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柊君へ  作者: Taさん
第三章
177/254

御船さん ~2~

真面目だけど苦難が起こる御船さんのお話です!

「御船ちゃん!!」


私の姿を見て、嬉しそうに前田ちゃんが

実験室に入ってきてすぐに私に声をかけてきた!


そのまま私の傍にまで駆け寄ってきて、

空いていた私達が座っているテーブルの席に座る。


私と前田ちゃんはすでにオーケストラ部に入部をしており、

顔合わせも済んでいるため、割と気心がしれた仲になっていた。

特に同じ楽器を扱っているためでもある。


すぐに私は柊君には前田ちゃんを、前田ちゃんには柊君を紹介して

3人でまた話をして盛り上がったのであった。


それから先生が来てからは静かにしていたのだが、

今日から行う実験の説明をし始めていき、やり方を説明して最後に先生から、



「各個人でガスバーナーを使って作業してください。

 火なので危険なので注意してくださいね。」


それだけを言われて先生が立ち去って行くのである。


・・・っていうか、ガスバーナーなんか使ったことなんて

小学校?中学校?時代じゃなかったかな?っていうレベルであり、

間違いなく数年使っていないのだから、そんな簡単に使えるわけがない!!


ものすごい不安になるのだが、実験を進めるにはガスバーナーを使うしかない!


だけど・・・使わなきゃいけないけどさ・・・


不安を抱えているけど覚悟を決めて、

ガスバーナーが設置されている場所へと行って、

操作をするのだが・・・


たしか火をつけて・・・


次にここの部分を回すんだったかな・・・


恐る恐る作業をしていたのだが、

その私の手を急に止めるように横から手が差し出されたのである!!


あ、指が長くてキレイ・・・・


その手に対しての第一印象はそれであった!!


手が飛び出してきたことに驚くよりも

指がとてもきれいであったことに見惚れてしまうのである!


見惚れてしまっているせいなのか、全然私の手を掴んでいることに不快感を示すこともなく、

ただただ、私の手の上にのせられた手に見惚れてしまうのであった・・・



「御船さん、操作が違うよ。」


横から声は聞こえてくるのだけど、

私は手の上にのせられた手に見入っていた・・・



「御船さん?」


「・・・あ!?」


二度目の呼びかけで、やっと私は気に戻る!

慌てて声をかけてきた方へ、というか、この手が差し出された方へと視線を向けると

そこには柊君がいたのであった!



「柊君・・・。」


ああ・・・このキレイな指って柊君だったんだ・・・


あとで冷静に考えるとこの状態でも私は、

正気に戻っていなかったんだなと思う。


だって、普通は手を重ねられているじょうたいであれば、

そこで恥ずかしくなるとかあるはずなのに

それよりもその手に・・・その指に見惚れていたのであった・・・



「・・・大丈夫?とりあえず、ガスバーナーの使い方なんだけど・・・。」


そう言って操作方法を教えてくれる柊君。


っていうか、そのキレイな指に見惚れてしまっていて、

曖昧な返事しかできなかった私に対して柊君は苦笑しながら、



「とりあえず・・・火をつけるね。」


そう言って、私の代わりにガスバーナーをつけてくれたのであった!


・・・優しいんだな・・・


そう思いながら、私の視線は柊君の指に釘付けになっていた。


私の好きで、憧れている指がそこにあるのだ・・・


あの爪なら絶対にネイルも栄えるんじゃないだろうか・・・


私の指とは全然違う指がそこにある!


私は完全に心を捕らわれていたため指を見続けてしまう。


ガスバーナーを回して、火を付けている作業をしているその指は

とてもとてもきれいで、どれだけ見続けても飽きることはなく、

ずっと見ていられるな・・・


そんなことを思っていると、やっぱり私の視線に柊君が気づいたようで、



「・・・そんなに食い入るように指を見られたのは初めてかな・・・。」


苦笑しながら私に言ってきたのである。

だけど、それでも私は指から視線を外すこともなく、



「・・・いやぁ~・・・だって、めっちゃキレイやんか・・・。

 今までこんなに綺麗な指なんて雑誌とかでしか見たことないよ。

 それがこんな目の前にあって、しかも動いてるんだもん!!」


「そんな褒められ方は、全然男としては嬉しくないけどね・・・。」


「そんなことないよー!男の人がその指って言うのはすごい魅力的やで!!

 代えてもらえるのなら、私の指と代えて欲しいくらいよ!!」


思わず本音が漏れてしまう!


だって、あの指が私なら・・・というか、女性なら絶対に羨ましいはず!


指自体も細くって、更には爪も女爪になっており真っ直ぐすらりとしている。


しかもどの指もすべてがすらりと真っ直ぐなのである!


たまに間接部分が少し出ていて節ばっている感があるけど、

柊君の指は全然そんなことがなくって、本当に真っ直ぐなのである!!


絶対に女性なら憧れるって!!


力説する私に苦笑している柊君に私は思わず、



「その指・・・スマホで撮らせてや!」


その私の言葉に更に苦笑しながら、『実験後にね』と言ってくれる柊君。


結局本当に実験後に撮らせてもらったのだけど、

その写真は今でも私のスマホの中に保存されている・・・。


最初は柊君の人柄の良さで惹きつけられて、

更には柊君がやってくれたガスバーナーで男らしいところを見てグッときた・・・


決して指だけに見惚れていたというわけではないよ!!


だけど・・・最後の止めに柊君の指という決めて・・・

3つの出来事で私は柊君に恋をするのであった。


決めてというか、指で柊君を好きなるって・・・


・・・我ながら、情けない理由だな~・・・


気づいた点は追加・修正していきます。

拙い文章で申し訳ないです。

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