西尾さん ~3~
西尾さんの話です。
ちょっと不快な話になります。
不快に感じれば飛ばしていただければと思います。
Another Storyで柳川くんと月原くんがありますので
そちらも良ければお読みください。
あの事件があってから、私達は離れたままでいたのだが、
柊君について噂を聞くことになった。
「何かテニス部の原さんが柊君と話てたらしいよ。」
それは柊君が通っている塾でのことだ。
私は柊君とは違う塾に通っているため分からなかったのだが、
どうやらうちのテニス部の原が柊君と話しているところを目撃されたらしい。
「原さんってうちのクラスの?」
「そうみたいよ。何か、塾が一緒だからって、柊君に近づいたみたいで。」
友達からの話に私は、
「テニス部で私達に結構迷惑をかけてるのにな・・・。
もしかして、それで怒られたから私に恨みをもったのかな・・・。」
「えぇ!西尾ちゃん、こんなにいい人なのに!!」
「それも最初の頃って西尾ちゃん、教えてたりしたよね?」
「・・・うん・・・。」
「ひどいね~。原さんって!!」
そうして原に対しての嫌がらせが始まっていった。
ただ、それでも私に謝罪もない原に少し苛立ちを持ってしまう。
そんな時に、席替えで中田君の傍に原が移動した。
そうして私は、あの中田君に話しかける。
「最近さ、原さんに疎まれてる感じなんだよね。」
「うん?原に?」
「そうなんだ・・・。仲良くしたかったんだけどね。」
そんなたわいもない会話をしただけなのに
「・・・あいつ、西尾にひがんでんじゃないのか?」
「そうなのかな?そんなひがまれるようなことしてないのに・・・。」
「いや、み、み、見た目とかさ。」
「・・・見た目?」
「か、可愛いじゃん!あ、いや、あ・・・そう!原と比べて!!」
「そうかな~。」
「そうだよ!それでひがんでるんだよ!!」
一生懸命に慰めてくれる中田君。
ただ、中田君に可愛いと言われて嫌悪感しか感じはしなかったけど・・・
その後は、中田君が急に原に対して、厳しいことを言うようになってきた。
彼も原のことがきらいなんだろうな・・・
ただ、原になにかを言うたびに私をチラチラ見るのはやめて欲しい。
容姿が悪い人に見られても嫌悪感がますだけだし・・・
クラスで原に対して空気が悪くなってきてしばらくした時であった。
何と柊君が私のクラスに来たのだった。
だけど・・・
なぜか私が悪者になってしまった・・・
そして、完全に柊君との関係が終わってしまったのだ。
空気も読まずに発言した中田。
そして、今回の現況を作り出した・・・
竹中のせいで・・・。
この人の出来事で私達は先生達からひどく怒られてしまうのだが、
私が特に何かをしたわけではないのに、
なぜこんなに怒られてしまうのかが分からなかった、
3年生になっても、みんなが私達と一戦を引いてしまって
仲良くなることは出来ずになってしまう。
さらには中田達が起こした事件のせいで内申書が悪く書かれていたため
私の希望していた学校(柊君が行った学校)へは入学することは出来なかったのであった。
高校に入ってもなぜか一緒の学校に来た中田によって、
私は恐ろしい目にあうことになった。
本当に最悪だ・・・
ただ、これをきっかけに男の子達が心配をしてくれて、
私の傍にいてくれるようになったのだ。
欲しいものはすぐに買ってくれるし、
食べたいものは何でも食べさせてくれる。
「迎えに来て」
そう言えば、すぐに駆け寄ってくれるようになった。
・・・柊君もこれくらいしてくれれば良かったのに・・・
この頃になると柊君にも未練は無くなっていた。
まあ、柊君が言えば、付き合ってあげないわけでもないけど。
全国模試で上位に名前が載っている柊君を見て友達に
「これ私の元カレ。」
というと、みんなからの称賛がかけられる。
「やっぱり西尾ちゃんってすごいね。」
「こういう人こそ西尾ちゃんに相応しんだよ。」
友達の言葉に私もそう思っている。
高校卒業後には、私は専門学校に通うために上京した。
その専門学校に通っている最中に今の主人と出会い、結婚したのであった。
彼は部長であり、その業界では有名人のようであった。
また、彼の部下と一緒に出掛けた時には、
私のことを称賛してくれる彼の部下たちがいた。
まあ、合格点だろうな・・・
そうして結婚してあげた。
順風満帆な人生を歩みだしたのである。
そんな時に中学の同窓会の連絡が来たのであった。
柊君や・・・あの竹中は私みたいに幸せになっているのだろうか?
そんなことが急に頭に浮かんだできた。
以前までは連絡は来ていたものの、すべて不参加にしていた。
あの嫌悪感がある中田が参加している可能性があったから。
だけど、友達からは中田は呼ばれていないって聞かされていたので
一度参加してみることにしたのであった。
ついでに・・・
会場は安っぽい居酒屋で、
まあ、幹事や参加者のレベルがうかがえて見える。
「せめて、レストランとかにして欲しかったな。」
思わず口に出てしまうのをイケないとたしなめて、
居酒屋の入り口をくぐるのであった。
「うわぁ~!キレイ!!」
私に向けられる称賛の嵐に思わずテレしまう。
昔の友達がいた一角に私が向かうと
そこでもみんなからの称賛が降り注がれたのであった。
「そう言えば柊君は今日は欠席らしいよ。」
「え?そうなの?」
柊君に会いたくて来たのに不参加なのは残念だ。
「柊君て今はアメリカに行ってるみたいよ!」
「え?」
興奮冷めやらぬ感じで友達が説明してくれるのだが、
どうやら柊君は誰もが知っている有名大学大学院を卒業後に
大手電機メーカーの研究員になり、
今はアメリカの大学と企業との共同研究のために
アメリカに行っているとのことであった。
やっぱり・・・私とつり合いがとれるのは柊君くらいだね・・・。
私が選んだ柊君はやっぱりすごい人だった。
選んだ私の凄さにちょっと誇りに思ってしまう。
「そう言えば、竹中さんってどうしたの?」
私のふとした言葉に、反応が後ろから返ってくる。
「私のこと呼んだ?」
私が振り返るとそこにはきれいな・・・
私と同じくらいに綺麗な女性がいたのであった。
「久しぶりだね。」
その笑みを浮かべる女性が竹中だということは分かったのだが、
本当に綺麗になっていたのに驚いた。
いや・・・元々が美人になる素養はあったかもしれないが・・・
中学時代は私の方が上だと思う。
今は・・・悔しいけど、並ばれたと思う。
気づいた点は追加・修正していきます。
拙い文章で申し訳ないです。




