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柊君へ  作者: Taさん
第三章
223/254

小野さん ~16~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

クラス会を終えて、あれから一カ月ほど経過した時、

また柊の家と家族同士での食事会をすることになった。


今日は近所の居酒屋での食事会であった。



「あれ?柊は?」


居酒屋に行くと、そこには柊の両親と妹がいるものの

柊はいなかった。



「あいつはちょっと遅れてくるみたいだよ。

 どうも部活が忙しいらしくてね。

 まあ、バスには乗ってるみたいだから、

 もうちょっとすれば直接ここに来るよ。」


「そうなんだ・・・。」


まあ、遅れても来るというのなら、いいかと思い、

柊の妹さんと話をする。


妹さんと話していると、なかなか妹さんは大変な思いをしているみたいだ。


うちらが卒業すると同時に、私達の担任をしていた先生達が

今度は一年生の担任をすることになったらしいのだが、

ちょうど今年中学校に入学したのが柊の妹で、

先生達がみんな柊のことを知っているためか・・・



「お兄ちゃんは、あんなに勉強出来たのに・・・。」


とか、



「お兄ちゃんは、あんなにスポーツが出来たのにね・・・。」


何をするにも柊と比べらてしまうみたいだ。



「それは本当に嫌だね~。」


「そうなんよね!だって、何かにつけてお兄ちゃんと比べてさ、

 勝手にがっかりするんだもん!!

 あんなに勉強が出来たのにね・・・とか、知らんし!!」


「私もそうなるわ!」


しばらくは妹さんの愚痴が止まらないのであった。


更に面白いことには、

妹さんは部活をテニス部を選んだのだが、

テニス部では柊ファンクラブなるものが存在していた。


私の時代もそうだったからね・・・


同級生からも上級生からも、そして当然下級生からも

柊のことが好きな子達がいっぱいいたのである!


そんなファンクラブがある部活に当の本人の妹が入ってくると

部活内では騒然としたようだ。


しかもお兄ちゃんの方は、陸上部のくせに意外とテニスがうまかったらしくって、

その期待をまた一身に受けたらしいのだが・・・


正直なところで初めてやるテニスがうまいわけでもなく、

微妙な空気になったようだ・・・


しかも、だからといって、ファンクラブのメンバーから

そんなダメ出しを受けることはない!


結局、下手なのに同級生達はダメ出しをされているにも関わらず、

妹さんは全然ダメだしをされずに、



「大丈夫!出来るようになるから!!」


そうやって優しく励ましてくれる先輩達・・・


その差にイラつく同級生達だけど、

そんな反感をしっかりと抑える先輩達。



結果・・・


微妙な立ち位置になっているそうだ!!


そりゃそうだろうね!!



「もう最悪だよ~。」


そう言って不貞腐れる妹ちゃん。


・・・ホント、どこまで行っても迷惑をかけるな~柊は・・・



「よし!じゃあ、奴が来たらビシッと言ってあげるよ!!

 お前のファンクラブをどうにかしろってね!」


「お願いだよ~。」


そう言って、妹ちゃんと話をしていると

やっと遅れて本人が到着したのであった!



「「遅い!!」」


私と妹ちゃんからだめだしを受けて、



「いやいや、部活の試合だからね。

 だいたい遅くなるって事前に伝えてあっただろうに!」


そう言いながら、私達のいる座敷へと上がってくる柊。


今日は珍しく、ジャージ姿で、背中には陸上の道具が入っているのであろう

大きなカバンを背負っていた。


・・・


ドクン!


本当にいつも通り柊が現れたというにもかかわらず、

なぜか柊を見たら心臓が一段早くなったのを感じてしまった。


・・・何だろう?


その違和感が何をさしているのかがわからない。



「俺は・・・ウーロン茶で、それと焼き飯を。」


そう言って、注文する柊。

そのままいつものように私達が座っている場所まで歩いてきて

座るのだけど・・・


あれ・・・


こいつってこんな顔だったかな?


いつも見慣れていた顔なはずなのに

今見ている柊の顔はどこかが違う。


童顔は変わらないし・・・


笑う笑顔も変わらない・・・


だけど・・・


何かが違う気がする・・・


その違和感はそこだけにはとどまらなかった。



「部活どうだったの?」


私達が質問する前に柊の両親が質問するのだけど、



「勝ったよ。」


「勝ったって、確か先輩達と混じってなんだろう?」


「そうだよ。」


「それで勝ったのか!?すごいな!!

 じゃあ、次はどこの試合になるんだ?」


「次は・・・確か県大会じゃなかったっけ?」


「県大会!?一年生で!?」


うちの両親も柊が先輩に勝って県大会に行くことに驚く!

私だって驚いている!


だって、ついこの間まで中学生で同じように

同じ学校に通っていたのに・・・


うちの学校にも2年生、3年生はいるけど、全然私達とは違う!


体付も一回りも二回りも違うのに、

そんな人達に勝つなんて・・・


その言葉を聞いて、さっきまで憤慨していた妹ちゃんも

自分のことのように喜んでいた。


人の気持ちを憤慨させるのも柊であり、

そして喜ばせるのもまた柊であった。


みんなの中心に柊がいた・・・


いや、今までもいたのかもしれないけど、

離れたせいかそれがハッキリと分かるようになったのかもしれない。


私の幼馴染である柊は・・・


実はすごい奴だったのかもしれない・・・


そんなことを考えるようになったし、

さらに私の中で柊に対する変化が起きていた。



「小野も元気にやっていたか?」


ぶっきらぼうに尋ねてくる柊に、



「う、うん、元気にしてるよ。」


ただ返事を返すだけなのに緊張してしまうのであった。


何でだろう・・・


柊と話を・・・っていうか、一言交わしただけなのに

こんなに体が熱くなるなんて・・・


頭なんかは、ぼぉ~としてしまっていたのである。


そして私の目に飛び込んでくる柊の笑顔がすごくまぶしく感じているのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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