早川さん ~8~
美人看護師早川さんのお話です。
「ちょっと痛いいです!!」
そう叫ぶのだが、元カレにはそんな私の声は聞き入れてももらえずに、
「どうして指輪をしてないんだよ!!」
そう言って、益々力を籠めるのであった!
そんな時に、『グキィ』っという変な音が聞こえたた共に、
「いたたた!!!ちょ、お前放せよ!!」
柊君が元彼の指を掴んであらぬ方向に曲げたのである!
その痛みのおかげで、私を掴んでいた手は離されたのだが、
元カレはそのまま叫び声を上げる!
完全に私の腕から手が離されたのを確認すると、
柊君も先輩の手を離すのだが、その間に私と元カレの間に立ちはだかり、
私を柊君の体で覆ってくれた。
「嫌がってると思いますけど。」
「お前は関係ないだろう!!2人の話だ!!」
「ですけど、もう別れているんでしょう?」
「別れてない!!俺と早川は距離を置いているだけだ!!」
その後、柊君と元カレの間で無言で火花がしばらく飛ぶと、
「早川先輩は別れたんですか?」
こちらに視線は向けずに元カレから視線を外さずに後ろにいる私に
声をかけてくる。
「・・・うん。」
そううなづきながら柊君に返事をすると、
「だそうですよ。それなら当然指輪はしないと思いますけど。」
「だから違うってんだよ!!俺は別れてない!!」
「別れてるんですよ。それをちゃんと受けてとめましょう。」
「なんでそうなるんだ!!俺は別れてない!!
だから当然指輪はしているし、早川だって指輪をしなくちゃいけないんだよ!!」
そういって、私と柊君に対して、左手をグッと差し出してきて、
自分は指輪をしていることを見せつける元カレ。
「別れたのに指輪してるんですか?」
柊君からの容赦のない言葉に元カレが激怒する。
それはそうだよ!!思わずそう心の中でツッコミを入れるのだが、
そんな私の気持ちが届くわけもなく、
「もう別れたんですから、指輪は外してください。
それと早川先輩が指輪を外してるのは当然ですよ。
だって、あなたのモノじゃないんですから、当然外しますよ。」
「俺と早川まだ!!!」
そう言いかけたところで、
「もう!別れてるんですよ。」
そう声を大きくして、元カレに伝える。
その声は元カレに悟らせるように伝えていた。
その後も何か叫ぶ元カレに、一言「別れてるんです」と告げる柊君。
ハッキリと相手が理解するまでその行動を繰り返していた。
「・・・なんだよ・・・。じゃあ、返せよ!!早川、指輪かえせよ!!」
「「はぁ!?」」
私と柊君の声がハモる。
それもそのはずである。
何を言っているんだこの男は?
「・・・まだ早川先輩持っていますか?」
「うん・・・家にはあるけど・・・。」
「じゃあ、今度俺が受け取って、先輩に渡しますよ。」
「はぁ!?何でお前がそこでしゃしゃり出てくるんだよ!!
俺は早川に言ってんだよ!!」
「残念ですが、今のあなたに早川先輩と直接合わせる気はないですよ。
先輩と俺は同じ大学なんだから、会えますからね。
遠慮なんかしなくていいので、僕が私に行きますよ。」
「俺は早川から返してもらいたいんだよ!!」
「何でですか?」
「え?」
「だって、先輩の要望は指輪を返して欲しいのであって、
早川先輩が返す必要はないでしょう?」
有無も言わさない雰囲気が醸し出される柊君にたじろぐ元カレ。
完全に口で負けて、更には気圧されている。
そんな状態になったからだろう。
私達・・・すくなくとも私は想定していなかったのだが・・・
元カレが柊君を殴ったのである!!
「お前なんなんだよ!!俺と早川の問題に口出しするな!!」
そう言って、再度殴ろうとした時に、今度はその手を取って、
一気に元カレが投げられたのであった!?
「一発目は、まああえて殴られましたけど、二発も殴られる覚えはないので。
一発目は・・・何か早川先輩を盗ってすいませんってことで。」
苦笑しながら、今地面に座り込んでいる元カレにそんなことを言うのであった。
「ひ、柊君!!」
すぐに柊君の傍に行くのだが、柊君は笑いながら、
「問題ないですよ。」
私に笑顔でそう告げてくれるのであった。
ただ、それも束の間で、
「もしこれからも早川先輩に付きまとうのなら、
これくらいで済まないと思ってくださいね。」
そういって、元カレに優しく手を差し伸べる柊君であったが、
その手は激しく拒否られて、元カレはその場から立ち去ったのであった。
それを私と柊君は呆然と見送っていた・・・
気づいた点は追加・修正していきます
拙い文章で申し訳ないです。




