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柊君へ  作者: Taさん
第三章
212/254

小野さん ~5~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

ふと、今日の帰り際に、友達から、



「男の子達にもあげようと思うんだけど・・・。」


「そうなの!!誰に?」


私が友達に尋ねるとモジモジしながら、

数名の男子達の名前を挙げてきた。


・・・誰が本命なんだろうか?


そんな疑問もわいてくるけど、

友達に詰めよるような感じになるため気分を害しても困ると思って、



「数も多いし、頑張らないなとね!」


そんな励ましの言葉をかけたのだが、

どうやらそんな励ましの言葉を欲しているのではなくて、



「小野ちゃんも一緒に渡してくれないかな?」


「・・・え?」


ちょっと想定外の言葉に驚いてしまう。



「私も?」


「うん・・・1人で渡すの・・・恥ずかしいから・・・。」


そう言ってお願いしてくるのだけど・・・


なら、挙げるのをやめたら?とは言えない。

どうして、1人上げるのが恥ずかしいって理由で

私までその男の子達に渡さなきゃいけないのよ!!



「・・・だけど・・・私、その子達とは仲良くないよ?」


そう告げる。

事実、先ほど名前が挙がった男の子達とは、

仲が良くないのは事実で、口論なんて日常茶飯事である。


毎日のように何かしらのちょっかいをかけてくる男の子達に

ホント毎日怒鳴っている気がする。


そんな子達にチョコレートを渡す?

ないない、それはないわ・・・


そんな私の思いを無視するように、



「お願い・・・小野ちゃん・・・。」


・・・ここまで懇願されるとさすがに断るのは両親が引ける。



「・・・はぁ~・・・うん、分かった。じゃあ、あの子達の分も用意するよ。」


「ホント!?」


嬉しそうに花が咲いたように笑う友達に苦笑して答えるのであった。

次の日に渡す約束をして、別れたのを思い出して、



「き、生地ってまだあるかな?」


慌てて、残っていた生地を確認して少量だけだが残っているのを確認した。



「危なかった・・・。ちょっと小さいけど、いいよね。

 どうせ、あの子達にあげるものだし。」


そう言って、私は再度成形して、焼成をしたのだけど・・・



「小さくしたんだし、焼成時間って短くした方がいいんだよね?」


そう思って、先ほどよりも時間を短くして焼成を済ませるのであった。



ちなみに両親には出来上がったパンを試食がてら渡したところ、



「うん!美味しい!!」


「いやぁ~!美味しいぞ!!」


嬉しそうな顔をして喜んでくれたので良かった。

・・・しっかりできていることも確認できたしね。

美味しそうに食べる両親を見つめるのであった。




「・・・はい、これ。」


そういって、ある男の子にパンを渡す。

その後ろで私の友達はモジモジしている。



「ま、まじで!?」


そんな声を上げる男の子に対して、



「ついでよ、ついで。それに・・・。」


そう言って、私の後ろにいた友達をグッと表に出してきて、

チョコレートを渡すように促す。

何とか友達も無事にチョコレートを渡した。



「あ、ありがとう、小野・・・。ほ、ホワイトデーにはチョコ返すよ。」


そんなことを言ってくる男子に私は、



「え、いや、お返しなんかいらないよ。

 それならこの子にしっかりと返してよ。」


「え!?」


私の発言に驚いたような顔をする男の子。



「いや・・・もちろん、返すけど・・・。

 お、小野はいらないのか?」


「うん?いや、だからいらないって言ってるじゃん!

 ついでだから、そのパン。残り物の。

 だから、別に私はいらないからね。」


「そ、そっか・・・。」


先ほどまで嬉しそうにしていたくせに

急にテンションが下がったような感じになる男の子。


その後も、予定していた男の子達に渡すたびに

同じような光景を目にすることになったのであった。


なんだろう・・・


何か私は悪いことしてるのかな?


むしろ私の中では、わざわざ焼いたというのに

あまりに喜ばれないのはちょっと報われないのだけど・・・


だけど、一緒に回った友達からは、



「小野ちゃん、ありがとう!」


「ううん、いいよー。」


友達からは、一緒に渡してくれたことに感謝の言葉をかけられる。


・・・まあ、感謝の言葉をかけられたのだから、

昨日慌てて準備していたのは報われたな。


その後は、特定の男子に配りおわったところで、

女子の友達が来たので、早速私は友達の所に行って、



「おはよう!!みんなの分作ってきたよぉー!!」


そう言って、みんなのぶんを個別に包装したパンが入った袋を

みんなの前で広げた。



「すごい!!自分でパン焼いたの!?」


「小野ちゃん凄いね~。」


みんなからそんな声をかけられたので、



「ちょっとお菓子作りの延長だよ!!

 そんなに大変じゃなかったよ!」


・・・ちょっと見栄を張ってしまった・・・


お菓子作りよりも大変だった・・・し!


手を焼いた・・・ホントに疲れたな・・・


ちょっと苦笑いを浮かべながらも、



「好きなのとってね♪味は3種類を用意してるから。」


「へぇ~!面白い!どれがどの味?」


「それは秘密だよぉ~!せっかくなら何が当たるか楽しみにしないとね!」


そう言ってそれぞれみんなが選んでいき、

私も友達から友チョコを貰った。


お昼休みにみんなで食べて、



「「「おいしかったよぉ!!」」」


との声を貰ったのだ!

確かに自分で言うのもなんだけど、

ちゃんと菓子パンとして出来てる!


私はあんこが当たったけど、

本当に市販されているアンパンのようだったし!


正直に言って、その時、その日一日はすっごく満足のいく日だったのだけど、

次の日に学校に行くと事態は一変したのであった。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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