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柊君へ  作者: Taさん
第三章
216/254

小野さん ~9~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

「お、柊きたね!」


私の視界の中に柊の姿がうつる。



「・・・ってか、夜も遅いんだし、家の中で待ってればいいじゃん。

 小野も女の子なんだからさ。」


「だって、めっちゃ楽しみじゃん!

 家でのんびりと待ってなんていられないよ!!」


「さいですか・・・。

 それじゃあ、目的地に行きますか?」


「うん!」


そういって、私の家に迎えに来てくれた柊と共に

目的地へと向かって行く。

これから行く目的地は・・・



学校である!!



「どこから侵入するつもりなの?」


「うん?まあ、正門や裏門はしまっていて乗り越えるのは大変だろうけど、

 裏手にある金網の部分は乗り越えやすいから、

 そこを越えて行こうかと思っているけど。」


「裏手にそんなところあった?」


私は自分の学校の裏手を思い出すのだが、

柊の言う場所が思い当たらなかった・・・



「ああ、あそこは部活やっている奴は知っているけど、

 普通に一般の生徒は分からないかもね。」


そういって、私と柊は夜の学校へと向かって歩いた。



「・・・星ってこんなに見えるもんなんだね~。」


「まあ、小野お嬢様は塾の帰りはいつも送迎されているから

 知らないかもしれないけど、結構、ここでも星は見えるんだよ。」


「・・・ちょっと引っかかる言い方だな~!!」


「それはそれは・・・。

 こっちは全然なにか言いたいわけではないですけどね。」


そう言いながら笑う柊に対して・・・



「いたぁ!?何すんだよ!?」


思いっきり横っ腹を殴ってやるのだ!



「絶対に今、私を馬鹿にしたでしょう!!

 だから、天罰覿面よ!!」


「・・・それは小野がすることではなく、

 他の誰かがしたり、自然と起きたりすることをさすんじゃないか?」


「いいじゃん!どっちでもさ!

 柊が痛い思いをすればいいんだから!」


「・・・どっちにしろ痛い思いをすることになっているのね・・・。」


大きなため息をつく柊の背中をたたいて、



「ほら、ささっと行こうよ!

 足が止まってるよ!早くいかないと、帰るのが遅くなるんだしさ!」


「・・・それならそもそも夜の学校に侵入しなければいいんじゃない?」


「それとこれとは別よ!

 それに柊が今しかできないことを体験するのもいいって言ったから、

 夜の学校に侵入しようと思ったんだから!

 柊の責任よ!

 しっかりと責任とってよね!:


「・・・理不尽な・・・。」


「返事は!!」


「・・・はいはい・・・。」


「はいは、一回!!」


「・・・どこのスパルタ教師だよ・・・。」


「へへへ、教師に私向いてるかな?」


「・・・全然・・・。

 っていうか、そんな意味で、スパルタ教師って

 言葉を使ったわけじゃないんだけどね・・・。」


「・・・じゃあ、どういう意味よ?」


そう言いながら柊を睨むのだが、

柊はすぐに目をそらして、こちらを見ようとはしない。



「柊!こっちを見て!!」


そういって、柊の顔を両手で挟んで、無理やり私の方を向ける!



「・・・いひゃい・・・。」



・・・



「ぶふ!!何でそんな面白い顔をしているのよ!!」


思わず柊の顔を見て、吹き出してしまう。


その顔はくちゃっと潰れていて、先ほどまでイケメンと言われていたのが

台無しになっている顔である!

それを見て、笑うなっていう方が無理だよ~!


思わず笑ってしまったので、手がほどけると、柊は、



「・・・小野がやったんだろうに・・・。

 まったく、人の顔見て笑う何って失礼だぞ。」


そう言いながら、怒ったふりをする柊に対して、



「いやいや、あんな顔をする方が悪い!」


そう断言するのであった。

すると柊は目を見開いてこっちを見て、



「俺のせいかよ!?」


「そうよ!あんな面白い顔をしなければこんなことにはならなかったんだからね!」


「・・・理不尽な・・・。」


「理不尽なんかじゃない!!」


そう言って柊からの意見を一蹴する。

一蹴しながら、思わず笑ってしまう。


・・・こんなことをしてくれるのも柊くらいなのかな?


そんな思いが沸いてくるの。


他の男子達とは、どこかで一線を引いているためか、

こんな風にバカ笑いをしながらはしゃぐなんてことはない。


というか、今の男女は、どちらかといえば、

お互い話すような感じでもなく、

男子は男子のグループを、女子は女子のグループを作っている。


だから、正直に言って柊とこんなに話すのも

久しぶりであり、こんなバカなことをするのなんて、

数年ぶりなことである。


そもそも女友達ともこんな風にはしゃぐことはない。



「何か久しぶりにこんなはしゃいだ気がするな~。」


「・・・そう?」


「そうだよぉ~。

 いつからだろうね、なんか落ち着いてしまったのは・・・。」


「・・・落ち着いた?」


「・・・何か文句でも?」


「・・・ありません・・・。」


そういって、口を紡ぐ柊をキッと睨むのだけど、

こんなやりとりも楽しい。



「何か、ホント、小学校の時なんかは、無邪気に遊びまわっていたけど、

 中学生になってから、だいぶ落ち着いた気がするよ。」


「・・・さいですか・・・。」


「まだ何か言いたいの?」


「まあ、冗談はさておいて、遊び方とかは変わった気がするよ。」


「そうでしょう!それを私は言っているのに・・・。」

 誰かさんが茶化すから・・・。」


「まあ、それも含めて楽しいんじゃないの?」


「そうだね~。」


そういいって、私も柊も笑ってしまうのであtった。


そんな会話をしていたせいか、

気づけば目的の中学校の傍にまで来ていた。



「あっちだよ。」


そういって、柊に案内されて私は侵入口へと歩を進める。



「・・・こっちって・・・。」


柊が案内するのは確かに普通の生徒ではなかなか近づくことのない

中学校の裏手の部分で、その辺りは周りからも死角になっており、

侵入するには最もいいだろうけど・・・



「・・・この塀、登れないよ・・・。」


私の目の前には2メートル程の塀がそびえたっていたのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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