小野さん ~17~
明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!
「小野のことが好きなんだ!付き合ってくれ!!」
「ごめんね!」
そう言って、私に告白してくる男子に断りの言葉をかけてから
私は呼び出された校舎裏から自分の教室へと戻っていく。
・・・はぁ~・・・これで何回目だろうか・・・
高校に入ってから・・・いや、“も”か・・・
いや、中学の時よりも明らかに告白される回数が増えていた。
まだ高校に入ってから2カ月弱しか経過していないにも関わらず
すでに告白された回数は・・・何回だったけ?
今みたいに校舎裏や、どこかのお店に呼び出されての告白は
10回くらいされていて、それに加えて、SNSでの告白が
もう何回か分からないくらいだ。
さらには今だに古風に手紙での告白をしてくる男子もいた。
さらには自分の学校だけにはとどまらず、
他校の生徒からも告白される・・・。
最初にバスに乗っていて、声をかけられたときには
驚き過ぎて、変な声を出しそうになったくらいだ!!
まあ・・・
告白してきて諦めてくれるのならいいけど・・・
すでにストーカーによる被害も出てきていた・・・
なぜか私と同じバス停で降りる他校の生徒がいた。
元々このエリアの学生であれば、年齢が一つか二つ上くらいまでなら
把握していたにも関わらずその顔を見たことがなかった。
だから当然気になって、いつもは真っ直ぐ帰るにもかかわらず、
その日はコンビニに寄ったのだ。
するとその男子も同じようにコンビニまで来たと思ったら、
私が入ったコンビニに同じように入ってきた男子。
・・・すでにかなりアウトな感じなのだけど、
それでもまだ0ではない可能性があるため
一度そのコンビニを出た後で、すぐ傍にある別のコンビニに移った。
とりあえず、探している本がない風を装って行ったのだけど・・・
私が出た後で同じように出てくるその男子!!!
アウト!!
私の中で彼に対してアウトの判定をする!!
ってか、あきらかについてきているでしょう!!
どうしよう・・・
このまま家に帰れば絶対に家にまでついてくるだろうし・・・
そんなことを思いながら、別のコンビニに入ると
同じようにコンビニ入る男子
さて・・・どうすればいいかな?
そんなことを考えていると、
「小野ちゃん?」
雑誌を読んでいるふりをしていると声をかけられたので
そちらを向くと、
「あ!?」
何とそこには柊の妹ちゃんがいるのである!!
「もしかして今帰り?」
「うん!部活終わりで。小野ちゃんも?」
「帰りなんだけど・・・。」
「どうしたの?」
私の微妙な反応に気づいた妹ちゃんが私に尋ねてきてくれたので、
「実はさ、ストーカーがついてきていて・・・。」
「え!?」
驚く妹ちゃん!
それもそうだけど、慌てて妹ちゃんの口を塞ぎ、
「しー!今、この店内にいるのよ!!」
そういって、店内のある一画にいた男子を教えると、
「・・・帰れないね。」
「そうなんだよね~、それで今、困っていてさ。」
「じゃあ、うちにとりあえずおいでよ!」
「え!?」
「うちは別に関係ないし、迷惑をかけてきても
逞しいお兄ちゃんがいるから何とかしてくれるし!!」
「・・・そうだね。」
柊なら、こんな状況も打破してくれそうだ!
・・・迷惑をかけることになるけど・・・
まあ、柊ならいいでしょう!!
そんな結論に達して、妹ちゃんと共にコンビニを出ると
二人で柊の家の方へと歩いて行った。
・・・順調に私達の後ろをついてきているけど・・・
後ろを振り返る気はないけど、
カーブミラーにハッキリとうつるその姿、
他にも近くにあった、ドラッグストアーのガラスに、
私達の後ろ10メートルから20メートルくらいの所に姿が写っていた。
「・・・本当だね!」
妹ちゃんが小声で私に言ってくるので、
私も同じように小声になって、
「でしょう!ホント・・・困っちゃうよ。」
「走ってみる?」
「うぅ~ん、ここから家まですぐそこだから、
振り切る前に到着しそうだし、もういいんじゃないかな。」
「・・・そうだね。
あとは、お兄ちゃんが帰ってきた時に、何とかしてもらおうか?
どうせ、しばらくはうちの周りにいそうじゃない?
小野ちゃんの家ではないって思ってさ。」
「・・・そうかも・・・。」
ちょっと期待しているのは、柊の家を確認して、
私の家だと勘違いをしてくれないかと思ってしまったのだが、
難しいかな?淡い期待かな?
そんなことを思いながら柊の家へと向かう。
数分後には柊の家にたどり着いて、
「あら、いらっしゃい小野ちゃん。」
柊のお母さんから温かく歓迎されたのである。
そして、事情を話すと、
「ちょっと、二階の窓から覗いてみる?」
「そうだね!小野ちゃん、見に行こう!」
そう言われて、二階へと上がって、妹ちゃんの部屋から
外をコッソリと覗くと・・・
「・・・いないかな?」
道路や角には先ほどまで後ろをついてきていた男子の姿はなかった。
「あっちも見に行こう。」
そう妹ちゃんに言われて、今度は柊の部屋へと入る。
・・・うわぁ~、柊の部屋って片付いているな・・・・
まさに柊の性格通りという感じで部屋はきちんと整理されており、
しかも何だかいい匂いがしてるんだけど・・・
「こっちこっち!」
妹ちゃんの声にハッと意識を戻して、私も一緒に窓際にコッソリといくと・・・
「・・・いたね・・・。」
「ね・・。」
二人でため息をつきながら、窓際から離れて、
廊下へと戻っていき、一階に下りていく。
「・・・いつまで見張ってるのかな。」
「こまったね~。」
そんなことを言いながら一階に下りると、
何とそこには柊がピッタリなタイミング帰宅していたのであった!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




