早川さん ~7~
美人看護師早川さんのお話です。
その席に座っている限り、柊君の友達しかり、
そのイケメン君しかり、他にも色んな人が私に話かけてきた。
・・・なんだかメンドクサイ・・・
私は私で柊君と話をしたい!
それなのにどーしてこうなるのよ!!!
ってか、その空気を察して、私と柊君をだけにしてくれてもよくない?
そんな私の思いとは逆に人が集まってくるのであった。
どうしたものかと思っていると、
「ちょっとトイレに行ってきますね。」
柊君がそんなことを言うのである!
これだ!!
私もそのトイレに便乗することにした!!
ってか、それしかない!!
「うちもいくぅ~♪」
そういって、柊君の腕を捕まえて、しなだれるように柊君にもたれながら、
「連れてってや~。」
そんなことを言っている私に困ったような表情をするのだが、
「・・・わかりました・・・。」
そう言って、柊君の手に力が込められて引っ張ってくれる!
ものすごい不承不承って感じやけど!
ああ・・・意外と力あ強いんだな・・・
そんな印象がもつ、力で引っ張られて、宴会場を後にしたのであった。
一応トイレには行ったのだが、
「ちょっと外に出てみいへん?」
「いいですよ。せっかくですし、星を見たいですから。」
・・・そこは2人になりたいからって言葉でもいいんちゃうん?
と思ってしまうのだが、グッとこらえて2人で外にでると、
「・・・すげぇ~・・・。」
天文台は山の上にあり、天気もいいことから
満天の星空になっていた。
「俺、こんなに星を見たことないわ・・・。」
普段使っている敬語を忘れてしまうほどの感動をしているようで、
星空を見ている目はキラキラしているのが分かる。
「今までみてへいんの?」
「はい!今まではこんなに星は見えてないところに住んでたんで?」
「ガラの悪い街だっけ?」
「・・・ちょっと、元気な人が多い街です。」
「ものは言いようやねんな~。」
「おっしゃる通りですよ!」
二人で苦笑しながら、満天の星空を見ている。
その後は2人で無言で見ていた。
私は星を見るのが好きだ。
いつまでも星空を見ていられる。
柊君も同様のようで外をずっと眺めていた。
二人が無言で外にいるのにもかかわらず、
全然私の中では嫌な空気にはならない
たぶん、柊君となら無言で何時間も耐えられそうだな・・・
「星座ってわかります?」」
「ふふふ、天文部員に何をきいてん!わかるよぉ~。」
そこから柊君とはどこに星座があるのかを言い合う。
意外と色んな星座を知っているし、更には星の由来の話をお互いし始めると
二人の話題が尽きることなく、話が弾んでいく。
「何かちょっと早川先輩のこと誤解してました。」
「・・・どういう意味?」
「いや・・・もっと遊び人でちゃらんぽらんしている人かと思ったんですけど・・・。」
「めっちゃ心外な!!
めっちゃしっかりものなんやけど!
しかも、本気で天体観測が好きだから、天文部に入ってんねんけど!!」
思わずぷぅ~と頬を膨らませて怒ると、柊君が苦笑しながら、
そのほっぺを突きだす。そして、
「失礼しました。見かけによらなかったんで・・・。」
「全然謝ってるん感じがせいへんで!!」
柊君の失礼な謝り方にご立腹になっていると、
足跡が近づいてくる音が聞こえて来た。
誰かこっちに来たのかな?
ちょっと不快になりながらも、その足音がする方に視線を向けると
そこには・・・私の前の彼氏、阪大学の柊君の先輩が、
こちらに向かって歩いてきているのであった・・・。
「よ!久しぶり!」
そう言って、笑顔で私に話かける彼。
「久しぶりって言っても、2週間ほど前には会ってますよ。」
無表情で敬語で話しかける。
その意図に気づいているのだろうけど、
気づかない様子で更に私に話かけてきくる元カレ。
「元気にしてた?俺さ、最近実験が忙しくてさ・・・。」
私が同意も何もしていないにも関わらずそれでも話しかけてくる。
「・・・柊君、向こうに行かへん。」
もうこの人の相手はしていられないと思い、柊君と共にその場から離れようとすると、
私の腕を掴む元カレ。
「ちょっと待てよ、早川!」
「・・・何ですか?放してもらっていいですか?」
そう言って、元カレの手を離そうとするのだが、
その手は力が込められているために離すことができない。
「なあ、なんで早川は俺との指輪をつけてないんだ?」
「はぁ!?」
私は思わず目を見開く!
それもそのはずである!
だって、彼とは別れているのである!
だから、指輪なんて当然するはずもない!!
「私達・・・別れたはずですけど?」
「今は、一旦距離を置いただけだろう!!別れたわけじゃない!!」
「いたぁ!!」
彼が大声で叫ぶと同時に私の腕を掴んでいる手に力が込められて、
思わず叫んでしまう。
その力は私の叫び声を聞いても弱くなることはなく、
ますます強くなっていくのであった。
気づいた点は追加・修正していきます
拙い文章で申し訳ないです。




