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柊君へ  作者: Taさん
第三章
201/254

田澤さん ~5~

女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。

「・・・すごいねぇ~。」


驚きの表情を浮かべる柊君。

それもそうだな・・・


正直言って作り過ぎた感があるくらい、作ってしまったのだ!


“肉じゃが”


“ほうれん草のお浸し”


“ポテトサラダ”


・・・ジャガイモが被ったけど、それでも男子が好きなレシピの上位に入ったモノを

ピックアップしての結果だったから、気にせずに作ったのだけど・・・



「これ本当に貰っていいの?」


「う、うん。全然これくらい。

 それにテストの回答も作ってくれたんだしさ。」


「まあ、そうだけど。あれも合ってるかわからないよ?」


「ううん、さっきみんなで解いてみたんだけど、

 みんな同じ答えになったから、きっとあってるよ!!」


「だけど、それって俺の解き方を参考にしたんでしょう?

 それだと俺の計算結果にしかならないような気が・・・。」


困ったような顔で笑い柊君であったが、

私達だけではまったく解けなかったので、むしろ感謝する!



「・・・これで間違ったら責任重大じゃない?」


「全然!私達だけだったら、白紙のままだったんだし!

 だから、間違っていても柊君のせいではないからね!

 全然気にしなくていいんだよ!」


「まあ、そう言ってもらえると心がちょっと軽くなるかな。」


苦笑しながら、柊君が返してきたのだが、



「そう言えば俺もちょっとしたもので悪いけど・・・。」


そういって、一度寮に戻って取ってくるものがあるといって

とってきたカバンの中を漁りだす柊君。そして、



「この代わりにってことで。」


そういって、私に渡してくれたのは・・・



「これって・・・。」


「俺の手作りカレーです。

 いつも小分けにして冷凍させてるんだよ。

 だから、これで申し訳ないけど、どうぞ。」


「いいの!?」


「うん、その隣はご飯になっているので、

 それで一食分になっております。」


「あははは、そんなの大丈夫なのに・・・ありがとう!」


「こっちこそありがとう、今日は豪勢な食事が食べられるよ。」


「そんな豪勢なって程の食事じゃないよ・・・。」


お互いの差し入れしたものを受け取りあって、

この日は別れたのだが・・・



「カレーいつ食べようかな・・・。」


柊君の手作りなって予想していなかったもので、

ものすごくうれしい反面、この大切なモノを食べたいけど、

残しておきたいという葛藤に駆られてしまう。


・・・どうしよう・・・


そんな時に、メッセージが届く。



「え?柊君?」


それは柊君からのメッセージであり、



“肉じゃが美味しいよ♪”


すでに柊君は私が作った肉じゃが食べてくれているようで、

早速その返事をしてくれたようだった。



“お口にあったみたいで何よりです♪”


その後も少しだけ料理についての寸評のメッセージのやり取りを出来たのだが、



「・・・やっぱり柊君に食べて感想を伝えよう。」


本当は取っておきたいけど、

それでもこうやってメッセージのやり取りをするきっかけにもなるしっと思って、

柊君のお手製カレーを食べるのであった。


食べた感想は・・・



美味しいな~♪


ちょっとピリ辛のカレーであるが、

ちょうどよく、食欲をそそるカレーである。


早速柊君に



“カレー美味しかったよ”


そうメッセージを送ると、



“お口にあったみたいで何よりです♪”


私が返答した言葉をそのまま返してきたのであった。

思わず笑ってしまうのだが、



“あのカレーにはコーヒー入れてみたんだけど分かった?”



「ええ!?柊君ってカレーにそんなことしてるの!?」


柊君からのメッセージを見て驚いて声を上げてしまった!?

だって、今まで自宅のカレーでそんなことをしている人何て聞いたことがなかったし!!



“ごめん分からなかった。

 っていうか、柊君てそんなに凝る人なの?”


“いいや、今回が初めてだよ!

 だけど・・・そっか・・・

 俺も全然違いが判らなかったんだよね・・・

 違いの分からない男です(笑)”


“じゃあ、私も違いの分からないおんなですよー!”


そういって、返事をするのであった。


どうやら以前にもカレーにチョコレートを入れてみたりしたことがあるらしいのだけど

その時も結局味の違いには全然気づかなかったらしい。


ちなみに柊君の周りにいる友達にも

同じようにカレーをふるまったらしいのだけど、

結局誰も気づく人はおらず・・・


あとでそのことを伝えると、



「俺は思ったよ!」


っと、藤本君が自慢げに言っていたらしい。


・・・本当かな?

みんな疑っていたらしい。

私も当然あの藤本君だと疑わしいかな・・・


手作り料理の差入というか、

まあ、交換になるのだけど、それからも頻度よく行われていた。


渡せることはすっごく嬉しいし、

柊君と色々お話出来るのだけど、

それ以上にあと一歩踏み出すまでには至っていなかった・・・


正直に言って、今の関係を壊すつもりもないけど、

だけど・・・もう一歩進みたいと思っているのも事実である。


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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