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柊君へ  作者: Taさん
第三章
209/254

小野さん ~2~

明るい美少女・・・ちょっと抜けてる小野さんのお話です!

「すごいなぁ~、イメージとまるで違うからビックリしたよ。」


「そうですか。」


端的に答える柊に、更に食いついていき色々なことを聞いている先生。

・・・若干、柊がウザそうにしているなぁ・・・


そして、先生は話を気だけにはとどまらなかった・・・



「太極拳って組手みたいのもあるのか?」


「はい、散打といって、組手があります。」


「それはフルコンタクト?」


「・・・そうですね、フルコンタクト言っていいと思います。」


そこまで柊がいうとまた満面の笑みを浮かべる先生。

柊の方は逆にしまったなぁ~という顔をしていた。


そして、次の先生の言葉は、



「じゃあ、ちょっとやろうか。

 大丈夫!先生も柔道や剣道だけじゃなくて、

 空手もやっているから組手は何の問題もない。」


その言葉に柊の顔が歪んだのがよくわかる。

ものすごくやりたくなさそうだ・・・・



「よし!みんな!そこにある枠の外側に移動しろ!

 今から先生と柊とで、ちょっと組手をやるからな!」


嬉しそうにみんなを外に移動させて、

中央に移動する先生。そしてその先生に言われて渋々と中央に行く柊。



・・・ご愁傷様だな・・・


私の正直な感想だ。

だって、ここで練習とは言え、先生を殴ったりしたら

評価に響くんじゃないかと思ってしまう。


案の定周りのクラスメイト達だって、



「殴ったりしたら評定下げられるんじゃない?」


「だよなぁ~、うわぁ~、俺ならやりたくないわ。」


そんなことをコソコソと話し出していた。

ただ、そんな心配も



「先生を殴っても評定に影響なんかでないし、

 そうだな・・・もし先生から一本取ったら、

 次の評定を最高の5にしてやってもいいぞ。」


そういって、ニッコリと笑う先生。

それを聞いたクラスメイト達は一斉に歓喜の声が沸いてくるのであった。



「先生、じゃあ、俺も参加していいの?」


「私も!!」


嬉しそうに声を上げるクラスメイト達に先生は、



「ああ!先生と柊とが終わったら、次は希望者がいれば相手をしよう!」


笑みを浮かべる先生にクラスメイト達からは、

また一段と大きな歓声が沸くのであった。


みんなが「次は俺が」とか言っているのだけど、

そんな歓喜に沸いた空気とは違う空気を纏っているのが柊であった。


しずかに中央で、呼吸をしながら目を閉じている柊、

はたから見た感じではすごく集中しているのが分かる。



「じゃあ、始めようか。」


柊に声をかける先生、そして声をかけられると

ゆっくりと目をあけて構えをとる柊。



「な、何かかっけいえな~。」


「すごく様になっている。」


さきほどまではダサいとかいわれていたはずなのに

今ではその評価は180度変わっていて、

みんなからカッコいいという声になっていた。


足をしっかりと地面につけて構える柊に対して、

先生の方はと言えば、ぴょんぴょんと軽くその場で飛びながら構えていた。



「何だろう?なんか、空手というよりかはボクシングに似てるかな?」


よくわからない構えをしている先生に対して、

ジッと構えている柊。


私達は固唾を飲んで見守っていた。



「スポーツ空手なんだ・・・。」


私の横でそんなことを口にするのは保田さん。

そう言えば、この子の家って道場だったけ?



「分かるの保田さん?」


「あ、うん。」


私の声に反応してこっちを向いて、返事をしてくれる。



「スポーツ空手って・・・何かすごくなさそうに聞こえるけど・・・。」


「そんなことないよ!

 空手のいいところとボクシングの良い所を取り入れているんだよ。」


「・・・ホントに?」


「うん、今の主流はスポーツ空手だよ。

 K-1とかでみんな先生と同じように飛んでいたりするでしょう?」


「・・・そういえば、そうだね。」


「だから、スポーツって付いているけど、

 甘いものなんかじゃなくて、相当危険だよ。」


保田さんが祈るように両手を自分の前で組んでいた。

その仕草を見ると本当にそのスポーツ空手というものが、

凄いものだということが伝わってきた。


緊迫した空気の中で、先に動き出したのは・・・


柊であった!!


先生の動きを読んでのことなのか、

一瞬で距離を詰める柊に対して、

その動きにワンテンポ遅れて対応する先生。


先生が前に出していた左手でパンチを打つが、

それを掻い潜りながら先生との距離を詰めた柊!


そして、本当に近距離まで入った柊は更に一段早く動き出す!

それに対して先生も動くのだけど、

その流れるような動きにはまにあってはおらず、

気がつけば柊は先生を担いで・・・



投げたのであった!!


地面に叩きつけられる先生!!


先生は呆然としていたかと思うと、



「・・・ふ・・・ははは!これはまいったな!

 見事に一本取られてしまったよ!」


そういって笑う先生。



「すっげぇ!!」


クラスメイト達は最初は何が起きたのかわからなかったのか

静かであったモノの徐々にうねりを上げるように歓声を漏らしだした!



「先生、次は俺も!!」


「私も!!」


そう言って、クラスメイト達の中から数人先生に申し出が起きる。



「よぉ~し、分かった!

 やってやろうじゃないか!

 今の柊とのやり取りで先生に勝てると思ったんだろうけど、

 そうは問屋が卸さないぞ!!」


そう言って、先生は立ち上がって、

申し出てきた生徒達から一人を選んでまた中央へと向かう。



「保田さんもやってみたら?」


そんなことを言ってみたのだけど、



「無理だよ~。今の先生と柊君とのやり取りを見たけど、

 相当2人とも強いから。」


「え?そうなの?」


「うん。2人とも実力者だよ。じゃないとあんな至近距離でも

 冷静に対処なんかできないからね。」


「・・・そうなんだ・・・。」


そんなモノなのかな?っと思っていた矢先に、


ドーン!!


地面に叩きつけられた生徒・・・



「は、は、は!まだまだ甘いぞ!!」


そういって、投げたのは・・・・確か空手初段だったかな?あいつは。

あっというまにいなしていた。


そのためか、そこで誰も手を上げる者はいなくなったのであった・・・。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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