御船さん ~8~
真面目だけど苦難が起こる御船さんのお話です!
「お悔やみ申し上げます。」
友達が喪服で私の前に来て挨拶を交わしていく。
今日は私の父のお葬式である。
私の父はずっと前から体調を崩していたのだが、
そのまま帰らぬ人になってしまったのだ・・・
中学・高校の同級生達の姿もお葬式の会場にチラホラと見受けられるし、
柊君や大学の同級生の姿も会場で見られていた。
結局お葬式の最中に話すようなことは出来ず、
学校に行ってから話すのであった。
その学校について母からあることを告げられていた。
それは私も父が亡くなったことで懸念していたことである。
“大学の費用”
これが重しになってしまうことを告げられていた。
辞めるべきなのか・・・
下には妹もいる。
彼女達にしっかりとした勉強してもらいたい気持ちもある。
・・・どうするべきなんだろうか・・・
お葬式を終えて久しぶりに学校へといく。
ただ頭の中では色々と考えていた。
辞めるのなら早い方がいい。
そして少しでも早く就職して、お金を家に入れる方がいいだろう。
だけど、今の勉強も面白いし、更には将来仕事に就くのなら
大学を卒業をした方がいいと思う・・・
授業には出るものの全然身が入らない。
それに気づいたのだろう、授業を終えると、
「御船さん、ちょっとお茶でもしない?」
柊君が私に声をかけてきたのであった。
「・・・いいよ。」
柊君はきっと私の異変に気づいているんだろうな・・・
普段だったら、割とすぐに帰る柊君が私に声をかけてくれて、
しかもお茶に誘うんだから・・・
「ここのコーヒーは美味しいんだけど、
出てくるまでに時間がかかるんだよね。」
そう言いながら、注文している柊君。
学校のすぐ傍にある喫茶店に連れてきてくれた。
ここなら学校の生徒がほとんど来ないと思ったんだろうな・・・
それにさっきの言葉は店員さんもすぐには来ないからってことを言いたいのかな・・・
ゆっくりと出せれていた水を飲みながら、
きっと私が話してくれているのを待っているのだろう。
笑顔でとりとめのない話をしてくれる。
いつもはこんなに饒舌にしかも、
こちらが相槌を打つ程度の内容の話なんてしないくせに!!
だけど、その気遣いが正直言って私は嬉しかった・・・
「柊君・・・。」
「うん?」
何事もないように小首を傾げる柊君。
どこまで続く柊君の優しさに私は・・・本音がこぼれだすのであった。
「私・・・大学辞めるかもしれない・・・。」
「そっか・・・。」
その後沈黙が続くのだが、
「やっぱりお父さんのことで?」
「そう・・・お金がかかるから・・・。」
「そっか・・・だけど、それなら何とかなると思うよ。」
「・・・え?」
「俺は学費払ってないからね。」
「え?どういうこと?」
「学費免除の制度があるんだよ。
たぶん今回のことで、御船さんも申請できるんじゃないかな?」
「・・・本当に?」
「たぶん、相談しに行こうか。」
「だ、だけど・・・そのほかのお金についても・・・」
「そっちは奨学金でなんとかなるんじゃないかな?
御船さんしっかりと勉強していたから、奨学金はもらえると思うよ。」
「だけど、借金になるんでしょう?」
「そうだけど・・・。いや、違うな。返還義務なしの奨学金もあるはずだよ。」
「え?本当に?」
「あるよ。色々と制約があるから大変だけどね。
毎月面談をしたりとか、期毎に奨学金を出している企業に説明しに行くタイプとか
色々あるからね。だから、そう言った面もカバーできると思うよ。」
「・・・そんなのってあるの?」
「あるよ!実際に受けている奴も知ってるしね。」
「柊君は受けてるの?」
「俺?日本育英会の奨学金は貰ってるけど、他の奨学金はもらってないよ。
そもそも授業料がタダになっているから、一つもらえていれば十分だし。
後はバイトでどうにかなるよ。」
「そっかバイトもあるね・・・。」
「御船さんはバイトしてなかったんだけ?」
「うん・・・。」
「なら、バイトも紹介するよ。じゃあ、全は急げだ!今から相談しに行こう!」
そういって、立ち上がる柊君。
「え!?今から!?」
「そうだよ。すぐに行動に移さないと!
日が立つと腰が一段と重くなってしまうからね。
思い立ったが吉日っていうじゃん!」
「そ、そうだけど・・・。まだコーヒーも出てきてないけど・・・。」
「大丈夫!マスター作ってもないしね!」
そういって、苦笑しながらマスターの方を指さすと
マスターも笑いながら『大丈夫だよ』と言ってくれるのであった。
私達はすぐに喫茶店を出て、
柊君に案内されるままに学校内の事務職員がいる処へと向かう。
着くとすぐに柊君は近くにいた事務員さんに話かける。
「お疲れさまです、青木さん!」
「・・・お疲れ。」
その人はすごく不愛想だと学生の中で言われている
ちょっと怖目な事務員さんであった!!
何も話しかけるのにその人を選ばなくても!?
そう心の中で柊君にツッコミを入れるのだが、
そんな私のツッコミは柊君にはまるで届いていない!
というか・・・
「相談があってきたんですけどね。」
「・・・こんなギリギリに来ないでよね、柊。」
「ギリギリだから慌てて来たんですよ。」
ニッコリと微笑む柊君。
っていうか、この2人知り合いなのだろうか?
お互い名前を知っているみたいだし・・・。
「はぁ~・・・なに?」
明らかに不機嫌に思えるのだが、それでも聞いてくる事務員さん。
その不機嫌な感じを気にもしないように相談をする柊君。
私は不安になりながらも2人のやり取りを聞いていたのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




