早川さん ~2~
美人看護師早川さんのお話です。
「さぁ~って、みんなはそれぞれの班の分かれて楽しんできてね~!」
そう言って、みんなと別れて私は私の班に行く。
それぞれが役割を与えられてご飯を作ることになったのだが、
その時、ふと炊事場を見たのだ。
そこには・・・
ああ・・・微妙にコメの洗い方が違う男子がいたのである。
お米は米と米をこすり合わせてないとダメなのに
彼は手を入れてかき混ぜながら洗っていた。
普段ならそのまま無視していたと思うのだけど、
彼の姿を見ると思わず近づいて行ってしまう。
「洗い方が微妙に違うでぇ~。」
そんな風に声をかけると私の声に反応して、こちらに顔を向けてきた。
・・・あ!?
私は・・・
一目で彼に惹かれていった・・・
っというか、好きになった!
顔が赤くなっていくのを感じ、さらにはバクバクと心臓の音が響いてくる!
・・・マジで!?
思わず自分に突っ込んでしまう!
だって、今までこんなことになったことはないのだから!
今までの恋愛は2人の彼氏がいた。
1人は幼なじみで、高校の時に告白されて、付き合うことになった。
この恋愛は・・・恋愛と言っていいのかは何とも言えないのだが、
告白されたので、別に嫌いじゃないので、更には周りの意見もあって付き合った。
だからだろうけど、特に何かがあったわけではないし、
一緒にいることで楽しかったという思いはなかった。
そのためか、少しすると、
「早川が何を考えているのかが分からない・・・。」
そう言われて、私は彼と別れることになったのであった。
そして、別れたにも関わらず、私の中で、
そっか・・・という程度の気持ちになっただけで、
特に悲しいという気持ちにはならかった。
その後は高校時代は誰とも付き合うこともなく、大学生になるのだけど、
その時に一つ上の先輩の先日までいた彼氏と出会い、付き合った。
新入部員として参加した、まさにこの合同合宿で出会った彼であったが、
初めての出会いで私に熱烈にアタックしてきた。
まさにこのご飯を作る時のことだが、
私がコメを洗っている時に声をかけてきた彼氏・・・
・・・ああ・・・
私も同じことをしてるんだな・・・
そう思うと思わず自分の行動を笑ってしまう。
まさに同じ行動を自分が取っているのだから・・・
そんなことを思い出しながら、今目の前にいる男の子に話かける。
「普段からご飯作ってるん?」
「はい、普段から自炊です。」
「へぇ~!?えらいねんな!」
「?そうですか?僕の周りにも同じような自炊している人はいますよ。」
「へぇ~意外!?てっきり、外食ばっかりやと思っててん!」
「・・・まあまあ、失礼ですね~。」
「ふふふ、あとは誰かにご飯を作ってもらってきてると思ってるよ。」
そう言ってニヤリとする。
彼くらいのイケメンだと彼女がいるのは当然だと思うし、
たぶんクラスの女の子達がほっておくなんてことはないだろう。
積極的な子もいるから、きっとそんな女の子から
差入をしてもらったりしてるんじゃないだろうか?
そんなことを思っていると、
「そんなの誰にもしてもらってないです。」
「え?彼女がおらへんの?」
彼からの返答が意外であったため思わず聞いてしまうと、
「彼女はいますけど、彼女は親戚の家に住んでるんですよ。」
「・・・じゃあ、自分の家に来て作ってくれるんちゃうん?」
「いいえ。僕は寮に入ってるんで、女子は禁制です。」
「マジで!?ホンマに!?」
「本当ですよ。何でそんなに驚くんですか?」
「いやぁ~・・・どうして寮なん?
なんか、イメージでは高いマンションとかに住んでそうなのに・・・。」
「それはイメージを壊してすいませんけど、僕は貧乏なんですよ。
基本的に学費も生活費も自分で払わないといけないですからね。
だから、少しでも安い所に住む必要があるんです。」
「マジで!?」
意外過ぎて本気で驚いてしまう!
学費も生活費も自分で払っているって!?
そんな生徒は私の周りには一人もいない!
マンガや小説の中で見たことがあるだけの世界である!
そんな苦労人が目の前にいるなんて・・・
自分の中で、何かできないか?と考えてしまっていた。
そんな自分に気づいて思わず苦笑してしまう。
だって、今までの彼氏誰にもそんなことをしたことがない。
というか、そんなことを考えたこともなかったからだ。
彼氏にも考えたことがないのに、どうしてそんなことを
今あったばかりの人に思うのだろうか・・・
自分で自分に苦笑してしまうのであった。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




