御船さん ~10~
真面目だけど苦難が起こる御船さんのお話です!
父親が亡くなったことでの学業への影響も柊君のおかげでなくなって、
勉強に真剣に打ち込めるようになっていた。
なっていたのだけど・・・
それでも私に悩みが降ってわいていた。
それは四回生になったことで、さすがに柊君とは別の研究室を選んだのである。
研究室はやっぱりやりたいことを選択した。
ただ、そこで若干のずれが発生していた。
分野としてはやりたい分野ではあったのだけど、
その細かい点がやりたいことと違っていたのである。
大枠が合っているのであれば、いいのではないか?
そう思う自分もいるのだけど、それでもその本当に自分のやりたいことを
選択した方がいいのではないか?
と自問自答を繰り返していたのである。
じゃあ、その本当に自分のやりたいことをしたらというと
うちの大学にはなく、他大学への進学が必要になる。
授業料免除はもちろん、奨学金とバイトのおかげで、
大学院にも行けるようになっていた私。
だから、大学院にもいこうと思っていた。
私が就きたい仕事をするためには大学院に行くことは必須だし、
大学院に行くことは変わらない。
柊君が一度就職して、一年遅れで戻てくると聞いた時には驚いて、
大学院に行かなくても・・・と一瞬考えたが、そんな考えもすぐになくなった。
こればっかりは自分で選ぶべきことだと思ったし。
それに一年後には柊君にまた会えるんだしね。
そんな風に考えていたのだが、
このズレが発生して悶々と悩んでしまっていたのであった。
私が悩んでいると・・・
どうしていつも彼が助けてくれるのだろうか・・・
それは唐突に来るのである!
図書館で調べ物をしている時に、ふと外を見ていた。
外を見ているとこれからについて悩んでしまって、
物思いにすぐにふけってしまうのである。
そんな時だった、
「何をそんなに真剣にそとの景色を見てるんだよ。」
そう言いながら私の頭の上に本を乗せていく人がいる・・・
こんないたずらをするのは彼しかいなかった・・・
「ちょっとどけてくれへん?」
そういって、柊君の声が聞こえてきた方へとグゥパンチをすると
見事に柊君に当たる!!
「・・・なぜ殴る?」
「・・・とりあえず?」
「とりあえず!?とりあえずで殴るって!?そんな凶暴な!?
どんだけ周りの人が迷惑することになるか!?」
「大丈夫!人をみてやるからさ!」
「え!?それだと俺は見た結果、殴っていいと?」
「光栄に思ってや!」
「そんな光栄は謹んでお断りさせてもらうよ。」
「いや、照れんでもいいんやで。」
「全然照れてないからね!まったくこれっぽっちも!微塵も照れてないから!」
そう言いながら私の頭に載せていた本をのけてくれる柊君。
そして、柊君の方へと視線だけ向けていたのを
体ごと向けて柊君と向き合う。
「で、何をそんなに悩んでんの?」
「・・・進路のことを少々・・・。」
「そうなの?」
「柊君は・・・どうして就職しようと思ったん?」
「俺・・・っていうか、ちょっと図書館から出る?」
「あ、うん。」
そう言えば今は図書館に来ていたのだ!
私達が少し喋るだけでも図書館に響き渡っていたことに気づいて
荷物をまとめてすぐに柊君と共に図書館を出た。
「はいよ。」
「ありがとう。」
柊君から渡された紙コップを受け取り、中に入っている紅茶を飲みながら、
図書館近くにあったベンチに柊君と座る。
「で、俺がどうして就職を選択したかってこと?」
「うん・・だって、成績はいいじゃん、
だから私はてっきり進学するモノだと思ってたんよ。」
「みんなからそう言われるね。
だけど、実家が金を出してくれないし、バイトとかでやり繰りするのはここまでで
とっととお金を稼ぎたいと思ったんだよ。」
「・・・勉強は?」
「出来ればしたいけど・・・それも企業に入ってからも
できるだろうと思ってね。」
「・・・そっか・・・。」
「で、何を悩んでるの?今の研究室って希望していたところじゃないの?」
「希望はしてたんだけどね・・・。
だけど、思ってたのとちょっと違ってたんだよね・・・。
たぶん大枠は希望通りで、本当にしたい細かい部分が違うって感じかな。」
「・・・で、何を悩むの?やっぱりその細部まで一緒がいいってことだよね?
それですでに目星をつけてると?」
「・・・そうなんだけど・・・。
いままのまま研究室に残っても大枠は一緒だから、やりたいことの一部ではあるんだよ。
だけど、そっちがあるんならと思うとね・・・。
それに大学院はそっちに行ったとしても、研究テーマ等を見て思ってるだけだから
本当にそうなのかの確証が得られなくってね。
大学院をわざわざそっちにしたにも関わらず、違っていたらどうしようかと思って・・・。」
「そう言うことか・・・。ちなみにどこの大学院?」
「え?大学院は都大学の・・・。」
「すぐそこじゃん!?隣の県じゃん!」
「う、うん・・・。」
「じゃあ・・・行こうか!」
「え!?」
「どこの研究室?」
「ええっと・・・。」
私がどこの研究室かを伝えるとネットですぐに調べて、
そのまま電話を掛けるのであった!!
私はその光景にあっけに取られていると、
「今週の土曜日昼からはいい?」
電話を抑えながら私に尋ねてくるので、
「う、うん。」
返事をするとまたスマホを耳に当てて相手と話し出す。
そして電話を切ってこちらを向くと・・・
「じゃあ、今週土曜日に見学に行こうか。」
「・・・はぁ!?」
「じゃあ、宜しく!詳細はまたメッセージをするね。」
「え!?いや!?え!?」
驚き目をぱちくりしている私を尻目に柊君は
そのまままた図書館に戻って行くのであった・・・・
私はその光景をただただベンチから眺めることしかできなかったのだ・・・。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




