早川さん ~11~
美人看護師早川さんのお話です。
そして、イケメン君達は、私達がここにいるのを見つけると
こちらにぞろぞろと近づいてくる。
「大丈夫?」
心配そうな目で私を見るのだが・・・ハッキリといって嫌悪感しかない!!
だって、こうなった要因の一つはあなたなんだから!
「・・・大丈夫よ。」
「そっか・・・、俺が出来ることは何かあるか?その手じゃ何かと不自由するだろう?」
「大丈夫よ。それに学校が違うんだから、何も出来ないよ。」
「・・・俺、早川のためなら学校休んでもいいからな。」
そう言って、私を見つめてくるのだが、
そもそものこうなる原因を作ったのはあなたなんですけど?
それをなかったように、ドヤ顔で言ってくるあなたの神経が
私は信じられないんだけどね・・・
「・・・柊、お前、早川に謝ったのかよ?」
「・・・は?」
思わず私が驚いた声を上げてしまう!
何でここで柊君の名前が出てきたのよ?
私の声に驚いたような顔をするイケメン君だったが、
「こいつのせいで、早川が怪我したんじゃないか。」
・・・何でそんな結論になってるんだろうか?
そもそもあなたが絡んでこなければ、こんなことにはならなかったし、
私の行動を止めようとして転ばせてしまったのは、あなたの友達だけど?
私は彼の言葉に呆然としてしまう・・・
「女性に怪我を負わせるなんて最低なことしやがってよ!」
そういって、また柊君に詰め寄っていくイケメン君。
「・・・僕にもすぐに先輩を対処しなかったっていう失点はありますけど、
そもそも先輩がこんな風に絡んでこなければ起こりえなかったことですけど?」
「お前、生意気なんだよ!!」
そういって、また柊君に突っかかっていき、
今度は柊君の胸倉をつかんだかと思うと、殴りかかってたのである!!
「きゃぁ!!!」
私が思わず叫んでしまう!
殴られる!!
「いてぇ!!」
そこでびっくりしたのが、殴りかかろうとしたイケメン君に対して、
逆にいきなり殴ったのである!!
というか、どうして殴りかかった方が先に殴られているの!?
思いっきり顔面を殴られたせいか、思わず自分の鼻をおさめようとして
柊君の胸倉をつかんでいた手を離した瞬間、
今度はその手を柊君が掴んで、いきなりイケメン君が宙を舞うのである!
「え?」
ドーン!!
床に叩きつけられたイケメン君が悶絶してしまう。
「ガハ!!ひゅ、ひゅ、ひゅう・・。」
思いっきり怪しい呼吸をするイケメン君。
私が慌てて近づこうとしたのだが、柊君が、
「受け身が取れずに叩きつけられたから、呼吸がうまくできないだけで、
すぐに呼吸は出来るようになりますよ。」
そういって、私をその場に留まらせるて、イケメン君の様子を見ると
確かにすぐに呼吸が出来るようになっていて、何度も何度も深い呼吸をしていた。
「これに懲りたら、金輪際俺と早川先輩にちょっかい掛けないでくださいね。」
そうイケメン君、更にはその取り巻き達に告げる柊君。
取り巻きの友達たちは、
「あ、ああ・・・。」
「わ、わかった。」
そう納得してくれるのだが、イケメン君だけは苦々しい顔を浮かべていた。
どうやら彼は納得を全然していないようだ。
だったら・・・
「この怪我だけど・・・。」
私が包帯に覆われた手をグッと見せると、
痛々しそうな顔をして私の手を見ていて、
「原因はあなたにもあるから。」
「・・・え?」
「だけど、不問にしてあげる。
だから、今柊君が言ったように私と柊君には金輪際関わらないで。」
「な、ど、どうして・・・。」
困惑した表情を浮かべて私を見るのだけど、
ここでははっきりと言っておかないと、今後のためもある。
「さきに言っておくけど、自分に興味はまったくないねん!
どれだけ狙われても心が動くことはないんやわ~。」
「・・・え・・・。」
呆然としている彼に、
「はっきりと言ってあげる!嫌いだから、付きまとわんといてや!」
愕然とする彼を見ていると、両親からの着信があり、
私は柊君を連れて、病院から出て、両親が迎えに来た車に向かうのであった。
その道中で、
「ごめんね、こんなことに巻き込んでしもうて。」
「別に気になさらず。早川先輩のせいじゃないでしょう。」
「原因は私やんか・・・。」
「大丈夫です、僕はそう思ってないんで。」
「そう言ってくれるけど・・・。」
「なら・・・また今度何かをおごってください。それですべてチャラで。」
「ホンマ!?」
私にとっては、こんなに嬉しい提案はない!
今日のことがダメになって、これからどうしようかと思っていたところに
柊君から手を差し出してくれたのである!!
こんなに嬉しいことはない!
「その前にしっかり怪我を治さないとダメですけどね。」
「うわぁ~、何かそれでうやむやにしそうやん!!ホンマにやで!絶対にやで!!」
「分かりましたって。」
柊君が苦笑しながら興奮している私を治めるのであった。
やった!!
次こそは・・・次こそは絶対に成功させなあかん!!
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




