小野さん ~22~
明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!
そんな急に入ってきた仕事だから、
きっと簡単な仕事だろうと高を括っていた。
ネットで調べれば、よく見るチラシに載っているモデルなんかは
比較的簡単に仕事として回ってくると書かれていたので、
てっきりそんな簡単な仕事だと思っていたのだけど・・・
「じゃあ、車で迎えに行きますね。」
そう告げられたので、さらに、地元での簡単な仕事だと思っていた。
ちょうど休みの日に当ててくれたので、
父は・・・無理だったけど、母が一緒に行ってくれる。
そして、迎えた初仕事なのだけど・・・
「今日はこのまま飛行機に乗ってもらいます。」
「「え?」」
そういって、なんと空港へと向かうのである!?
私と母は鳩が豆鉄砲を食ったような顔となってしまう。
それもそうだって!
だって、こっちは地元で簡単な仕事をと思っていたのに・・・
全然違うんじゃないの!?
「どこに行くんですか?」
恐る恐る質問してみると、
「横浜です。そこで撮影があります。」
「・・・え?」
本当にびっくりである!
完全に私の予想は裏切られてしまっていた。
え?
これから横浜に行くの?
っというか、私、初めて飛行機に乗るんだけど・・・
「お、お母さん、飛行機乗ったことある?」
「ないわよ!!」
どうやら母も私と同じように初体験のようで、
驚きとともにちょっと飛行機に乗ることへの恐怖を感じていた。
震えている手を見て私は、思わず、
「大丈夫だよ。」
そういいながら、母の手を握るのである
「そ、そうよね・・・。」
そういいながらも顔はちょっとひきつっているため
緊張と怖さは完全には取れていないようだったけど、
それでも娘の行動で正気を取り戻したようで、
先ほどまでこわばった顔をしていたけど、
今はすでに私に対して笑みを浮かべているのであった
そんな私たちをルームミラー越しに見ていた社長とマネージャーさんが、
「大丈夫ですよ!飛行機は慣れてしまえば、
早いですし、新幹線で行くよりもずいぶん楽ですからね。」
「そうですよ!それにこれから何度も飛行機に乗ってもらうつもりですから。」
「何度もですか!?」
「ええ、当然!我々としてはしっかりと力を入れて、
小野ちゃんを応援したいと思ってますから!!」
そういって、ぐっとこぶしを握って、私のほうへと力強く見せてくれるのであった。
頼もしいけど・・・
一抹の不安を覚えるのは気のせいだろうか・・・
そのまま私たちは空港へと向かい、
社長とマネージャーに引率してもらいながら飛行機へと乗る。
結果・・・
「すごい楽しかったね!!」
「ねえ!!家なんかめちゃめちゃ小さくなっていたし!!」
私も母も興奮していた!
初めての飛行機で、外から見る景色に大興奮!!
さらには、飛行機に乗っている間のサービスに大興奮!!
ジュースもコーヒーもタダなんて!!
それに客室乗務員さんが気をかけてくれて、
いろいろと声をかけてくれるし、配慮もしてくれたのであった・・・。
毛布もくれたし、新聞なんかも持ってきてくれたし!!
あとから聞いたら、それは普通だって言われたけど、
今まで味わったことがなかったから、本当に興奮したよ!!
それに私の地元から、1時間半ほどで羽田に行ける!!
新幹線で行ったらそんな時間じゃ、絶対にいけないし!
それに短い時間のおかげで、乗り物酔いしやすい私でも
酔う前に羽田にたどり着けたのだ!!
「じゃあ、ここからも車で行くね。」
そういってくれて、すでに車の手配をしてくれていて、
私たちはそのまま用意されていた車に乗って、
目的地である横浜へと向かうのであった。
そして・・・
「うわぁ~・・・すごい・・・。」
目の前にはいつもテレビで観る光景だ!!
あれが・・・赤レンガ?
あっちが、パシフィコ横浜だったけ?
それにクィーンズスクエア?
まさに私も母も大興奮である!!
そんな私たちの興奮している姿を見て、満足そうな顔をする社長とマネージャーさん。
そんな二人を見て、私はあることを思い出した!
そうだ!!
私たちは仕事でここにきているのである!!
「社長!マネージャーさん!!今日はここで仕事なんですか!!」
そう尋ねると、
「今度はここでの仕事になるけど、今日のところは・・・
横浜中華街での撮影だよ。」
「「ええ!!!」」
私も母もまた驚いていしまう!!
そこもまたテレビで観る世界なのだ!!
だから驚いてしまうのは仕方がない!!
っていうか、当然だよ!!
「そこで仕事って何するんですか!?」
そう尋ねると、社長さんがすっととある雑誌を差し出してくれる。
「こ、これって・・・。」
そこに出された雑誌は、私たち学生でも知っている雑誌である!!
そういえばこの観光雑誌にはいろんなモデルさんが載っていたのを思い出し、
「わ、私、ここに載るんですか!?」
「そうだよ。ここのリポーターの役が
今日の仕事なんだよ。」
そう笑顔で告げられる・・・
私・・・
本当に芸能人になるんだ・・・
そう再認識するには十分な仕事であった・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




