田澤さん ~7~
女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。
デート当日、私は少し用事があって、その用事が思った以上に早く終わったので、
待ち合わせの場所である駅の近くのコーヒーショップで先輩を待つことにしたのだ。
待ち合わせ時間の5分ほど前になると先輩が急いできて辺りを見回して
ホッとしたような顔を浮かべて私を待ちだした。
レジを終えて、店を出て、待ち合わせ場所につくころには
ちょうど時間ピッタリになったのだが・・・
「おはようございます。」
「ああ、おはよう!いやぁ~、今日が楽しみで、30分も前からここで待っていたよ。」
・・・え?
何を言っているのだろうか、この先輩は?
あなたが来たのは5分前ですよね?
だって、私はそこのコーヒーショップで観ていたんですよ。
ウソをつく先輩にちょっと疑問を持ってしまうが、
今日一日先輩と過ごさないといけないので、
その事には触れずに先輩に、
「で、今日はどこにいくんですか?
結局今日まで目的地を教えてくれませんでしたけど・・・。」
「今日は京都の方へと行こうと思うんだけど。」
「はぁ・・・。」
「何と言ったって、田澤さんの出身地だからね。」
「・・・。」
「良かったら、地元を案内してくれないかな?」
「・・・ちょっと遠慮したいのですが・・。」
自分の好きな人に地元を案内するのはいいけど、
全然興味もない先輩に地元を案内するの何ていやでしかない
ここで、どうやら私が断ってくるとは思っていなかったようで、
困ったような顔をする先輩。
「いや、せっかくだし・・。」
何度も断っているのにそれでもしつこく私の地元の案内を言ってくる先輩。
・・・どうしたものかな・・・
「買い物に行きませんか?服が最近欲しかったので?」
「京都の?」
「いいえ、こっちでです。」
「うぅ~ん・・・俺としては京都にいきたいんだけどなぁ~・・・。」
そう言いながらチラチラと見てくる先輩。
私に何とかして京都に連れていきたいようだけど・・・
「こちらで服を選びますけど、他にないのなら・・・。」
今日のデートをお断りしようとすると、
それをさっした先輩が慌てて、
「わかった、分かったよ!!じゃあ、買い物で!!」
そういって、不貞腐れたような態度をとる先輩、
更には・・・
「せっかく田澤の家族にと思ってお土産も買ってきたのになぁ~。」
そう言って、私にお土産を見せてくるのである!!
っていうか、私の実家に来るつもりだったの!?
思わずその発言と行動に唖然としてしまう。
だって、ただの先輩と後輩の間柄の男性を
実家に連れて行くなんてありえないじゃない?
・・・それにそれを嫌味ったらしくいうなんて・・・
本当にこの先輩嫌な人だ・・・
その嫌味に対して反応することもなく、
駅に入っていき、電車に乗って、
街へとくりだしていった。
私の横を楽しそうに歩く先輩はすぐに、
私の手を握ってくるのであった!?
「ちょ、ちょっとやめてください!」
「いいじゃんか、デートなんだしさ。」
「それは本当に嫌なんで止めてください。」
そう言って先輩の手を何とか振り払うのだけど、
「何でだろう?
田澤だってこうなるって思ってきてるんだろう?」
そういって、ニヤニヤしながらいう先輩に
私は本当に寒気を感じてしまう。
・・・こんな人だったんだ・・・
本当にデートをしに来たことを後悔してしまう。
安直に返事何てするんじゃなかった・・・
最初から後悔交じりであり、
最悪の一日になりそうだと思っていたのだが・・・
それ以上に嫌なことが襲い掛かって来るのであった!
先輩の手を振り払って、ちょっと距離を置きながら歩いている。
時折私の方に話かけてくるのだけど、
「大丈夫?歩くの早くないかな?」
「・・・大丈夫です。」
「車道側は俺が歩くよ。」
「・・・ありがとうございます。」
優しそうなセリフをかけてくれるのだが、
どれもこれも胡散臭いし、俺って出来る男だろうアピールがホントにウザい!
イチイチこちらを向いて、セリフを言わないで欲しい。
ドンドン気分が落ち込んでいく中で、
「あれ?田澤じゃない?」
そういって、私達に対して、男子2人組が声をかけて来たのであった!
・・・誰かは全く思い出せない二人組なのだが、
二人の方は私のことを知っているようで、
「俺達のこと覚えていない?小学校一緒だったじゃん!」
「・・・ご、ごめん。覚えてない・・・かな。」
二人に囲まれている中で、先輩はただただこちらを呆然と見ているだけであった。
私は男の人2人に後ろに壁を背負わされて、
逃げ道を防がれている状況である。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




