田澤さん ~6~
女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。
今の現状で満足しているけど・・・
それでもあと一歩進展したいなぁ~と思っていたの時に、
同じオーケストラ部の男の先輩から、
「田澤さん・・・柊君に利用されているだけじゃないの?」
「・・・え?」
「だって、手料理を渡してるんだろう?」
「ど、どうして知ってるんですか?」
「藤本が言っていたよ・・・。」
ここで私は先日私が柊君にご飯を渡しているときに
たまたま私達の横を通って、普通だったら、
素通りするか、挨拶程度をして去って行くと思うのに
ガンガン食いついてきて困ってしまったことを思い出す。
そっか・・・あの時見られていたよね・・・
私が渡しているところを見られていた。
「・・・誰から聞いたんですか?」
「藤本から聞いたよ。何か、藤本も作ってもらえるんだって
俺達に自慢気に言っていたよ・・・。」
・・・そういえばそんなこともいったな・・・
だけど、それはあの時の場を何とかするために言ったことで、
本気で作ってあげるつもりはないんだけど・・・
そんな意識が一瞬藤本君に移ったが、すぐに目の前のことに戻る。
「田澤さん・・・柊ってやつに利用されてるだけだって!!」
「そんなことないですよ・・・。」
「いいや、絶対にそうだ!!
だって、別に付き合ってるわけじゃないんだろう?」
「え?・・・はい・・・。」
「それに柊ってやつには彼氏がいるんだろう?」
「・・・はい・・・。」
「そんなのおかしいって!!
俺なら・・・
俺なら田澤さんを利用するようなことはない!!」
そう断言する先輩がさらに・・・
「だからさ・・・
俺と付き合ってくれよ!!」
「・・・え?」
「俺は田澤が好きなんだ!
だから、俺と付き合ってくれ!
そして俺にご飯を作ってくれよ!!」
ただただその告白に私は驚いてしまう。
今までそんな風にこの先輩のことを見てきていなかったため、
告白されるまで全く意識をしていなかったのである・・・。
ただ、私は・・・柊君のことが好きであるため・・・
「ご、ごめんなさい。」
お断りの返事をするのである。
それに対して、先輩は・・・
「ど、どうして?俺じゃダメなんだよ!!
柊って絶対に悪い奴だぜ!!
田澤はいい奴だから、きっとそこを付け込まれて
柊ってやつに利用されてるだけなんだって!!」
そう言ってくる田澤さんだったのだが、
正直にいって、最初に私が手作り料理を渡すっと言ったのであって、
柊君から要求されてしたわけではない。
「一度!一度だけで!!
俺とデートしてくれないか!!
それで俺を判断してくれよ!!
それに・・・その一度できっと柊ってやつの洗脳を解いて見せるから!!」
「洗脳なんてされてないですよ!!」
思わず先輩のセリフに反論してしまう。
だって、私は洗脳なんてされてないのだから!
私がそれを望んだのであって、
柊君から言われてやっているわけではない!!
「それは洗脳されている奴が言うセリフだって!!」
どんなに私が違うといっても
まったく聞き入れようとしない先輩。
ただただ時間だけが過ぎていく中で、
「・・・分かりました。
一度だけ、先輩とデートします。
それで私が違うと分かったのなら、
もう私をデートとかに誘わないでください。」
だんだんと言い合っているうちに
柊君をひたすら悪く言ってくる先輩に
正直に言って腹を立てていた。
絶対に柊君はそんなことはないのに!!
そもそも全然知らないくせに悪く何て言わないでよね!!
だから、一度だけデートをして、
私は正気であり、あなたの言っていることは違うと
証明したかったのである。
「ああ!!絶対に!!いいよ!!」
ガッツポーズをする先輩であったが、
その姿を見て私は心の底から落胆してしまう。
だって、先輩の中では洗脳云々ではなくて
私とデートが出来ることに対しての
嬉しさを爆発させているのだから。
自分とデートすることでこんなに喜んでくれて!となるかもしれないけど、
それまでのいきさつのせいで、
今はものすごく冷静に先輩のことが見れるのであった。
正直に言って・・・
こんなに冷たく人を見れることがあったなんてと思ってしまうくらいに・・・
その後は、先輩と日時を決めて、
約束を取り付けて当日を迎えるのだけど・・・
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




