表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ  作者: Taさん
第一章
21/254

藤森さん ~2~

藤森さんの話です!

何とか柊君と話をしたいと思うのだけど、クラスも違うし、

教室の位置も別棟で、本当に接するチャンスがないままだったのだが、


「柊君ってそんなにバスケがうまいのなら、バスケ部に入るんじゃないかな?」


「そーだよね!きっと柊君バスケ部に入るよね!!」


意気揚々と私と永田ちゃんはバスケ部に入部届けを出すんだけど・・・


「柊君がいなんですけど!!」


私と永田ちゃんの予想を裏切ってきた柊君。

ど、どうして~・・・。


柊君はなんと陸上部に入部していて、

バスケ部の顧問の先生も嘆いていた。


「柊、あいつは身長も高いし、運動神経もいいのに・・・。

 何でバスケを選んでくれないんだ・・・。」


そんなことを部活中にも男子生徒に愚痴っていたのだ。

しかも、柊君がバスケを選ばなかった理由が、


“坊主がいや”


この理由を聞いて唖然とする先生。

それでも何とか入部させようとする先生が、


「分かった。負けたら坊主!これでどうだ!?」


部の規則を曲げてまでどうして柊君に入ってもらいたかったのだろう。

だけど、坊主は譲れない先生の考えの譲歩した結果なのだが・・・


「イヤです。」


柊君に一蹴されて、その日の部活は覇気のない先生が

練習中に何度もボールを頭にぶつけることになっていた。


最終的にはバスケ部と兼部!と陸上部の顧問とも相談していたようだったけど、

柊君が始めた出場した試合で3年生を押しのけて1位を獲ったことで

兼部の話も消えてしまう。


「おしい・・おしい・・・。」


しばらくバスケ部顧問の恨めしい声を私達は聞くことになったのであった。



入部して一カ月ほどしたところで、

初めての屋外での練習をするようになった。


体育館ではレギュラーが練習をして、

屋外でその他が練習するのだけど

男女合わせると大人数となるので、

筋トレ班、階段ダッシュ班、ボールを使う班に分かれて練習をする。


私が階段ダッシュ班になった時に事件が起きた。


「ふ~じも~りちゃ~ん!」


階段付近で見知らぬ男の人達に声をかけられた。


「え?」


驚いている間に私を囲んでくる3人の男の人。

陸上部のお揃いの服装をしているので、

陸上部なのは分かったのだが・・・


「可愛いよね、藤森ちゃんって。」


そう言いながら私の腕を掴んできたり、

逆サイドにいた男の人は私の肩を掴んだりしてくるのだ。


恐怖で逃げ出すこともできず、声を上げることもきずに

その場で立ちすくんでしまう。


抵抗しない私を勘違いしてしまったのか、

更に私に触れようとしてきたところで、


「先輩、何をしてるんですか?」


・・・え?柊君?


目に飛び込んできたのは柊君で、

その顔は童顔な彼からは想像もできないように

眉間にしわを寄せて睨んで怖い顔をしていた。


「なになに?もしかして正義の味方?」


笑いながら柊君を見る先輩達。


「俺達は今、藤森ちゃんと恋の話をしてるんだよ。別に悪者なんかじゃねえよ。」


うそ!


私は恐怖で強張ってるんだよ!!


声に出して助けを呼びたいのに声が出ない。


「はぁ~、何言ってんの?嫌がってるだろう?」


その声に思わず私の顔が柊君に向けられる。


この時の顔は、後から柊君から言われたのは、

“今にも捕食されそうな小動物の顔”と言われて苦笑されてしまった・・・


「ああん?そんなのお前がいってんじゃねえよ!」


先輩達が怒った声を上げながら柊君を睨むのだが、

そんな睨みにはまったく動じることなく私の傍に来て、

私を掴んでいた先輩の手を振り払ってくれたのであった。


「3年生にもなって、1年に絡む何って恥ずかしくないんですか?」


私の前に立ちはだかってくれて、先輩との間に入ってくれる。


「お前!生意気なんだよ!!」


そういって、1人の先輩が柊君に殴りかかるのだが、

あっという間の出来事で私には何が起きたのか説明ができないが、

気づけば地面に1人の先輩が投げ飛ばされていた。


「お前、一年のくせに生意気なんだよ!!」


残りの先輩が大声で叫んで、殴りかかろうとするのだが、

それも本当にあっというまに地面に叩きつけられていたのであった。


「ひぃー、ひぃー。」


今まで聞いたこともないような声を出す先輩達に、

思わず私が・・・


「だ、大丈夫ですか?」


心配になって聞いてしまうのだが、


「受け身もまともに取れずに地面に叩きつけられたから

 呼吸がうまくできてないだけだよ。そのうち治まるよ。」


柊君が私に微笑んで教えてくれて、


「大丈夫?うちの先輩が迷惑をかけたね。」


そう言って謝罪をしてくれたのであった。

ただ、それも一瞬で、また唸っている先輩に視線を戻した時には

バスケ部の先輩たちが柊君の傍に行って、


「これ以上はやめた方がいいよ。」


「こいつら本当にタチが悪い連中だから。」


そういって、なだめようとしていたのであった。


この頃になると陸上部の顧問の先生も来て、

柊君を引っ張って生徒指導室へと連れていったのであった。


私も当然、職員室に連れていかれて先生たちと話をすることになる。


「あの3年生達は本当に手が焼ける子達なのよね・・・。」


3年生の学年主任の先生がため息交じりに呟きながら、


「藤森さんはこれでいいわよ。本当に大変な目にあったわね。」


そう言って優しく頭を撫でてくれるので、

「いいえ」と答えるだけで精一杯であった。


その後は先生たちが話し合いをして、

3年生の人達は部活参加を禁止にされて、

結局は退部することになった。


柊君は私を守ってくれたものの、暴力を振るったことで

罰を受けなくてはいけなくなったのだが・・・



柊が坊主だ!!


学校全体にそのニュースが走ることになったのだ。

うちのクラスメイト達も柊君の所に行って写真を撮ってきて

大笑いをしたりしていた。


「あいつ、坊主が嫌で陸上部に入ったんだろう?」


「それが陸上部で坊主になる何ってな!!」


クラスメイトが爆笑の渦に包まれていた。


私は申し訳ない気持ちになっていたのだが、

コッソリとクラスメイトから柊君の坊主写真を回してもらったのは

ご愛敬ということで・・・。


柊君に助けてもらったのに、ちゃんとお礼も言えなかったので


「一度ちゃんとお詫びを言わないと駄目だよね?」


「え!?藤森ちゃん、言ってないの??」


永田ちゃんに驚かれるのだが、

私はお礼の言葉をいっていない。

お礼の言葉を言おうとしたのだが、先生に連行されたし、

朝も柊君にお礼をと思ったのだが、

柊君の周りには、坊主にした柊君を楽しむ同級生や先輩達に囲まれていて、

私が入る隙間すらなかったのである。


永田ちゃんに促されて、休み時間に行くものの

やっぱり柊君の周りには人だかりが出来ていた。


・・・廊下にまで人がいる何って・・・


柊君がいかに人気者であるかが分かる光景だ。

この時、みんなに混じって廊下から柊君の写真を撮ったのは言えないけど・・・


この後も何度か教室を尋ねるのだが、いつも誰かと話していたり、

部活の試合で公欠だったり、県の強化選手に選ばれたらしくて公欠だったりして

会うことはできなかったのであった。


放課後には戻ってきているようだったけど、部活の終りの時間があうこともなく

結局しばらく会うことはなかった。



気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ