田澤さん ~4~
女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。
スタンプのやり取りはそのまましばらく続いて、
テストのことはもちろんのこと、
気がつけば少しばかり脱線していた。
“そういえば柊君ってこっちの人じゃないんだよね?”
“そうだよ。九州出身だよ”
こちらの質問に対して、ちゃんと返事をしてくれる。
“じゃあ一人暮らしで大変じゃないの?”
“大変だけど、それは田澤さんもじゃない?”
そんな返しが返ってきた。
あれ?私話したかな?っと思っていると、
“この間、日暮さんが田澤さんも1人暮らしをしているって言ってたよ。
二人で鍋をしたんだってね。”
ああ、そういうことか!!
日暮さんが柊君と仲がいいのは知っていたけど、
そんなことまで話す中だったとは・・・
“そうだよ。だから、掃除に洗濯にと大変だよね”
“大変!あとはご飯も結構大変だよね!
俺は寮に住んでいるから、調理場も交代でするから
なかなか手のかかる料理は出来なくてね”
なんとそんな返しが来た時に、
思わず私はチャンスだと思ったのは当然だ!!
このチャンスをわざわざ逃がすわけにはいかない!!
どうしようか・・・
いや、返す内容は決まっている。
私の手料理をあげたい!
そこは決まっているのだが、
じゃあ、どんな言い方にすればいいのかと悩んでいるのだ・・・
直接言って大丈夫なのだろうか?
・・・だけど、彼女がいるんだよね柊君は・・・
うぅ~んどうしたら・・・
悶々と悩むけど、悩んでいる間に柊君から次の話題をふられると
この話題が終わってしまうためすぐにでも返事をしないといけない!!
だから私は・・・
“料理の量って調整難しかったりしないか?”
ドキドキしながら柊君の返答待っていると
“難しいよね。一品作って数日そればっかりを食べるよ”
よし!!
“私もなんだ。今も作り過ぎた料理があって毎日食べてるの。
もしよかったら柊君におすそ分けしてもいいかな?”
メッセージを送った後、私は両手でスマホを包んで、
ずっと願っている。
どうか・・・断られませんように!!
その数分後に柊君からのメッセージが届いた。
画面を見ればすぐに柊君からのメッセージが表示されているというのに
それをなかなか見ること出来ないでいる私。
どっちだろう・・・
不安と緊張で胸がいっぱいになり、
心臓は早鐘を打っていた
「見ないとだめ!!見ないとダメ!」
声を出して自分の気持ちを奮い立たせながら、更に、
「大丈夫・・・大丈夫・・・柊君は欲しいって言ってくれる・・・。」
そう言いながら、私は恐る恐る自分のスマホを観ると、
“マジで!?食べる食べる!”
やったーーー!!
これで柊君に手料理が渡せる!!
自分の部屋で思わずガッツポーズをしながら
「やったーーー!」
と大声を出してしまうのであった、
すぐに我に返って、恥ずかしくなってしまう。
そして、すぐに柊君へ
“柊君って好き嫌いはあるの?”
実際は今、すぐに渡せる料理はなくって、
今から作る必要がある。
だったら、柊君の好きなモノを作ろうと思うのだが、
だけど、さっきの言い方だともうすでにあるということになっているので
どんなモノが好きとは聞けずに、
なんとか頭をひねって尋ねた聞き方である。
“香草系が苦手で、ほかは全然なんでも大丈夫です!”
なるほど・・・
柊君は香草系が苦手なんだな・・・
だけど、もう少し好きなモノとかを教えてくれたらいいのに・・・
と思ってしまうけど、これ以上は言えないため
“香草系ではないから、大丈夫だよ!
明日の放課後とかって大丈夫かな?”
“OK”
やった!!
私はすぐに冷蔵庫を確認して、材料を確認して、
すでに夜も遅い時間なのだが、
近所にある24時間のスーパーへと急いで向かった。
いつもだったら、めんどくさいと思うことも
今は全然苦にならず、しかも今の私の中ではむしろ浮れていた。
柊君は何が好きかなぁ~♪
スーパーに行くまでの間もずっとスマホを操作しながら
レシピをずっと見ていたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




