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柊君へ  作者: Taさん
第三章
219/254

小野さん ~12~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

「こんな感じなんだ・・・。」


目の前には真っ暗な・・・ではなく、廊下は、月の灯りがこもれてきて

薄暗くなっていた。


非常灯が赤く、非常口の案内が緑色に明るく不気味に輝いていた。



「小野は、文化祭とかで遅くなったりしないの?」


「ないない、私ってそんな大変なの下ことないもん!」


「・・・何で?」


「聞きたい?」


思わずにんまりとしてしまったところを柊が見ていたのだろう、



「・・・遠慮しておきます。」


「ちょっと!ここまで言っといて遠慮しないでよね!!」


そう言ってグッと柊を引っ張ってから、



「男の子達が大変なのは代わってくれるの。」


「・・・で、押し付けていると。」


「ちょっと!人聞きが悪いわよ!!」


柊の肩に軽くパンチを入れる。



「いて。」


小声で殴られた痛みの声をだしながらも、



「教室に行ってみようか。」


「行けるの!?」


「いけるよ、図書館が併設されている渡り廊下の方は、

 シャッターが閉まってないんだよ。」


「・・・何でも知っているね・・。」


「だって、部活で遅くなると、シャッターが閉められて、

 理科室から出れなくなっちゃうからね。

 その対応策は知っておかないとね。」


そういって、一階にある理科室の前にある階段を上っていき、

二階の渡り廊下へと進んでいくと・・・



「ホントだ・・。」


確かに柊の言う通りで、シャッターはしまっておらず、

渡り廊下を渡れるのであった。



「本当によく知ってるね・・・。」


思わず呆れてしまう。



「はいはい、そんなことはいいから、とりあえず教室へ行こうか・・・。」


そこまで言ったところで、いきなり私の手を引っ張って、

渡り廊下にある図書室へと私を引っ張り込む!!



「な、なにを・・・!?」


そこまで言ったところで、私の口は塞がれて、柊は口に手を当てて、



「しー!しずかに!」


そう言うのであった。

図書館の本棚の列の一画まで行って、身を隠す。


柊と私は今密着していた・・・・


そして・・・


コツコツコツ


何と足音がきこえてきたのである!?



「ひ、柊!?」


思わず柊に震えた声をかけてしまうのだけど、



「大丈夫だよ。」


そう言って、柊と体を密着して、本棚の陰に隠れるのであった。



コツコツコツ


歩いてくる音はドンドン近づいてきて、

たぶんライトを持っているのであろう灯りが図書館の中へと入ってくる。


ジャラジャラと音を立てながら、何と・・・


図書館の中に入ってきたし!?


緊張のあまりに心臓がバクバクと言い出す。


そんな私とは裏腹に冷静な顔をして私をぎゅっと抱きしめて、

そのまま宿直の先生の方へと視線を向ける柊。



「はぁ~、めんどくさいな。」


そんな声が図書館に響き渡ってくるのだけど、

どうやらその声は警備員の人のようである。


挨拶したことがある!!


声を聞いて、怖い警備員の顔を思い出しており、

見つかったらただじゃすまないんじゃないかと

怯えてしまうのであった。


ぎゅっと柊の胸の中に納まっていくと、

ゆっくりと柊は頭をなでてくれる。



「まずは鍵が閉まっているか見て・・・。」


そう言いながら窓辺へと向かう足音がする。



「ヨシ!しまってるな。次は・・・エアコンのスイッチか。」


その声を聞いてドキッとしてしまう!


それもそのはずで、エアコンのスイッチは本棚の近くにあるのだ!!


ど、どうしよう・・・


先ほどよりも心臓の音がものすごく大きく聞こえてくる!


それに重なるように足跡がドンドン近づいてくるのである。

本棚を挟んですぐ傍に警備員さんが来るのである!!



くぅ~~~・・・・


声を出してはいけないため必死に柊にしがみついて

何とか怖さを必死にこらえる。



「エアコンは・・・切れていると・・・あとは・・・。」


次もあるの!?


警備員さんのつぶやきに声には出せないツッコミをする!

それは当然で・・・


次に本棚の確認とか言われたらどうしよう!?


絶対に私達がいることがバレてしまう!!!


すでに呼吸を止めてグッと我慢している。


どうなるの?


次はどうするの?


不安にさいなまれていると・・・



「後は入り口の照明のスイッチだけど、

 こんなに暗いんだから切れてるよな。」


そう言いながらどうやら入り口へと向かっているようだ。

足音がどんどん向こうに行くのが分かる。


今まで必死に柊にしがみついていためか、

思いっきり腰が抜けて、その場にへたへたとなってしまうのであった。



「・・・大丈夫?」


柊が心配そうに声をかけてくれるけど、



「全然大丈夫じゃないよ・・・。

 本当に心臓が止まるかと思ったよ。」


正直な感想である・・・


もう!心臓に悪い!!


あんなにドキドキするなんて!!


今なんか、その反動で体中の力が抜けてしまっているわよ!!



「まあ、しばらくこのままここで休憩しようか?」


「え?何で?」


「今、警備員さんは理科室の方へと向かったからね。

 この後はあそこら辺を見たら、またこっちに戻って来るんだよ。」


「そうなの?」


「そうそう、それで巡回は終わりだよ。

 だから、もうちょっとここにいて、過ぎたら教室に行こうか。」


「は~い・・・。」


もう気合が抜けた返事しか出ない。

だって、まともな返事何てする気力がないもの・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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