小野さん ~6~
明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!
次の日、
「・・・ねえ、来てないね?」
「・・・そうだね・・・。」
私と一緒にチョコを配った友達とクラスの異変に気づく。
普段であれば、私が登校する時間にはすでに半分くらいのクラスメイトが
いつもなら登校するのに・・・
今日に限っては・・・
1/3くらいしか登校していない・・・
そして、あと一点気になる点がある・・・
私と友達がパンとチョコを渡した男の子達が
誰一人として登校していないのである・・・
結局、先生が教室に来た時にも
私達が渡した男の子達は誰一人来てなかったのであった・・・
そして・・・
「男子が5名ほど体調不良のため休みです。」
先生からのその一言でクラス中がザワザワと騒ぎ出す。
「どうしてあいつらが休んだんだよ!!」
「しかも5人って怪しくない!?」
いつもは元気いっぱいで、風邪なんか全然無縁の5人が
同じタイミングしかも全員体調不良で休んだのだ!
そりゃ~、サボりでは?って疑われるのも間違いないのだけど・・・
正直に言って、この時点では私の中である一つのことが
不安ン位なってしまっている。
それは当然、私達が渡した相手のみが休んでいるからだ!
・・・っていうか、私はパンについて一抹の不安をいだいていた。
私が渡したパンは、自分達が食べたパンはしっかりと焼けていた。
ただ・・・
あの男の子達に渡したものは、あまりものの生地で、
更には時間を短縮して焼いたため、
もしかしたら・・・中まで焼けていなかった可能性があるのだ・・・
休み時間になると友達が私の傍に来て、
「・・・私のチョコがダメだったのかな?」
そんなことを言いだしたのであった。
だけど、
「そんなことないよ!私だって、というか、みんなで食べたじゃない?
それで誰一人倒れてないんだから!大丈夫だよ!」
・・・そう、彼女が作ったのは誰も体調不良になっていない。
私のもなってないよぉ!っと言ってはくれるけど、
私の中では一点他のパンとは違う点があるために
どうしても私の気持ちの中に不安があるのであった。
その日は、そのことが気になって、
全然授業に集中できなかった・・・
正直に言って、電話をしようかと思ったけど、
電話をかけると私が何かしてしまったと疑われるのではないだろうかと
私は不安になってしまって電話を掛けることが出来なかったのである。
その日は夜はなかなか寝付けなくて、
次の日はいつもより少し遅くに起床して、
いつもより遅れて学校に行ったのだけど・・・
「・・・どうしたんだろう?」
教室に向かっていると私のクラスの空気がおかしいことに気づいた。
廊下には他のクラスの生徒達が教室を覗いており
いったい何があったのだろう?と思いながら
教室に近づいた時のことである、
「・・・お前のチョコを食べたら体調悪くなったじゃないかよ!!」
私の友達が、チョコを渡した男子達から責められていたのであった!!
友達の方はそう言われて今にも泣きそうになっている。
「どうしてくれるんだよ!!」
とか、
「何を作ってるんだよぉ!!」
などなど、責められるのである!!
それに対して、ちょっと気が弱いせいで友達の方は
プルプルと震えて、何も言い返すこともできずに下を向いていたのであった!!
私はすぐに教室に入る!!
「ちょっと何してんのよ!!」
そう言って、友達の前に立ちはだかる!
「お、小野・・・。」
「何よ!!私だって、パンを作って渡したでしょう!!
それなのにどうしてこの子だけが責められるのよ!!」
そう言うと、困ったような表情を浮かべる男の子達。
たぶん、気弱なこの子には言えるのだろうけど、
自分でいうのもなんだけど、我が強い私に対しては
ちょっと何も言えなくなっていた。
「け、けどパンは火がしっかり通っているだろう?
それに対してさ、チョコレートは作り方調べたけど、
買ってきたチョコを融かしたりして、固めているだけだから、
雑菌がついたら、処理できないだろう?
だから、俺達は小野がくれたパンではなくて、
こいつがくれたチョコだって分かったんだよ・・・。」
「・・・チョコを調べたわけじゃないでしょう?」
「・・・全部食べちゃったけっど・・・。」
「なら、そうかはわからないでしょう!!」
「だけど、考えられるのは・・・。」
「じゃあ、私のパンよ!
あんた達が体調悪くなったのは私が作ったパンのせいよ!」
「い、いや、だけど、焼いてあったんだし・・・。」
「チョコレートを融かして、型に入れて雑菌が入るの何てありえないでしょう?
もしかして、使ったチョコに菌が付着していたとでも言うつもり?」
「・・・こいつが触ったから・・・・。」
「・・・あきれた、そんなことで疑われてるの?
ちなみに言っておくけどね、私も彼女のチョコを食べたわよ。
だけど、体調不良になったかはならなかったわ!」
「・・・。」
押し黙る男の子達に私は、
「あんた達が体調不良になったのは、
私の作ったパンが原因だから!
それ以外でもそれ以上でもないわよ!!
だから、文句があるなら言ってよね!
謝って欲しいのなら謝るし、
土下座をしろというのなら喜んで土下座をしてあげるわよ!」
「い、いや、そんなことは・・・。」
「だけど、さっきまではこの子に詰め寄って、
謝れて言ってたよね?」
「・・・う・・・うん・・・。」
そう言われると私はすぐにその男の達の前まで行って、
「私の作ったパンで体調を崩させてしまって
ごめんなさい。」
そう言いながら私は5人に対して
頭を下げたのであった。
「・・・土下座の方がいい?」
「い、いや、もう十分だよ・・・。」
「あ、頭を上げてくれ!!」
もう頭を上げて欲しいと懇願してくる男の子達に
私は従って頭を上げるのだけど、
「私のせいだから!!」
それだけを言い残して男の子達の前から立ち去り、
さっきまで詰め寄られていた友達のところへと行く。
「・・・小野ちゃん・・・。」
「私のせいで、ごめんね。」
「そんなことないよ・・・。」
そう言って、泣いている友達を私はゆっくりと肩を抱いて
そのまま2人でトイレに行ったのであった・・・。
この出来事は結局その場だけでは収まることはなく、
後から来た私達の友達を中心にその男の子達は
詰め寄らて、更にはクラスの学級会での議題にも挙げられて、
相当男の子達は詰め寄られたのであった・・・・
そして、男の子達には、それぞれ親御さんに先生から
連絡がいったようで、家でもこってりと絞られたそうな・・・
ちなみにこのパン事件、クラスメイトたちは、
私が友達を庇ったということになっているのだけど、
他のクラスでは私が作ったパンが原因で
男の子達5人が体調不良になったと噂になっている。
・・・まあ、それこそが事実なので、訂正はしませんけどね・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




