前田さん ~4~
女子高育ちの前田さんのお話です。
「ほんでな!みんな、言わへんねん!!」
今日は柊君と一緒に大学の近くにあるお好み焼き屋に来ている。
「・・・いわんわ。普通に。」
「何でよ!!絶対にみんな思ってんで!」
「いや、思ってるだろうけどさ・・・。
ちなみに男子も下ネタ言うけど、前田さん程重くはないよ。」
「・・・え?」
「自覚はないだろうけど、まあまあ、言わないからね。」
「・・・けど、柊君は普通に返してくれるやん!」
「そうだね~、まあ、育った環境が悪かったからじゃない。」
「ちょっとまって!それやとうちの環境も悪いみたいに聞こえるで!?」
「・・・。」
「ちょ!なんかゆってや!せやないと環境が悪いみたいやんか!!」
そう言いながら、私は思わず柊君の肩を掴んで、
前後にゆする!
「ちょ、ちょっと!たんま!戻す!お好み焼きが戻ってしまう!!」
「じゃあ、ちゃんと否定してや!!」
「ああ、ごめん、ごめん。育ちがいいです。
前田さんは育ちがいいです!」
「せやろ!」
柊君が言ってくれた言葉と同時に手を放して、
えへん!とする。
「・・・それで納得するならいいっす。」
「・・・その言い方だと・・・。」
そう言いながらグイっと距離を一段詰めると、
クスクスと笑う柊君に、
・・・私も思わず笑ってしまう。
それはちょっと前のことであるが、
大学の授業を終えて、柊君と今日は夕飯を食べに行く約束をしていたので、
一緒に歩いている時だった。
「よぉ!柊!」
そう言って、柊君の知り合いが声をかけて来たのだが、
私は思わず一歩距離をその男性から距離を取ってしまう。
女友達からビックリされるのだが、
実はうちは・・・
男性が苦手なのである!!
じゃあ、なんで柊君は大丈夫なの?
と思うのだが、なぜか柊君にはそんなドキドキ感は湧いてこなし、
むしろ柊君といると自然体でいれるから
むしろいつもいたいねんけどなぁ~・・・
彼女さんもいるし・・・
学校内ではみんなの視線が気になるねんから、
一応女子同士で集まって動いてる・・・
だけど、その女子のことで今日は話を聞いてもらいたくて
柊君と夕飯を食べているのだ。
「男性ってそんなに苦手?」
「うん・・・いまいち、どう接していいかわからへんねん。」
「・・・俺は?」
「・・・中性?」
「そんな性はない!・・・まあ、俺のことは置いといて、
別段無理なら無理でいいかもしれないけどさ、
徐々に慣れていったらいいんじゃない。」
「まあ、ね。とりあえずは・・・部活の男子で慣れていくわ。」
「手短だしね。」
「それに、何かギラギラしてへんから
まだだいぶましな男子達やから。」
「ギラギラって・・・。」
苦笑している柊君だが、
「いやしてるやろ!!さっきの柊君の友達やって、
うちのここらへん舐め回すようにみてたやん!」
「そんなに見てたか?」
「ってか、女子は見られていることに気づいてんねんで!」
「・・・マジ?」
「ホンマやって!柊君がたまにうちの胸見ることも気づいてんねんけど、
言わへんだけやで!」
「・・・。」
押し黙る柊君に、
「スケベ・・・。」
「・・・反論もできません。」
「まあ、仕方ないんわ分かんねんけどな。
うちもさすがにEカップやと目立つのは自覚してんねん。」
「そこまで大きいと確かに・・・本能的に見てしまう・・・。」
「まあ、しゃあないねんやろうけどさ。
さっきの柊君の友達もめっちゃ見てきて、ちょっと嫌な気分やってん!」
「・・・それは男の立場として謝ります。
申し訳ございませんでした。」
「うむ!しゃあなしで許してあげるわ。
まあ、せやけど逆もあんねんで!」
「逆?」
「男性の下半身をチラリとチェックしてんねんで。」
「・・・マジっすか?」
「ホンマやで!高校時代はさ、毎朝電車やバスで通学する子らがいてさ、
『今日一段ともっこりした男をみてさぁ~。』
みたいな会話を朝からみんなで報告しててん!」
「・・・なるほどね。男子とは逆だね。
確かに男子もしてたわ高校時代。
通学中にどんな女性がいたとか、下着を見たとかの話で
めちゃめちゃ盛り上がっていたよ。」
「せやろ!絶対にそんな話するやんな!!」
「する!」
「せやけどさ・・・今のうちのいるグループの女子達はせいへんのよ!!」
「・・・。」
「もう!うちがそんな話をフルと完全に引いてしまうねんけど!!
何か、中学・高校と朝からしていた話をできへんとなると
フラストレーションがたまんねんけどなぁ~。」
「品がある方が男子受けはいいと思うよ。」
「え?別に男子受けとか要らへんし。
ってか、そこで猫被らなあかへんの?
せやったら要らへんわ彼氏なんか。」
「・・・せっかく美人なのにね。」
「知ってるし!」
「そこは謙遜するべきやろ。」
「だって、いい加減、大学に入って男性からあれだけ言い寄られてら
いやでも自分が美人な分類やねんなぁ~ってことに気づくわ!」
すでにうちが大学に入って、週に一度は誰かしらに告白されている・・・
まあ、すべて断ってんねんけどな。
っていうか、付き合うってどんなんなんやろうな?
好きって気持ちがいまいちわからへんし・・・
一緒にいたい思う男子って言ったら、
柊君くらいやしね~。
それも恋心というか、明らかに今までの自分をさらけ出しても
平然と受け止めてくれるからやしねぇ~・・・
「うちは・・・しばらく彼氏はいらへんわ。」
「さいですか。」
「せやから、うちの相手をしっかりしてや!
週一はご飯一緒に食べてくれへんとフラストレーションが
たまりまくりやし!!」
「・・・。」
「返事は!?」
「・・・了解っス。」
気楽な人生が一番や!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




