのだけど、

その先には背もたれでもあるのか、

ふんわりとした感触があるのである。


痛みがひどくて、目をつぶったままでいたのだが、

徐々にその痛みも引いてきたので、私は体を動かすことなく

目を開いていくと・・・



「・・・柊じゃん。」


「おうよ!柊だよ。」


そこには柊が笑みを浮かべているのであった。


なんでここに柊が?


これは夢なのか?それとも現実なのか?


それすらもわからない状態であったが、

すぐに廊下から人の影が飛び出してきて、

そこに両親や事務所の社長さんが飛び出してきたのを見て、

なんとなくだけど、これは現実だと思ったのだ!!


それに夢だったら、さっきの痛みで目が覚めそうな気もするし・・・


両親は私に向かってくる足を止めることなく、



「く、苦しいよ!!」


なんと二人が一辺にに私に抱き着いてきたのであった!


・・・あ、痛みの走った傷は避けてくれてるんだ・・・


その状況を冷静に分析している自分がいたのであった。

さてと現状は・・・


そう思って、思い出そうとする前に柊と目が合ったかと思うと、



「もしかして・・・何も覚えてない?」


「・・・今から思い出そうと思って・・・。」


そういいながら、私は思い出していくのだけど、

とぎれとぎれの情景しか思い出すことができない。


そもそも・・・



「あの時、襲ってきた男の人が包丁を振りかざしたんだけど・・・。」


そこからなぜか記憶を思い出すことができなかった・・・


・・・どうしてだろう?



「襲ってきたところで、小野が避けたんだけど・・・それは?」


そう聞いてくる柊に私は首を横に振って返事をする。


・・・覚えていない・・・



「そっか・・・。その時は、完全にはかわせずに右腕の二の腕に

 包丁を受けてしまったんだよ。」


「・・・なるほどね。」


そういって、私は自分の右腕を見る。

まあ、服を着ているためそこがどうなっているのかがわからないけど、

痛みはあるのだから、切られたんだろうな・・・



「その時、私ってどうなってたの?」


「小野はその傷を受けた時には、気絶したんだよ。」


「・・・なるほどね!それで記憶がないのか!」


その説明を受けると納得する!!


思い出せないのではなくて、覚えていないのだ!!


よかった・・・


ちょっと自分がどこかで頭を打ったのでは?と疑っていたのだから、

そうではないってことがわかればよかったよ。



「で、そのあとは、すぐにかけつけたスタッフさんや警備員さんに

 その犯人は取り押さえられたんだよ。」


「それで命は無事なのね。」


「そう・・・・。その助けがなかったら、きっとあの犯人は

 さらに小野に対して包丁を振ってきていただろうな。」


「・・・。」


言葉を失ってしまう。

確かに気絶をしたからと言って、そこで男の人が手を止めるとは考えられない。


その後がきっとあったはずだ・・・


それが行われていたのなら・・・


私はこの場にいなかったんだろうな・・・


そう考えると背中に寒気が走り出す・・・



「とりあえず・・・小野の命があってよかったよ。」


そういいながら安堵の表情をする柊。



「・・・もしかして心配した?」


そう柊に尋ねたつもりなのだが・・・・



「心配したに決まっているじゃないか!!」


「心配したに決まっているでしょう!!」


・・・予想していなかった両親からの返事が返ってきたのであった。


そ、それはそうだね・・・

両親が私の心配をしないなんてことはないよね・・・


そんなことを言っている中で社長が地面に対して、



「申し訳ございませんでした。」


そういって土下座をして私というか、両親に謝りだすのであった。



「いえいえ、さっきも謝っていただきましたし、

 警備もしっかりしていたのはわかっていますから。」


「ですが、大切なお嬢さんをこんな目に合わせてしまって、

 大変申し訳ないです。」


「命がありました。

 それがすべてですよ。

 次は、今回の件もあるのですから、

 この経験を活かしてくださいね。

 正直、それだけですよ。」


「はい!必ず!!」


そういって、土下座している頭を上げることはなかった社長。


その後は、泣き出す両親を私が慰めるという形になっていた。



「本当に心配したんだからな!!」


「よかったぁ~!生きていて!!」


すごい泣きながら、私に言ってくるので、

私は自分が泣きたいとか思う前に

二人を慰めるのでいっぱいになっていた。


両親と社長たちが今回のことを話しあうこと、

さらには今後について話し合うことになったので

席を外していった。


ここに残っているのは私と柊の二人だけになったのだけど・・・


ここにきて、思い出した記憶がものすごく恐怖であったことを

やっとこの場にきて理解し始める!!


理解するとまた背中に寒気が走り出して、

思わず震えだすのであった。


口はガクガクとなって、締まらないし、

体の震えはまったく止まる気配がない!


どんどん襲ってこられた恐怖心がわいてくる!!


湧いてくる恐怖心で体中が震えだすと、



“ギュウ!!”


なんとそんな私を柊が抱きしめてくれたのであった!!



「大丈夫だよ。」


そんな優しい言葉を私にかけてくれて・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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