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柊君へ  作者: Taさん
第三章
178/254

御船さん ~3~

真面目だけど苦難が起こる御船さんのお話です!

柊君に恋をしたからと言って、私が柊君に告白することはなかった。


だって・・・柊君には彼女がいるのだから、

私が告白しても柊君の横にはいれないのは明白だから・・・。


・・・悲しいけどね・・・。


だけど、それでもやっぱり少しでも傍にいたい!


だから、授業が始まる前も高校に比べてずいぶん早く来て、

教室に入ったりしていた。


柊君は意外と早め早めに行動するタイプのようで、

友達と一緒にいたとしても先に教室についていて、

前回の復習をしたり、予習をしたりしていたのだ!


そんな柊君だから話すチャンスがあるのだ!



「なあなあ、柊君、ここってわかる?」


「うん?」


そういって、柊君に分からないところを質問していく。

さらには授業が終わった後も



「ここが分からへんかったんやけど・・・。」


そう言って、柊君に聞きに行くと、

嫌な顔を一つもせずに私の質問に答えてくれる。



「ああ、これって難しいよね。これはね・・・。」


そういって私が分かるまで懇切丁寧に教えてくれるのであった。


柊君は見た目からは想像できないくらいに賢い。


何かもっと遊んでそうなイメージがあったのに

全然遊んでいないというか、めっちゃ勉強していた。


同じ部活に柊君と同じ寮に住んでいる男の子がいるのだけど、

その子曰く、



「柊は必ずその日のうちに復習を家でしている。」


それがどんなに疲れていても、どんなに夜遅くなってもしているらしい・・・


本当にすごいな・・・


そんな柊君に・・・ちょっと・・・というか、

かなり邪な理由で勉強を教えて貰っていたので、

私の成績は相当良かった。


まずは一回生では、目一杯授業を取っていたにもかかわらず

ほとんどが優を取っていた!!


・・・良や可もあるけど、それは・・・柊君とは別の授業である・・・


私のやる気も柊君がいるいないでこんなに変わるとは・・・


我ながら呆れてしまうなぁ~・・・



それは二回生になってもかわらなくって、

というか、一回生の後期からは、基本的には柊君が選択する授業を

聞いてから、私も同じ授業を取るようになっていた・・・


・・・我ながら・・・本当にどうかと思うけど、

私は彼女じゃないから一緒にいるためにはそれくらいしかできないし・・・


柊君からは、



「御船さんって俺と同じ授業でいつも会うね~。」


と柊君から苦笑されていたが、



「同じ学部やからね・・・、やっぱり同じような思考になるんちゃうんかな?」


「そりゃそうだね~。」


そういってごまかしていた。


このまま研究室まで一緒にしたら・・・どうなるんだろうか・・・

そこでも、



「また一緒かい!!」


って、柊君ならツッコミを入れてくれそうだな・・・。

そんなことを考えながら私は笑うのであった。


自分の思いは、単純だ。

私は柊君のことが好きだ。

だけど、柊君には彼女がいる・・・


だから彼には告白できないけど、それでも私は彼の傍にいることを選んでいる・・・


報われない恋をしているかもしれないし、

急にチャンスが来て、報われるかもしれない。


その時に私が柊君の一番傍にいたいから、

私はこの道を選んでいるのだ・・・


それに傍にいると色んな幸運も来る!!



それはあるテレビ番組を観たという柊君が、

学校に来て開口一番に私に尋ねてきたのだ!!



「そばめしって御船さんの地元の発祥なの!?」


教室に入るや否や、真っ直ぐに私が座っている席に来たかと思ったら、

いきなり冒頭のセリフを私に投げかけて来たのである!!



「そうやでぇ~。」


「じゃあ、発祥の店も知ってるの!?」


・・・近いです・・・顔が思った以上に近いです・・・


ドキドキしている私の心臓の音が聞こえるんじゃないかと思うくらいに

柊君は私との距離を詰めていた・・・



「し、知ってるけど、それは昨日の番組を観たんでしょう?」


「観たよ!」


「じゃあ、どの店かわかるんじゃない?」


「けど、何か発祥って言う店が三軒もあって、どれかが分からないんだよね~。」


そういえばそうだったな・・・


どの店もうちが発祥だと言い張っていた・・・


・・・関西人の逞しい商魂を感じてしまう。


たぶん、発祥の店に対して、負けてられないとか、

発祥といった方が儲かると思って、そこは一歩も引かなかったんだろうな・・・


それで番組では仕方なく三軒とも発祥と・・・


地元ではどこの店が発祥かは分かっているけど、

それを認めるわけにはいかないもんね・・・



「あそこの店が発祥だよ。」


そういって、柊君からスマホを借りて調べてあげる。

そして表示された店を柊君に見せるのだが・・・



「・・・何か入りづらそうな店構えだね・・・。」


「基本は地元の人がいく店だからね。

 行きにくいなら、一緒に行ってあげようか?もちろん柊君のおごりでだけどね。」


いつも交わす軽口の上段のつもりであったのだが、

この時柊君からの返答はいつもと違う返答であった!



「いいよ、それくらい。

 じゃあ、御船さんの暇な時っていつ?」


「・・・え?」


「御船さんってオーケストラ部だから・・・今度の日曜日は・・・

 そういや藤本が、再来週のコンサートの音合わせをするから

 大変だって言っていたから難しいか・・・。」


「そ、そうだね・・・。」


「じゃあ、コンサートが終わった次の週の日曜日なんてどう?」


「・・・う、うん・・・いいけど・・・。」


「じゃあ、その日にお願い。ちゃんと予約したから、当日キャンセルとかは止めてよな。」


そう言って私のスマホのカレンダーに柊君の指定した日にちに

予約を入れるのを確認してから、柊君は自分の席に戻っていった・・・。


正直に言って、今起きた出来事が何事であったのかを理解するのに

ものすごい時間を要していた!


だって、いきなり過ぎだもん!!


っていうか、これってデートって言ってもいいんじゃないか!?


いや、たぶん柊君の中では友達と一緒にご飯を食べに行くっていうだけなのかもしれないけど・・・


私からすればデート以外のなにものでもない!


一気に自分の中に熱い熱が込み上げてくる!


どうしよう服装!!


っていうか、柊君とデートって!!


正直に言って、この日の授業では全く身が入らなかった・・・

授業の後の部活でも身が入らずに何度ミスをしてしまう・・・


後輩たちからは、



「大丈夫ですか、御船先輩?」


そんな心配をされてしまうくらいである・・・


いやだけど、こんなにドキドキして、全然集中できないなんて!!


結局このドキドキは幾ばくかは治まったけど、

それでもデートが終わるまで・・・いや、終わった後でやっと収まるのであった・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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