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柊君へ  作者: Taさん
第三章
217/254

小野さん ~10~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

「俺が一旦、上まで登ってから引っ張ろうかと思ったんだけど。」


「・・・何か方が抜けそう・・・。」


「そんな簡単には人の方は抜けないだろうけど・・。」


「柊はそんな簡単に言うけど、そもそも簡単に登れるの?」


「え?簡単だよ。」


そう言って、柊は簡単に塀の上へと上がっていく。



・・・というか・・・・


上り慣れてないかい?



「ねえ柊、あんた・・・普段からも登ってない?」


「・・・。」


「やっぱりか!?」


柊が私の質問に返答しないことを確認して、私は確信する。

絶対に柊は、普段から上っているんだ!!



「・・・さあ、どうやって上るか考えようか。」


「いやいや、話を逸らすんじゃないわよ!!」


柊はこちら側にひらりと降りてくる。

その着地の姿勢を見て、私はすぐにあることを思いついて、



「肩車をしてくれたらいいんじゃないの?」


「・・・え?」


驚いた表情を柊はするけど・・・


肩車をすれば、簡単にその塀にたどり着けそうだと思う。

だって、柊は180cmくらいで、あとちょっとで塀の上にたどり着くのだから、

私だって簡単に登れるんじゃないかな?


そう思ったのだけど・・・



「小野・・・スカートだけど大丈夫?」


なるほど!そんな心配をしてくれたんだ!!



「まあ、見たら見たでそれが今日一緒に学校に侵入してくれる

 手間賃ってことで許してあげるよ。」


「・・・何で上から?しかも、別にみたいとはおもってないんだけどぉ・・・いって!?」


柊が失礼なことを言ったので、おもいっきり背名をたたいてやった!!



「こんな可愛い幼馴染の下着が見れるんだから、

 喜ぶべきところでしょう!!」


「ハイ、ソウデスネ・・・。」


「なぁ~んで、ここでカタコトになるかな!!」


キッと柊を睨むと、ふっと目をそらして、



「じゃあ、とりあえず肩車をするよ。」


そういって、私の前にしゃがむ柊。

それに対して私はついつい・・・



「どっこいしょ。」


そう言って、柊の頭の上に座るのであった!



「・・・俺はイスじゃないけど?」


「あれぇ~違った?ちょうど疲れたところに、

 目の前にイスがあったから座っちゃった。」


「・・・よし!小野はここでお留守番だな。」


そういって、立ち上がろうとする柊を慌てて制する。



「ちょ、ちょっと!ごめんって!謝るからさ!

 早く肩車をしてくださーい!」


「・・・最初から俺は使用としていた気がするけど・・・。」


「はいはい!男がつべこべ言わないの!

 早くいくよ!ここで変に時間を使うよりも中をウロウロしたいんだよねぇ~。」


そんな私に対してジト目で見てきて、



「・・・俺はやっていたけどね・・・。」


「はいはい、ほら、行こうか!」


そう言って、私は柊の方に足を乗せていき、

肩車をしてもらうのだが・・・



「・・・上がらないぃ・・・いった!?」


パーンと音が鳴り響く!


失礼なことを言おうとした柊の頭を思いっきり叩いた!



「何を言おうとしたのかな?」


「・・・なんでもないです。」


「なら、馬鹿なこと言ってないで、早く立ち上がってよ!」


「・・・はいはい。」


そういって、ヒョイと立ち上がる柊。



「最初から軽々とできるじゃない・・・。」


「軽々とでは・・・。」


パーン!!


また柊の頭を叩く。



「何か言った?」


「・・・何も言ってません。」


もう私には逆らわないようで、そのまま塀の方へと歩み寄っていき、



「これなら届くだろう。」


そんな風に柊が声をかけて来た。


たしかに柊の言う通りで、すでに塀の上に上半身の一部が出ており、

塀の向こう側がすでに見えていた。


そのため私は、そのまま塀の上の部分に手をかけて、

立ち上がろうとする。


その時、柊の方も動いており、私の靴の下に手を当ててくれて、

私が踏ん張って立ち上がりやすいようにしてくれていた。



「気が利くじゃん!」


「はいはい、早く言ってくれるかな。」


「・・・なんで?今は・・・柊の頭が私のスカートの中にあるけど?」


ニヤニヤと柊にそんなことを言うと、



「別に・・・望んではいなんだけど・・・

 あたたたた!止めろ!手を放しそうになるだろう!?」


柊が変なことを言ったので、私の両足を絞めて柊の頭をギュッと絞ったのである!



「私の位置が有利なのをしっかりと理解しておいてね。」


「・・・はい・・・。」


体を捻って、塀の上に腰かけてから、足を塀の内側に向ける。



「・・・柊。」


「どうした?」


「意外と高くて怖い・・・。」


そう!塀の上って意外と高いのだ!


今の高さはたぶん塀の2メートルに自分の座高分が加わっているので、

全然見たことがない景色が広がっていて、

その高さに思わず慄いてしまうのであった。



「・・・ちょっと待ってなよ。」


そう言うと、柊は軽々と塀を乗り越えてきて、内側に着地した。

そしてすぐに私の下の部分に来て、



「ほれ、さっきと逆で俺の方に上から乗ってきなよ。」


そういって、私の両足を手で支えてくれ、

それに従って私はまた柊に肩車をしてもらうのであった。



「・・・身長が高いのが活かされたね!」


「俺はこんなことに活かすために身長が高いわけではないけどね。」


「他にどんなことに活かせるの?ないんじゃない?」


「あるわ!!」


そう言いながら、しゃがんで私を下してくれる。


その動作は揺れたり、よろめいたりすることもなく、

何かすごくしっかりしていたのが印象に残った。



「さてと、じゃあ、行きますか。」


「え?どこへ?」


思わず柊に尋ねてしまうと、



「ここまで来たのなら一つだけだろう?校舎内に入るよ。」


「ええ!?入れるの!?」


私が驚いているとニヤリと悪い笑いを柊がするのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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