田澤さん ~3~
女子高育ちの控えめ女子 田澤さんのお話です。
「来週、数学はテストするらしいぞ。」
「マジかよ!?」
柊君とその友達と話していたのを
たまたま近くの席に座っていた私は聞くことが出来た。
「一昨年からだろう、この先生の授業は?」
「みたいだね・・・、うちの部活は誰も過去問持ってないんだよね~。」
「うちもそう。こりゃ~困ったね。」
柊君とその友達がいる部活はどうやら過去問を持っていないらしい
うちのオーケストラ部は持っていて、
実際に私は中間テストの過去問を二年分持っていた。
どうしよう・・・
今まで柊君とまともに話したことがないのに
急に私が話しかけると驚くよね~・・・
だけど・・・
ここで私が渡さなければ、きっと柊君は藤本君に借りてしまう。
だって、藤本君も私と一緒で過去問を持っているんだもん!!
どうしよう!!
そんな時に、私の友達であった日暮さんが私に、
「田澤さん、この授業の過去問持っていたよね?」
「う、うん・・・。」
確認した日暮さんは、
「柊君・・・だ、そうだけどどうする?」
「どうするって・・・。
当然・・・借りるにきまってるんじゃん!!
田澤さん!コピー取らせてもらっていい?」
そう言って、手を合わせて私に頼んでくるので、
慌てて私は、
「全然問題ないよ。」
そう言って、過去問を一緒にコピー室へと一緒に行くのであった。
コピーを取りながら、柊君が、
「いやぁ~、助かったよ。」
「う、うん、だけど・・・回答がないよ。」
「ああ、それはこれから解けばいいだけだから
全然問題ないし。あと一週間あれば全然余裕だよ。」
「そうなの!?結構難しい問題だよ?」
「そう?これなんか、この間の授業で聞いた内容じゃん。」
そう言って教えてくれるのだが・・・
「・・・分からない・・かな?」
「ご、ごめんね。あたまが良くないからさ。」
「そんなことはないだろうに・・・。
なら、後で食堂ででも一緒に解かない?」
「え?」
「いや、今日ってオーケストラ部休みだよね?」
「う、うん。よく知ってるね。」
「ああ、藤本君が今日は・・・まあ、どこかに行くって言ってたからね。」
苦笑しているのだが、きっとロクでもないところに行くつもりだから
きっと隠しているんだろうな~。
藤本君のいつもの言動を思い出して思わず苦笑してします。
「それでどう?何か用事でもある?」
「う、うん、実は今日はヴァイオリンの弦を買いに行く約束が・・・。」
「そっか、それは仕方がないね。」
ああ・・・どうして断っちゃうのよ!!
向こうに連絡を入れて断れば・・・だけど、向こうの方が先だし、
同じ部活なのだから、今後のこともあるし・・・。
色んな事が頭の中を過っていると柊君が、
「それじゃあ、俺が解いた回答を後で送ろうか?」
「・・・え?」
送る?って・・・
どういうことだろうと思っていると、
「回答を後で写メで送ろうか?
まあ、あっているかは・・・・ノーコメントだけど。」
・・・
えええ!?
もしかしてそうなると・・・
「どうかな?」
「う、うん!お願いします!」
そう言うと私の予想通りで、柊君はスマホを取り出して、
「じゃあ、連絡先を交換しようか?」
予想通りの返答に私の心は踊ってしまう!
だって、こんなことで柊君の連絡先を知ることが出来るなんて!!
すぐに私は柊君と連絡先を交換して、
その日は後ろ髪を引かれる思いをしながら、
私はヴァイオリンの弦を買いに行ったのであった。
だけど、この日はこれだけでは終わらずに、
“こんばんは!柊です!”
何とその日の晩に柊君からメッセージが届いたのであった。
そして、いくつかの写メが合わせて送られてきていて、
すでに過去問2年分がすべて解かれていたのであった。
「す、すごいなぁ~・・・。」
その写メを見るだけで驚嘆してしまう。
一応、すでに日暮さんと私は過去問について
チャレンジをしたにもかかわらず全然解ききれなかったのであった。
それを数時間後にはすべて解いてしまっているとは・・・
とりあえず柊君にお礼を伝える。
“わざわざありがとう”
そう送っるとすぐに柊君からスタンプが届くのだが、
“家々気になさらず! By柊”
そのスタンプを見た時に思わず笑ってしまうのであった。
柊君の名前が入ったスタンプが届くとは予想外で、
しかも意外とコミカルな動きをするスタンプだし!!
もっとまじめな感じかと思ったら、
結構茶目っ気ありなんだぁ~。
思わずそのスタンプを見てほっこりするのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




