表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
柊君へ  作者: Taさん
第三章
205/254

田澤さん ~7~

女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。

「・・・どうして?・・・何でここに?」


「たまたまだよ。

 ちょっと買い物に聞いていたんだけど、

 ちょっとした騒ぎになっていて、誰も助けに入らないようだったから、

 俺が助けようと思ってここに来たら、田澤さんだったんだよ。」


そこまで柊君が言ったところで、

私はそのまま柊君に抱き着いてしまうのであった。


それまでがあまりに怖かったせいもあり、

今はその恐怖心から逃れられた思いからか、

そんな行動に出てしまうのだが・・・


ゆっくりと私の頭に乗せられた手が私の頭をなでてくれる。

更には逆の手は私をギュッと抱きしめてくれるのであった。


・・・


徐々に落ち着いてくる・・・


優しく包まれていることで私の気持ちは徐々に落ち着いてきた。


そして、落ち着いてくると我に返るのである!



「ご、ごめん!!」


すぐに柊君から飛び離れるのだが、柊君は優しく笑顔で、



「落ち着いたのなら良かった。ところで・・・。」


「・・・なに?」


「さっきの男の子達は・・・投げ飛ばして良かったの?」」


すでに二人の男子はどこかに行っており、

その辺りにはいなくなっていた。

柊君に投げられたことでどうやら2人は逃げ出していたようだ。



「・・・うん。」


「なかなか・・・大変だったね。」


そう言って、また私の頭の上に手を置いて撫でてくれる柊君。

私はそのまま撫でられるがままでいた。


・・・いまは・・・このままがいい・・・


そんな風に思っていると、

私達の傍からいなくなったのを見計らったように、



「いや、大変だったね~。」


そういって、私達の傍に現れたのは

私を見捨てていった先輩であった!



何をしにきたんだ!!


そう思って思わず先輩を睨むのだけど、



「いや、あの場はさ・・・誰かを呼びに行った方がいいかと思ってね・・・。

 とりあえず身軽な俺が助けを呼びに行くのがいいかな?って思ったんだよ。」


色々と言い訳を述べている先輩に対して、



「・・・この人は?」


冷たい声で柊君が私に尋ねてきたので、



「オーケストラ部の先輩。」


そう簡潔に答える。

柊君の冷たい声に私も冷たい感じになってしまう。


だって、当然だよ!!

私を見捨てて、1人逃げた先輩に何を言われようと

言い訳にしか聞こえないし!!


私からの答えを聞いた柊君は、そのまま先輩に視線を向けて、



「・・・色々と考えられたんですね。」


「そう!ほら!だって、2人ともやられるわけにはいかないからね!!

 僕だけでも元気だったら、助けも呼べるしさ!

 さっきも一応警察はいないか探していたんだよ!!」


「・・・で、見つかったんですか?」


「いやぁ~、やっぱりここら辺にはいないようでね。

 気がついたら、こっちが終わったからこっちに戻って来たんだよ。」


「・・・どこかでただ隠れていただけじゃないですか?」


「な!?そ、そんなことは・・・。」


「タイミングよく来たのは、物陰に隠れて様子を見ていたからじゃないですか?」


「そ、そんなこと・・・。」


「誰かが助けてくれるとでも思っていたんじゃないですか?」


「そ、それは・・・。」


そこまで言ったところで、急に柊君は先輩の胸倉を掴んで、



「あんたは男として最低だな。」


怒気を強めて言うのである。

それに怯えたような表情を浮かべる先輩。



「く、苦しい・・・。」


先輩の口から出た言葉は、その言葉だけであり、

そう言う先輩の胸倉を掴んでいる手を放してあげると、



「消えろ!!」


そう言って睨む柊君。

その言葉に何かを言いたそうにしたけど、

そのまま何も言わずに去っていく先輩。


何か私に言って欲しそうにしているのだけど、

自分を見捨てていった相手に何を言えというのだろうか?


それにあれだけ柊君のことを色々と言っていたのに、

その柊君は私を助けてくれて、あなたは私を見捨てた。


これでもまだ柊君の悪口を言うつもりなのだろうか?


私は何も言わずに先輩から目をそらして、

助けてくれた柊君へと目を向けるのであった。



「ありがとう・・・。」


「いいえ、助けられて良かったよ。」


「うん・・・。」


最悪な一日になりそうだったけど、

最後の最後でいい一日になってくれたのであった!!


その後は、柊君と一緒にご飯を食べに行けたし!!


まあ、だけど、2人っきりではなくて、

あの藤本君がいたのがちょっと・・・・


だけど、柊君と一緒に過ごせたのだからい一日にったなぁ~♪



ちなみに、あの日どうして柊君があの辺りにいたのかは、

どうやら藤本君が私と先輩がデートするのを聞きつけていたようで、

偶然を装って、あの辺りに潜伏していたようだ。


1人でいると言い訳も難しいから、柊君を連れていたらしい・・・


良かった、京都に行かずに近場で済ませて・・・

気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ